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明治チェルシーは祖父の思い出

 明治生まれの祖父には初孫として随分可愛がってもらった。

 明治が「チェルシー」キャンディーの販売中止を発表したことがきっかけで、久しぶりにその祖父のことを思い出した。祖父はチェルシーが大好きで、私も一緒に食べた思い出がある。


 そうか「53年の歴史がある」ということは祖父と食べていたのは発売直後だったのか。その思い出があって、たまに見かけるといまも買うことがあった。

 現在はバタースカッチとヨーグルトスカッチだけのようだが、あの頃はコーヒースカッチ味もあったもの。「ほーら、チェルシー、もひとつ、チェルシー」というメロディと、外人の女の子がたどたどしい日本語で「アナタニモ、チェルシー、アゲタイ」とつぶやくCMも脳内でしっかり再生できる。あのCMソングが小林亜星作曲だったとはきょう初めて知ったが。

 記事によると明治は「市場環境や顧客ニーズの変化にともなう販売規模の低迷で、収益性が悪化したため」としていて、「チョコやグミに押された」という別記事もある。そういえば製造中止になったサクマドロップも飴だったな。

 すでに製造は中止になって在庫のみという。情報番組によるとさっそく店からは消えてなくなりネットのフリマでは高額出品されているので、きっともう食べられないなー。

 諸行無常。経済活動の一環なのだから売れなくなったら退場しなければならない。買い続けてサポートしなかったのが原因だから「懐かしい」「けしからん」と嘆いても仕方がない。

 近年に“退場”したお菓子は、思いつくだけでも「カール」「サクマドロップ」「チョコフレーク」がある。「製造中止」「販売停止」と聞くたびに「ああ、残念!」「最後に食べておかなくちゃ」と思うが、去るものは日々に疎しで、なければないで、いまは思い出しもしない。チェルシーもそうなるのだな。

 このニュースをきっかけに祖父との時間を思い出した。そこに感謝する。
(24/3/5)

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