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プレゼントされた本


 私の唯一の趣味が読書であることは会社の同僚にもしっかり認識してもらっていて、先日は退職祝いの会食を開催してくれただけでなく、2人から本もプレゼントされた。

 「本が好きだから、選書をして進呈しよう」という気持ちは本当に嬉しいし、ありがたい。自分の選書アンテナ外の本との出会いにもなるかもしれない。

 しかし、こうして「プレゼントされたけど、実はあまり食指が動かない本」はどうしても「いつか読めるな」と後回しにしてしまいがち。だから「あれ、読んだよ!」と感想をシェアすることもしないままで、なんとなく気まずい。しかも既読の本も混ざっていたが、まさか「これ、読んだんだよね」とも言えなかった。

 大学生の頃だっただろうか、書店組合?が「サン・ジョルディの日」として「本をプレゼントしよう」というキャンペーンを展開したことがあった。読書人口の嵩上げをしたいという狙いはわかるが、読書家の大学の同級生女子が「本なんて個人の好みだから、こんなのは定着しないよね」と“予言”していたもので、これは的中した。ちなみに彼女は50歳を過ぎてから作家デビューをして、すでに数冊が上梓されている。

 そういえば外国ではクリスマスなどの本をプレゼントしているのか。でも外国のプレゼントにはもれなく「キャンセル文化」もついてくるから、「読まないや」って返品もしているのだろうか。日本人としては「だったら最初から本を贈らなければいいじゃん」と思うところである。
(23/11/25)

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