休学一代記 #3 ついに移住する。人間関係って1番難しいと思う。
わたしたちは、スーツケース1つで高速バスに乗って、引越した。
移住がスーツケース1つなんてなかなかシュールだなぁなんておもいながら。
シェアハウスが見つかるまではAちゃんのご実家でお世話になる予定になっていた。
Aちゃんのご家族は、優しくて楽しかった。
お母さんはエアロビクスにたくさん連れていってくれたし、おばあちゃんとはワイドショーや昼ドラを見て感想を話し合ったし、弟くんとはすこーしだけゲームの話をした。
でも、Aちゃんとはなんだかギクシャクしていた。
生活習慣が違ったからかもしれないし、私がなにかとんでもないことをやらかしていたのかもしれない。
それが何かも分からないまま、同じ家にいるのに会わない、自分の部屋から出てこないということがとても多かった。
その時のわたしは、まだ休学して1ヶ月目ということもあり、時々夜に一人で泣いたりするくらいでわりと平気だった。
帰りたいという気持ちもまだ起きなかったし、がんばろう!と思っていた。
今思えば、Aちゃんにとってわたしが邪魔だったんじゃないかと思う。
実家という、自分が確実に安心できるはずのテリトリーにわたしという部外者が常にいる。
それだけでも耐え難いのに、そいつは我が物顔で居座っている。
(もちろんわたしにそんなつもりはなかったけど、そう映っていた可能性が高い)
正直、4月はあまり記憶が無い。
このめの最初の下準備や挨拶回りは忙しかった。
それと共に、新しい生活に慣れることに精一杯だった。
Aちゃんとうまくやれないこともしんどかったし、Aちゃんと比べて自分の出来なさに落ち込んだりもした。
事実、足手まといになっていたこともあったし、実際に言われたことも覚えている。
「濱野に合わせていたら進むものも進まない」
怖くなった。やっぱりわたしはダメなんや。
地域の人と話すのも上手くないし、変なところでこだわりあるし、仕事も要領が悪い。
分かっていたことだけど、ここまで現実を突きつけられるとは...。
少しばかりあった自信もなくなり、ミーティングで引っかかることがあってもあまり言えなくなった。
自分の気持ちを、考えを伝えようとすることも怖くなった。
自分の考え、気持ちを言えなくなった。
これは何ヶ月も尾を引き、最後までわたしを縛っていた。
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