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近くにいれば情が移る

いつもながらの“報道陣村”

自民党の総裁選びを伝えるテレビニュースで政治家の「出待ち」をしている報道陣を見た。自分がこうした現場を離れて20年以上が経ったが、いまでもあまり雰囲気は変わっていないようだ。

基本的にそこにいるのは1社につきひとりなので(同じ社の記者とカメラマンという組み合わせはあるが)、そこには同業他社が集まっていることになる。「抜いた、抜かれた」を競うライバル関係ではあるが、当局への向き合いでは「仲間」という意識もある。「取材対象者を待っているだけ」ではやることもあまりないので、雑談に花が咲くものである(実は他社の様子を警戒しているという部分もある)。

やっぱり出会いは“職場”が多い

現場を飛び回っているのはたいてい若手だ。当然ながら女性記者も多い。いつも近くにいて話していればどうしても情が移ってくるのだろう、ウチの女性記者も他社の記者さんと結婚することが多いようだ。個人的にはこれを「ヒデとロザンナ効果」と呼んでいる(若い人はググってみてください)。やっぱり男女は出会いがなければどうにもならないし、報道の現場でもその機会はそれほど多くない。変則的な“職場結婚”といえる。

これは華やかなように見える芸能界でも同じ。映画・ドラマ・テレビ番組の収録現場はいつも「ON状態」ではなく、芸能人さんの待ち時間はなかなか多い。共演者同士で話をしていれば親しくなるのは当然だ。

ところで、かなり前の話になるが、あるタレントさんがテレビ局のAD(アシスタントディレクター)と結婚したという話には驚いた。いくらおなじ現場でも「出役さん」とADさんが親しくなることはあまり想像できなかった。

言葉を超えたコミュニケーション

閑話休題。逆もまた真なりである。遠距離恋愛がたいてい悲しい結末を迎える原因は「離れていると情も薄くなる」から。やっぱり人間という生きものでは言語外のノンバーバルコミュニケーションが大きなウエイトを占めている。コロナ禍によるテレワークがコミュニケーションを貧弱にしていることは間違いない。いくらオンライン会議を重ねてもダメなものはダメ。やっぱり職場でも「情が移る」ことは大切だから。

なんだかダラダラと当たり前なことを書いてしまった。
(21/9/8)

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