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【現地滞在活動紹介】株式会社ベーシックシネマ ~(仮題)『そこにあるもの ~福島県浪江町の2023年~』③苕野神社の復活、そして安波祭

全国・世界・地元から、福島県浜通り12市町村にて芸術家が滞在制作をする「ハマカルアートプロジェクト」(経済産業省令和5年度地域経済政策推進事業(芸術家の中期滞在制作支援事業)。
その採択プログラムの紹介として、ここでは板橋基之さん(株式会社ベーシックシネマ)による「請戸・苕野神社の再建と人々の暮らし」をご紹介しています。

今回は板橋監督のプロジェクトに触れる3回目、監督の現地活動として「苕野神社の落成と安波祭」についてご紹介します。

1回目・2回目の記事はこちら

【板橋監督の現地活動の集大成として】

苕野神社の再建を追う、板橋監督の今回のプロジェクト。社殿の自体は1月末に無事完成し、引渡しも行われたのですが(監督はそれも取材されました)、お披露目としての集大成である『安波祭』が、2024年2月18日に挙行されました!

好天の下、新しい本殿に大勢の観衆が集う

――安波祭:海と関わりの深い請戸地区は苕野神社にて、豊漁や豊作などを願う行事。獅子舞や田植踊なども奉納されます。

もちろん当日は板橋監督も大忙し。
あちこちの角度から、神社再建委員会の方々や関係者の方々のコメントなどを、カメラを回して取材されておられました。

板橋監督は撮影で大忙し

安波祭自体、震災後も場所を変える等して開催されてきたものの、苕野神社"社殿"の前での開催は約13年ぶり。
当日は好天にも恵まれ、各神事や神楽のほか、全町避難の後は避難先の仮説住宅にて続けられてきた請戸の田植踊等は12人の踊り手によって奉納されました。

監修が大注目、請戸の田植踊
獅子舞の奉納

波打ち寄せる浜づたいに約1,200人の人々が暮らした請戸。震災後、そこに家屋の姿はなく、人々の暮らしはなくなってしまいました。

しかし、今回の安波祭は請戸の方曰く「震災前の安波祭の賑わいを彷彿とさせる人の数」だったそうで、ほかにも「神社が建ったことと安波祭をキッカケに、今まで戻ってきていなかった懐かしい顔たちも多くみられて、もう暮らしはないけれど、やっぱり"社殿ができた安波祭"にみんな集まるんだなって」と喜びの声を聴くこともできました!

各団体代表者らの祝辞と新しい禰宜の方

「震災前から関わりがあって、今回こうして追ってきた中で、立派な社殿が建ち、これだけの賑わいが見られたことは非常にうれしい」と板橋監督。

いよいよ次回は最終発表会にて板橋監督の発表等についてご紹介します。
(特筆等ない場合、各数値等は執筆時2023年12月時点のものです)