ギャラン

最初に言っておく。僕はタバコを吸う。何がなんでも吸う。マナーは守るけど吸う。母親に体に悪いし部屋が臭くなるからやめてと言われたので家では吸えないけれど外へ出ると吸う。臭いと言われると悲しいけれど吸う。

昨日は寝る前にnoteを開いたけれど、なんだか書きたい事が浮かばなかったので寝てしまった。おうやっぱり三日坊主じゃねぇかと自分にツッコミをいれた。

自宅での禁煙を始めて2年が過ぎた。お陰で僕は以前ほどニコチン臭くはなくなった。部屋にあるものも臭くなくなった。タバコの臭いに敏感になって、外で吸って家に戻ると「ああ僕は臭いな…」と感じるようになった。

それは僕の事情だけではなくて社会的な事情も大いに関係している。タバコは値上がりし、健康志向の嫌煙家からは毛嫌いされ、街には喫煙所が激減し、喫煙席のあったファミレスやカフェやなんかが全席終日禁煙になった。肩身が狭すぎる。喫煙者は他より税金を払っているんじゃないのか?お国のために血税を払っているんだからもっと優遇されてもいいのに。

灰皿の置いてある場所ならなんとか。通りすがる人に迷惑にならないように風向きを考えながらそっとZIPPOで火をつける。マルボロライトのロング。20年以上ずっとそれだ。

コロナ禍でマスクをつけながらエアコンの効いていない外で、椅子もなくてパーテーションで外界から区切られた狭い場所で、立ったまま吸うのは正直しんどい。昔のようにカフェやなんかでコーヒー頼んで灰皿もって席に座ってケータイ見ながらコーヒー飲みながら椅子に座ってふぅ〜ってやっていた頃が夢みたいだ。

もう諦めた。タバコの吸える飲食店を探す気力もないから純粋に飲食だけを楽しむために入店する。食事や休憩に立ち寄る店の種類が増えた事は良し。

この間、街中で灰皿が置いてある場所を探していて、昔たまに行っていた昭和感満載の喫茶店を見つけた。「全席終日喫煙OK!」そう看板に書いてあって、おお!と思った。迷わず入店したら各席に当たり前のように灰皿が置いてあって「えっ本当にここで吸ってもいいんですかい?」と目を疑いたくなる光景だった。天国のようだと思った。深々と椅子に座りカバンからタバコとライターを取り出しテーブルの灰皿の横に置く。糖尿病だから本当はダメだけれどアイスココアが飲みたかったからオーダーした。

すっかり落ち着いて煙をくゆらしていたら、店内のBGMがひどかった。平成どころか昭和の下賎な歌謡曲ばかり大音量で流している。まぁそれはそれでちょっと面白かったので一緒にいたツレと顔を見合わせてちょっと笑った。

そんな喫煙者の為のカフェが増えるといいなぁって思う。絶対需要はあると思う。

また行くよ、ギャラン。

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