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不思議な新聞

 9月に実施される自民党の総裁選は、さらに立候補を目指す議員が増えたようで、最大で12人の名前が取り沙汰されている。自民党の党首を選ぶということはすなわち日本の首相を選ぶことになるわけで、私も関連する報道を高い関心をもって毎日読んでいる。

 ところが。
 
 会社で各紙を眺めていると、東京新聞のスタンスがかなり違うことに気づく。このニュースをほとんど伝えていないのである。さすがにきょうの朝刊では河野太郎氏の出馬表明を記事にしているが、その前の3日間では25日付紙面で石破氏の出馬表明を河野氏と同じくらいの分量で載せているだけ。つまり24日と26日の紙面にはまったく掲載していないのだ。NHKや他の各紙が出馬予定者の動静を連日微に入り細に入り伝えているのとはあきらかに温度差がある。
 
 すべてのマスコミが横並びであるべきだとは思わない。それぞれ独自のスタンスがあってしかるべきだろう。ましてや東京新聞さん、自民党嫌いなのは理解する。
 
 しかし現職の首相が不出馬を表明した政権与党の代表選びを、まるでそれが起きていないかのように冷遇するのはやっぱりあまりにも不自然に映るぞ。これだけ各マスコミが連日盛んに取り上げているのだ、それを見ている東京新聞の読者さんは不思議に感じていないのかな。

 そして。
 
 他社であれだけ展開しているにもかかわらず、自分が取材・出稿したものはさっぱり載せてもらえない政治部記者のモチベーションはどうなってしまうのだろう?私が記者だったらとことん腐っているだろうなあ、と心配になってしまうのであった。
 
 さらに。
 
 けさの東京新聞は昨日の中国軍機による領空侵犯についても、他の全紙が1面に掲載しているなか、唯一2面に追いやった形なっている(産経と読売は1面トップ)。その東京新聞の堂々たるトップ記事は「第1回原水禁大会に参加した5人の高校生がまとめた記録誌を、千葉県の男性が語り継ごうとしている」というもの。5人の高校生らがまとめた当時の冊子の内容がドカドカ引用されているが、では、いまその千葉の男性がいつ何をやろうとしているのかが書かれていないという、なんともわかりにくい記事なのである。
 
 「他国の軍の航空機が突然領土に入りこんできた」という事態は、国の安全保障にとっても、国の尊厳にとっても極めて重大なものだと思うのだが、ニュースバリューの判断としてこれはどうなんだろう?
 
 つまり「一般紙」ではなく、何らかの機関紙だと思って読んでいればいいのかな。それが何かは明示されていないが。
(24/8/27)

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