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書店の売り場が“荒れる”

 日曜日。いつものように“読書三昧”を決め込むのもいいが、「あ、そういえば、渋谷東急本店のMARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店は今月いっぱいで閉店だったな」と気がついた。

 紀伊國屋書店新宿南店、三省堂書店本店など、都内の超大型書店の閉店が続いている。ジュンク堂渋谷店に続いて八重洲ブックセンターも3月に閉店予定だ。

 テナント契約終了、ビルの老朽化、街の再開発など要因はさまざまのようだ。書店の苦境が続く環境である、再び開店することはできるのか。
 
 さて、八重洲ブックセンターについて。

 先日、時間がぽっかり空いた午後に立ち寄った際に閉店することを知った。

 時間帯でたまたまだったのかもしれないが、店内にお客さんはまばら。各フロアでの精算ができなくなったためだろう、店員さんも見当たらず、内線が鳴っていてもいつまでも誰も取りにこない。そして肝心の書棚に“熱気”“活気”が感じられない。

 そういえば地下1階に百円ショップができた頃からそんな“風”が吹き始めていたように思う。具体的に「書棚がガラガラ」という事態ではないのだが、“本の蟲”の嗅覚から言わせていただければ、“店が荒れている”のだ。

八重洲ブックセンター本店、再起は難しいのではないか。

 5年も前にジュンク堂書店の社長が「大型書店は(ネット書店と比較して)本を探すのに苦労する『ただ不便』な店になった」「大型書店は『化石』みたいな商売」と話していた記事を見つけた。

 読書を趣味とする者からすれば、超大型書店のフロアを逍遥して思いがけない「本との出会い」があるのはなんともいえない至福の瞬間だ。ビジネス的にそれが“重荷”となっていたとは・・・。ショックだった。

 さて、きょうは読書の時間を削って渋谷のジュンク堂へ行くべきか。閉店まで10日を切って、やっぱり“店内が荒れている”ような事態を見せられてしまうかもしれず、躊躇している。
(23/1/22)


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