「お」はなし、をします

汚話(おはなし)をしますからね。苦手な人はスルーしちゃってね。

僕は割とあけっぴろげなので、日常生活では事細かに伝えたいと思うと何でもハッキリと話しちゃう性質なんだよね。

で、食事中とかにも平気で話すから、ファンシーで乙女チックな母親には「もう、やめてよね食事中に!」って言われる。そうなんだけどさ、でも頭に浮かんでふっと話したくなる事ってあるじゃない? 悪気はないんだよねホント。ホントホント。

朝食をとったあと、催したんでトイレへ行った。大きい方だったからね、読みかけの本を持って万全の準備をしてトイレに入った。アレね、なんでかこう、活字を読んで気を逸らしていないと出ないんだよね。だからトイレは僕の集中図書室。大事な読書の時間。

でも出なかったんだ。だいぶ長時間頑張ったんだけれどね、ダメだった。がっかりだよ。スッキリしないじゃん。

トイレから出て、居間にいた母親に「出ないんだよね〜」って大声で声をかけた。てっきり「やぁね」って返ってくると思ったら、母親が徐に立ち上がってのけぞったんだ。僕は「出ないんだよね〜」って一言ボヤいて自室に戻ろうとしたから「ん?」って思ってのけぞっている母親を思わず2度見した。そうしたらこう言うんだ。

「こうすると(のけぞる姿勢)出るらしいわよ」「!」…僕はビックリ。それは僕が密かに誰にも言わずに心の中で気がついて思っていた事だったんだよ。「えっなんでそれを知っているの!?」「こないだテレビで言っていたから」

「えっちょ待って。それ知ってるっていうか気が付いていたよ。でもそれをお袋が言うなんて…」ちょっと笑ってしまったんだ。

東北の親戚の家に滞在する事が何度かあってさ、古民家だから和式で汲み取り式のボットン便所なんだよね。僕はそういうのに慣れていないから足を踏み外して片足突っ込んじゃったらどうしようとか、しゃがんで何分もいきんで足が痺れてなかなか立ち上がれないとかで、滞在中は辛くて便秘になっちゃうんだ。そうして何日か溜め込んで東京の狭いけれど住み慣れて快適な我が家に帰ってくる。当然トイレにダッシュ。溜まっていた物を出し切ってスッキリしたい。……でも、4〜5日も出ないで溜まっていた物は水分が抜けて凝り固まってどんなに踏ん張ってもリラックスしてもちょっとやそっとじゃ出なくなってるんだよ。糞詰まりってやつ。

苦しかったね。なんとかして出そうと下腹を揉んでみたりいろんな姿勢を試してみたりした。その時に気がついたんだよ。あれ?前かがみになっているより便器の蓋にもたれるように背筋を伸ばすとちょっとずつ出るぞって。

そういう秘伝のコツみたいのはさ、用が済むと忘れちゃうじゃん。だから自分の頭の中にしまって誰にもそんな話をする機会はなかった。

そんなこんなで普段は汚い話を嫌がる母親が、話に乗っかってきたから思わず笑っちゃったんだ。

はい、長々と失礼しました。

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