【3分でわかる】ファンベースマーケティング
ファンベースマーケティングとは、コミュニティー・デザイナーの佐藤尚之氏が提唱したマーケティング手法です。
新規顧客の獲得ばかりに注力するのではなく、「商品・サービスのファン」にマーケティングを行うマーケティング施策です。
「えっ、ファンをベースに、ということは新規顧客の獲得はどうするの??」と思った方はぜひ、読んでみてください。
売上が伸び悩んでいる会社は、ファンベースのマーケティング施策がオススメです。その理由も本記事では丁寧に解説していきますね。
ファンベースマーケティングとは
ファンベースマーケティングの特徴は、新規顧客の獲得に注力するビジネスモデルではなく、ファンの視点に立ってマーケットを展開していく施策です。
結論、ファンベースで行うマーケティング施策は、現代社会において、とても大切になります。
というのも、ネット環境やデバイスの進化により情報過多の時代を迎えたからですね。
消費者の購買行動の変化
これまで、多くの会社は売上が鈍化する度に「新規顧客の獲得」をしてきました。
テレビや雑誌、チラシなどを利用して大量の広告を打ち、市場を広げていくことで新たな顧客をファンにしていく感じ。売上を伸ばすためには当然の施策といえるでしょう。
とはいえ、現代に生きる消費者はどうでしょうか。
現代の消費者はテレビ、雑誌、新聞離れといわれています。そして、それをきっかけに消費者の購買行動も変わりました。
今は会社から宣伝されなくとも、ネットやSNSを通じて、
上記の理由により、昔ながらの「マス広告」の効果が薄れてきています。※もちろん、全てのマス広告の効果が薄れていることはありません。
そこで、注目を浴びているのが「ファンベースマーケティング」という施策なのです。
ファンベースマーケティングのメリット
ファンベースマーケティングを行うメリットは、下記の2つなります。
実は、ファンを大切にすることで、新規顧客も獲得できるのが今の時代です。
ファンベースで売上を伸ばす
ファンベースと聞くと「自社商品のファンを増やす」と考えてしまいます。
しかし、真のファンベースとは「既存のファンに対してさらに満足してもらう施策」を指します。
この考えは「パレートの法則」から導きだされた考えです。
パレートの法則
パレートの法則とは、1896年にイタリアの経済学者、ヴィルフレド・パレートが提唱した法則です。
この法則は全ての原理原則は「80:20の比率で成り立つ」という考えで導きだされた法則になります。
顧客別名「80:20の法則」とも呼ばれています。
なぜ、パレートの法則とマーケティングが関係するのか。
それは、多少のバラつきがあるものの、売上の比率は「パレートの法則」が成り立つからです。
この法則に基づいて考えられた施策がファンベースマーケティングになります。
つまりは、企業の売上の80%は、20%のコアファンが支えています。
株式会社カゴメの事例
株式会社カゴメは売上が鈍化しているなか、パレートの法則を利用して売上を伸ばした好例といえます。
実は昔、カゴメは飲料水全般の売上の鈍化に悩んでいました。そこで、最初に行った施策が「飲料水の種類を増やす」というやり方です。
これは「トマトジュースだけに注力するのではなくて、飲料水の種類を増やして、新規顧客の獲得を増やす」という狙いです。
どの企業も売上が落ち込むときには、この施策を行うでしょう。
「2.5%」のファンをベースにしたマーケティング
しかし、「商品の種類を増やして、新規顧客を獲得する」という施策は失敗に終わりました。
失敗の原因は、「トマトジュースのファンが離脱してしまった」とのことでした。
なぜ、ファンの離脱はカゴメを苦しめたのでしょうか。
実はカゴメの売上げ「30%~40%」は、トマトジュースをこよなく愛する2.5%の「コアファン」だったのです。
なのでファンの離脱を促してしまったカゴメは、結果的に、安定していた「30%~40%」の売上までも落ちてしまう始末に…。
そこで、カゴメは2.5%のコアファンをベースにしたマーケティング施策を行いました。
カゴメとファンを結ぶ「&KAGOME」
コアファンの大切さに気づいたカゴメが始めた施策は、会員限定のコミュニティーサイト「&KAGOME(アンドカゴメ)」の設立です。
これは「既存のファンの方のみにアプローチをかけていく」という施策です。
新規のファンを広げていくのではなく、コアファンと更に深い関係を築き上げていくのが狙いです。
具体的にはコアファン限定の「工場見学」や「キッチンイベント」を開催して、カゴメとファンが触れ合える場を提供しました。
また、コミュニティーサイト「&KAGOME」に「トークルーム」というカテゴリーを設けることで、ファンだけの深いコミュニケーションも築ける仕組みを構築させました。
結果的にカゴメのファンはサイト開設当初の1万人から、今では3万人まで増やすことに成功したのです。
つまり、カゴメはコアファンと深いコミュニケーションを図ることで、新規顧客の獲得にも成功していたということになります。
まさに、カゴメの事例はファンベースマーケティングの好例といえるでしょう。
まとめ
今回はファンベースマーケティングについて解説してきました。
ファンベースマーケティングとは既存のファンとさらに深いコミュニケーションを図り、商品の発展、新規顧客の獲得を目指すことです。
その事例として、カゴメでは、売上の30%~40%を占める「コアファン」に向けて「&KAGOME」を設立。
結果、深い絆が生まれて新規顧客の獲得にも成功することができました。
今は情報過多の時代になり、消費者はつねによいものを自分で見つけられるようになりました。
この時代に必要な存在は企業を支える「コアファンの声」になります。
もし、「会社いの売上が伸びない」「新規顧客の獲得が大変だ」という状態でしたら、一度、コアファンの声を聴いてみて下さい。
答えはそこにあります。