見出し画像

隔離ホテル11日目

一次解放まであと3日。
嫁によると、アリババからインストールできてしまう添付の健康コードのレッドが24日の15時にはグリーンに変わり、隔離されているハズレホテルからの出所が晴れて叶ううらしい。
この健康コードこそ、この国の都市間の移動には必須のコードになっており、通行証の一つになっている。万が一クラスター発生の場所にいたならば、反応して移動制限がかかるそうだ。
賛否はあるが、国家権力により簡単に私権制限・監視ができることが、この国のコロナ拡散を止める大きな武器になっていることは間違いない。日本でこれを強制的に国民に採用させるには憲法改正ぐらいしないと無理だろう。
「あなたさあ、暇だからってネタ書きするのはいいけどさあ、QRを無造作に添付するなんで、ほんまアホやね!」
「なんでだよ〜!」
「アンタには、ただのモザイク模様だけど、スキャンできればてんこ盛り個人情報が容易に見れちゃうわけ」
「じゃあ、どうしたらいいんだよ!この画面って私権制限にうるさい日本にはお目にかかれない代物なんだよ。ネタにはいいかと思うんだけど。」
「ちょっと待ってて〜」
嫁は カバンからモゾモゾ何かを取り出し、個人情報てんこ盛りのQRコードの上に、そっと置いた。
「なんじゃこれ?」
「ブラを型どった小さなシール。鉛筆とかスイカとか他にあるけど、あんたはこの形の方が嬉しいでしょ〜。こいつを置けばスキャン完了できないでしょ!」
「なるほど〜、優秀だね!うちの嫁さんは!」
「じゃあ、このブラの下には超機密情報が隠されてるってことかあ〜ウシシシ・・」
「あんた、そんないやらしいことばっか考えてたらさあ、24日になってもずうっとレッドのままだよ」
本質を見抜く嫁の眼力には感服しかない・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?