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会話のすれ違いは愛しい


先日、コーヒーショップで隣の席の若い男女が話していた内容が聞こえた(というか聞き耳をたててしまった)。

女性「妊娠したら、コーヒー飲めなくなっちゃうんだよ」

男性「え、そうなの?知らなかった。調べるわ」


そう言って男性はスマホでチャチャチャと調べた。

男性「ホントだ。でも1日2杯くらいは飲んでもいいんだって」

女性「でも何があるかわかんないじゃない?今までより飲めないんだよ」

男性「大丈夫だよ。普段からガブガブ飲むわけじゃないじゃん。カフェインレスコーヒーもあるんだって、ほら」(スマホを彼女に見せる)

女性「カフェインレスなんて美味しくないよきっと」



すれ違っていて、いい会話だなぁーと思った。


カフェオーレ


妊娠により身体に変化が起きることを知ってほしい女性。制限が出てくること、心配事が増えること、ただそれを伝えたい。


一方、安心していいことを伝えたい男性。大丈夫だよ。思ってるよりも大変なことは起こらないよ。何を心配しているんだい(と言いたいんだろうと勝手に想像した私)。




ただ、「そうなんだね」と返事をしてくれれば満足したであろう女性。


なんでそんなコーヒーにこだわるんだい?と不思議に思っているであろう男性。



私は、悪気なくすれ違っていく会話が好きだ。お互いが思うことを言葉にして、その言葉だけを追っていると不思議な着地点に辿り着いてしまう。



巷では「女性の話はまず受け止めてあげよう」とか「男性へはこうやって伝えよう」とか、スキル本が溢れてるのだけど


私はこの、すれ違いこそ愛しいと思っている。「この会話はどこにいくのだろう?」と想像するのがいい。そして、自分の会話においては想像する余裕がなくて怒る時もある(あるんか)。


ちなみに、相手が話を聞く気がなかったり、傷つく言葉を言ってくる場合は「すれ違い」とは呼ばない。それは「無視」とか「攻撃」。ね。


私が好きなのは、温かいすれ違い。


最終的に、その男女の会話は

女性「まあ、まだ妊娠してないからいいか」

男性「そうだよ。しかもそれ抹茶じゃん」

女性「抹茶だってカフェイン入ってるんだよ?」

男性「え?」

に落ち着いた。

男性の栄養成分に対する無頓着さに驚く私なのであった。そしてカフェインレスコーヒーは美味しいから安心してほしい。きっと女性はそんなことは心配していないだろうけど。

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ハマダユイ
ソーシャルワーカー10年目。オンラインカウンセリングや相談室バオバブ(1人でやってます)で個別相談を受けている。精神疾患にまつわる悩み事、家族のこと、人間関係のこと、仕事のこと…。いろんな人と一緒に作戦会議を開く毎日。
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