慣れてしまって季節を忘れてしまう今だけど
担任の先生に「冬のトマトは食べないで」と言われた私の子供。
トマトが大好きな私の子供は夏は毎日トマトを食べる。「今日はトマトを切らしている」と言うとがっかりする。たいてい食事の一番初めに嬉しそうにトマトを食べる。毎日、毎日、毎日。
夏のトマトは甘みがあって美味しい。サクサクっと切って何もつけずに食べるのがいい。
トルコではトマトを煮詰めて作る「Domates salçası」(ドマテスサルチャス)という調味料がある。日本人にとっては「味噌」を思い浮かべるとしっくりくるかもしれない。それほど、トルコの人たちにとってなくてはならないものだ。煮込みやスープを調理するときに使ったり、パンに塗ったりして食べる。
「Domates salçası」(ドマテスサルチャス)ではないが、一度、子供の友達の家にパプリカで作る「Biber salçaşı」(ビベルサルチャス)を作っているときにたまたま行った。庭で作っていて、大きな鍋にカヌーを漕ぐために使われるパドルのようなもので混ぜていた。混ぜさせてもらったが、かなりの重労働だ。遊び終わって帰るときに、一瓶お土産にとくれた。
夏のトマトは甘みがあって美味しいが、だんだん季節が変わって秋になり、冬になってくると甘みはなくなってくる。色味も夏のトマトの濃厚な赤みと違い何だか白っぽい。そのころになると、トマトは毎日食卓になくても子供から文句は出ない。それでもあると食べる。
冬のある日、学校から帰って来た子供が言った。
「冬のトマトは食べない。」
学校で、季節の野菜の勉強をしているときに先生が言ったそうだ。「冬のトマトは食べないでください。薬で大きくしているのであなた方の体に良くない。」と。
その日から冬のトマトを食べなくなった子供。
茄子やピーマン、ニンジン、レタスなど一年中売られているものも増えたが、キャベツ、ほうれん草、ブロッコリー、カリフラワーなどはその季節にしか売られていない。日本のように一年中売られているわけではない。果物もそうだ。
八百屋を見ると、「あぁ、もうそろそろ季節が変わるのだ」と感じる。
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