定住しなくても、いいじゃないか。〜関係人口の話〜
住んでいる人と、旅行で来る人との間の人たちのことを「関係人口」と呼ぶらしい。そんな言葉が出てきたのはここ数年のことだと、この間初めて聞いた。総務省のサイトにはこう書いてある。
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。
旅行で来る人は、旅行が終わったら帰ってしまう。
関係人口は、地域に何らかの関わりがある。
そして、定住はしていないもののその土地で継続的にお金を落とす。経済を回す。
ここが大きな違いらしい。
そして、総務省のサイトの文章はこう続く。
地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。
いわゆる、地域おこし協力隊やIターン、Uターンの人たちのことだと思う。
関係人口が増えていると言っても、地域から見たらどうだろうか。
実際、一部の地域の人たちは定住してくれるのか、ということを重要視する傾向があると感じる。
地域おこし協力隊にも、外からの関係人口に対しても。
結婚、出産して、ここに家建てて、そうして初めて信頼できる、というようなものの見方をする。
そして、来てくれた若者に、山積みの課題を解決してくれるのは君だ!とばかりに、様々なことを期待する。
これじゃあ、逃げ出してしまうよ。
例えば、都会のアパートに住み始めたとする。
そしたら、大家さんが言ってくる。
「このアパートは入ってる人が少なくて困っているんだ。君は出ていかないでくれ。ここに定住するよね?恋人はいるの?一緒に住めば?恋人に紹介してよ。」
住むところなんていくらでも選択肢があるのに、わざわざこんな束縛激しい恋人みたいなアパートに住み続けるか?
私だったらさっさと引き払ってしまう。
恋人にもだけど、他人に束縛なんかしちゃいけない。
でも実際には、束縛激しいなと感じる場面が多かった。
そして定住しないという選択をした人には、「あの人はダメだったね」と言う。
関係人口としての関わりの可能性を潰してしまっている。
定住しなくても、関係人口でもいいじゃないか。
家持ってなくても、結婚してなくてもいいじゃないか。
それくらいのゆるさをもって、関係人口の人たちと関わっていきたい。
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