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バスに乗るのは好きじゃない

子供が小さい頃、市バスに乗るとよく席を譲ってもらった。道が悪いし、運転も荒いので子供だけでも座ってくれないと自分も大変、支えきれないからいつも助かった。年配者や妊婦さん、子供連れが乗ってくると、ここトルコでは(田舎の方では)若い人でもすっと席を譲ってくれる。

一度、バスの運転手が乗客に 「誰と競争しているんだ?」と聞かれていたことがあった。何をそんなに急いでいるのか、市バスにしてはスピードを出していたのだ。運転手は「誰とも」と答えていたが、荒い運転に慣れているトルコの人でもその運転手の運転は怖かったのだろう。

子供が小学校に上がる前まではバス代は無料だった。できるだけ膝に乗せて一緒に座っていたが、小学生になり、体も大きくなってきたので最近は膝に乗せて座るのは無理。バス代も払っているし、一人で座らせる。

でもたまに二人で座っていると、子供を膝に乗せて席を一つ空けろという人がいる。それならと、席を譲ろうとすると、「いいから子供を膝に座らせろ」と言うおばさん。ある意味気を使っているのか・・・言うのは簡単だがこちらは子供が結構重くて大変だ。

一人で遠出する用事があるときは、目的地まで30分でも1時間でも歩く。バスのハッキリとした時刻表がないから、いつ目的のバスは来るのか?と待っているのも嫌だからだ。15分、20分待って乗客でいっぱいで乗れないときもあるので、それで待っているくらいなら前に進もうと考えてしまう。

バスが好きじゃない(正確に言えば乗り物)。海外に住んでいるのに旅行が好きじゃない。行きたいところはあるが、バスで何時間も乗っていかなくてはいけない。友人たちの中には実家に帰るのに、12時間も18時間も長距離バスに乗って帰らないといけないと言う。トルコでの長距離バスは普通だ。国内線を使って飛行機で移動する方が待ち時間等を考えるとバスに乗ってしまう方が早い。

子供は市バスはあまり好きではないが、長距離バスは好きだ。長い時間備え付けのモニターでテレビや映画、ゲームがし放題だから。

その横で、私はひたすら早く目的地に着かないかとばかり考えている。

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