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カメムシ飼ってみた【2/17完】

こんなnoteを書いていいのか迷いつつ。
虫が苦手な方は見ないでください。
また、私も虫が得意な方ではありません。

カメムシを飼った理由

野生生物を人工環境下で飼育するのはよくないことだと知りつつも、ひょんなことから部屋に侵入したカメムシ(カメ子)を真冬の夜空に放すのは忍びなく、ひょっとしたら幾世にもわたり互いに絡み合う因果の渦の中でこれが今生での邂逅なのかもしれないという厨二病的な理由から、飼育してみることにした。

飼育日記をnoteに書く理由

エサとかを検索してみてもあまりよく分からず、試行錯誤の記録として。
また、見てたらかわいいので観察日記として。

第一週目

1日目:2月4日(日) 出逢い

いつものようにオタ活に勤しんでいた夜、白いカーテンに緑の物体を発見。

さいわいにも手の届く高さにいたので、プラスチックの蓋付きケースに無事捕獲。
いつもならベランダでリリースするも、明日は寒波が到来するという日に放すのも忍びなく、一晩だけケースに入れておこうと思ってた。

ところが飼ったらどうなるのか興味が湧いてしまった。マンションの壁に密集しているのはさすがに気持ち悪いが、一匹だけならちいさくてかわいい緑のいきもの。
なんだか愛嬌もあるので、啓蟄(3月4日頃)まで部屋で飼ってみることにした。

プラスチックケースの蓋に通気孔を開け、ケース(直径5cmぐらい)に観葉植物の土を入れ、果汁を飲むとネットに書かれていたので、通気孔からみかん果汁を垂らしてみた。

カメ子は最初ケースの中をうろうろと歩き回っていたが、果汁の水滴がついているところに止まっていた(蓋なのでぶら下がっている)飲んでいたのかは今となってはちょっと不明。野生の生き物なので警戒心が強いのか。

その後もずっとぐるぐる歩き回っている。ネットによると、じっと冬眠してたら飲まず食わずで半年は生きるらしいが、動き回っていると餓死してしまうとのこと。
白い紙を被せるとようやくじっとした。

2日目:2月5日(月) みかんの舟で眠る

翌朝、安否確認。
生きていたのでよかった、というより、部屋に逃げ出してなくてよかったという思いの方が強い。

在宅で仕事の日だったので、仕事しながらカメ子の観察。
昨日に引き続きみかん汁と、みかんの皮を入れてやる。

昨日と違ってなんの反応もしなかったが、いつの間にかみかん皮をオフトンにしてずっとそこにいた。かわいい(この時点でかなり愛着が湧いている)

3日目:2月6日(火) カメ子のお引越し

みかん汁と皮の補充をしてから出社。蓋もみかん汁でベトベトしてたので洗った。
このときだったかな?みかん汁にものすごい反応してた。

そして仕事中もずっとカメ子のエサのことを考えていた。
(3日目にしてかなり愛着が)

ケースが小さいと思い、帰りしなにコンビニに寄ってサラダを購入。
サラダが買いたかったのではなく、蓋付きプラスチックが欲しかったんだ。
顧客が欲しいのはドリルではなく、穴を開けるやつなんだ。。。

帰宅すると、小さいケースの土に白カビが生えそうになっていたので、早速お引越し。
引っ越しのときに割り箸で摘んで移動したんだけど、割り箸登ってくる登ってくる。
やめてwww

冬眠中は枯れ葉の中にいたりするそうなので、今回は観葉植物の葉っぱや枯れ葉を入れてやる。

カメ子の新居


通気孔を開ける時に穴が開きすぎたので、逃走防止にセロハンテープで補強する。
それが翌日、あんなことになるとは、このときはまだ思ってもみなかった……。

引越し後はずっとうろうろしたり、枯れ葉の上にライオンキングよろしく立っていたりしていたが、なんと!緑色の葉っぱに口吻(こうふん。ストローみたいな口、枝に指して樹液を飲むらしい)を刺していた。
いつもはこのストローは腹のところにピタッとくっつく形で収納されている。

薄い緑の線みたいなやつがストロー

4日目:2月7日(水) セロハンテープ事件

朝にみかん汁と皮を補充し、ケースの上に白い紙を被せて(冬眠仕様)出社。
帰宅するとまず安否確認してる。

小さい家のときの写真。


なんと、天井のセロハンテープのところにぶら下がっている!!!!
じっとして動かない!
いや、天井を叩くと触覚と前足は動かすけど、後足は動かさない。

これはひょっとして、脚がセロハンテープにくっついて取れなくなってるのでは????と、一気に青ざめてしまった。
(一応粘着側が当たらないようにしたつもりだったが)

蓋をガンガン叩いてみたりしても一向に動かない。
どうしよう。脚がもげたらどうしよう。。。
かわいいなと思いつつも手でさわれないので、どうやって移動させよう……
変に割り箸で摘んで脚もげたらどうしよう。。。

とりあえず綿棒を(なぜか)水に濡らして、蓋を少し開けた隙間からツンツンすると、普通によっこいしょっと移動した。

全然大丈夫やんけ😇😇😇

その後、天井(蓋)の縁をずっとぐるぐるぐるぐる歩き回っていた。
縁のところに器用につま先を引っ掛けるので、SASUKEかな?
面白いのでずっとみてたら、気のせいか私のいる方をずっとうろうろしていた。
ファンサかな?😇😇😇

その後、セロテープで補強したところにずっといる。
いまもいる。
お気に入りなのか?😇

セロハンテープがお気に入り?のカメ子(左端)

5日目:2月8日(木) 臭くないよ

朝の安否確認。給水塔(縁に水を入れている)に登っているカメ子。お尻濡れてない?
目を離した隙に移動していたので、尻ぽちゃの絵は撮れず。残念。

ところで「カメムシ飼ってるんです」と言うと、何人かに「臭くないの?」と聞かれた。
例の強烈な匂いは逃げるときや異性を誘うときに出るらしいので、普通にしてると臭くないです。
臭い生き物好き好んで飼ってると思われていたのか。。。

帰宅。やっぱりセロハンテープのとこにいたカメ子。こんこんと天井叩くと(ただいまの合図)、昨日とは打って変わり、滑り落ちて葉っぱの下に。そのまま葉っぱにぶら下がる形でじっとしている。
ちゃんと冬眠しなかったらどうなるんだろう?次の夏までの体力とか大丈夫なんだろうか?
いかんせん、ちょっと落ち着いて冬眠できるといいね、と思いながら、天幕(白い紙)を被せた。

左の葉っぱの下にいるカメ子
おみあしがちろっと出ているカメ子

豆類も好きらしいので、ナッツ入れてみた。食べないやろうけど。

6日目:2月9日(金) 緑色

朝の安否確認。夜中に起きたときに見たときと同じところに聳え立つカメ子。まるでクライマーような力強さ(飼い主バカ。

クライマーカメ子

会社にて。「最近あったかいから、もう放してやってもいいのかもしれない」と言うと、会社の人「……放してやれよ」と。いやだ。3月まで飼うんだい。

帰宅。珍しく土の上に(葉っぱの下に)いるカメ子。

葉っぱはよけて撮影。

秋に侵入してきたやつは1日で茶色になってたけど(照明の傘の裏に潜伏していた。飼ってません)、こいつはいつまでも緑色のまんまだなあ。

7日目:2月10日(土) 艶子

カメムシでいろいろ調べると、いろんな種類が出てくる。多分こいつは「ツヤカメムシ」だと思う。ツヤがあるのはこの種類だけらしい。
カメ子、君は艶子だったんだね。

朝の安否確認。まだ葉っぱの下でじっとしている。本来は冬眠中のはずだから、生きていれば大丈夫よな?飼い主は心配性。

みかん汁と皮を交換して、今日は実家に帰る。
写真を撮り忘れたので、会社でラクガキしたカメ子の絵。

最初は動き回ってたけど、最近はずっとじっとしている

第二週目

8日目:2月11日(日) ウンベラータ

実家から昼過ぎに帰宅。安否確認。
葉と土に白カビの気配があったので、カメ子ハウスを掃除(土どかしただけ)。
葉っぱ(ウンベラータ)も交換。

ひとつの命を繋ぐためにまた、ひとつの命をいただく……

ウンベラータの小枝も入れてみた

目を離した隙に葉っぱの元へ来ていたので、きゅうりの小さいのを前に置いてみたが、反応なし。

カメ子(な、なんだこれは……?)

このあと葉っぱの上に登っていた。
やっぱり葉っぱが好きなんかな?

9日目:2月12日(月) 沈黙のカメ子はクヌギの夢を見るか

休みなのでずっと家。
Amazon Primeで『沈黙の艦隊』のドラマ鑑賞。
たまに起きてはトイレや水分補給をし、ついでにカメ子の安否確認もする。
キャベツ入れてみたけど反応なし。

昨夜からの葉っぱ。キャベツ入れる前。


ところで、虫の冬眠は本当に「寝ている」のだろうか?
調べてみた。

昆虫はまぶたがないので目を開けたまま寝るそうで、静かに動かないときが睡眠のようです。

「ものづくり日誌」ブログ『昆虫の睡眠』より

つまり、やっぱりじっとしているときは寝ていて、たまに起きては場所を移動しているらしい。…………飼い主と同じやん。

ところで、フォロワーさんがカメ子の元気な姿を楽しみにしてくれているらしいよ。
よかったね、カメ子。

横からのセクシーショット。つぶらなおめめ。

10日目:2月13日(火) 寝落ち

寝落ちしてしまいましたが、亀古艶子(カメ子はあだ名)は今日も元気です。

『沈黙の艦隊』を観るカメ子

11日目:2月14日(水) ジュニパーベリー 

今日は会社にてアロマの話をしていました。
パクチーなどの草系の匂いの話からカメムシの話になり、会社の人曰く「カメムシの羽をむしってお酒(ジン)の香りづけにするらしい」と(※)。

ジンの香りづけには、「ジュニパーベリー」が使われています。

ジュニパーベリーとはヒノキ科の植物で、学名をユニペルスコンニムスといい、球果から水蒸気蒸留法で精油が抽出されます。
モノテルペンアルコール類のαピネンが多く含まれ、スッとしたなかにももたつきのある針葉樹の香りがします。松脂に似たような苦味とも言われています。

アロマのテキストより

私はこのジュニパーベリーの香りが結構好きなので、家に精油があります。

そう。ジンの香りづけにカメムシも使われるなら(※)、ジュニパーベリーの匂いと似ているのか?であれば、仲間と勘違いして寄ってくるのでは?
そう思い、ウンベラータの茎にジュニパーベリーの精油をぺっぺとかけて、天井の通気孔にぶっさしてみました。

カメ子「え、ワイ羽むしられるん……???💦💦💦」

30分くらい経過しているけど、特にカメ子に変化はなし。明日の朝に期待。

※はたして本当にジンの香りづけに使われているのか、ネットで検索してみてもそれっぽい内容は出てこなかったので、都市伝説かもしれません。
ただ、カメムシのなかでも「オオクモヘリカメムシ」という種類は、青りんごの匂いがするみたいです。わりとトリッキーな見た目だったので、虫大丈夫な方は検索されてはいかがでしょうか。

12日目:2月15日(木) ♂   ※虫注意⚠️

※今日の画像は非常に虫虫しているので、大丈夫な方のみご覧ください。

昨日のジュニパーベリーの結果。
夜中起きたときに覗いてみたら全然違うところにいたのと、なんか臭い気がしたので枝をすぐに捨てました。

いまさらだけど、カメ子ってオスメスどっちなんだろうか、と思って調べてみた。
どうやら♂(オス)でした。
亀古艶子という名前、艶子は実はyàn zi(ヤンズー)って読むんだ。うん。

※今日の画像は非常に虫虫しているので、大丈夫な方のみご覧ください。
















🔽オスメスの見分け方は、こちらの記事を参考にさせていただきました。

カメ子の生殖節(お尻の部分)

お尻の部分が凹んでいて、鉤みたいなのがついているとオスらしい。









(上の写真が虫虫しいので、余白を開けています)

13日目:2月16日(金) カメ子ハウスの模様替え←NEW


中の土に白カビの気配があったので、カメ子ハウスの土などを入れ替えた。

引越し中、よけられているカメ子
変わり映えしないけど模様変え後のカメ子ハウス。

何かに捕まっている方がいいんだろうなと思い、今回は割り箸を入れてみた。

引っかかるところの少ないプラスチックの天井にも、忍者よろしくぶら下がっている。脚の先っぽには鉤みたいな引っ掛かるところは見えるけど、吸盤みたいなものがあるのかな?

このときはまだ、翌日あんなことになるとは知らなかった。

朝のカメ子

14日目:2月17日(土) 突然のお別れ←NEW

姉とLINE通話しているときに目にしたもの。
それは天井のカメムシ。

野良カメムシ(ノラ子)

机にはカメ子がいるので、また新しく侵入してきたようだ。
窓もほとんど閉めているのに、一体どこから!?!?!?😂😂😂
ダメだ、もううちはカメムシハウスなのかもしれない。

天井の隅にいるので手が届かないと思ったが、椅子に登ってなんとか捕獲。

ノラ子(♀)とカメ子(♂)


こないだの調査でカメムシの性別を見分けられるようになった私は、早速性別チェック。

…………メスだった。。。
あかん、カメ子と同じ部屋に入れたら、繁殖してまうやん。
正真正銘のカメムシハウス(しかも自家製)になってまうやん。
それだけは避けたい😂

しばらくノラ子の観察。
そりゃあ、いきなり閉じ込められたのだから、よく動く動く。

カメ子よりお目目が大きめ
お尻のところが窪んでいないので、メスだと思われる。
カメ子より身体は小さいけど、ちょっとふくよか?
こころなしか、緑色も濃い
だって、君は寒波の日も生き延びてきたんだもんね
お尻を後脚でぽりぽりしてるノラ子
壁によじ登ろうとするとき、「ふん!」てするの可愛すぎ。

今日、関西は最高気温が12度。陽当たりのいいリビングにいると、暖かいというよりもちょっと暑いぐらいだ。

ノラ子は寒波の日も生き延び、マンションの高いところまで飛んできた。
三寒四温というが、この先少し寒い日があっても大丈夫だろう。

ノラ子とカメ子は一緒に飼えないので、ノラ子は放す。
カメ子は?カメ子はどうしよう。

だけど元来、野生の生き物を「かわいそう」「かわいい」という理由で、人間の自由にしていいはずがない。
なので、啓蟄(3月4日、植物や動物が動き出す日)を待たず、突然だけどカメ子も今日放すことにした。

ベランダに置いてみた。

それぞれの容器の蓋を開け、ベランダに置いてみた。

ノラ子は中で暴れているので、出る気満々である。
カメ子は……なんかじっと(ぼーっと?)している。

ちょっとだけ出来心で、ノラ子をカメ子のところに合わせたらどうなるかな?と思って、ペットボトルを逆さまにしたそのとき。

ノラ子は大空に向かって力強く羽ばたいて行った。
まるで「二度とくるか!」と言っているような、ブンブンという羽音を残して。

カメ子は起きてはいるようだが、まだじっとしている。
飼ってしまったことで、羽ばたく体力がなくなってしまったんだろうか?
ハウスを撤去し、お気に入りの枯れ葉だけ残してみた。

そしたら、モゾモゾと葉っぱの下に隠れやがった。
この引きこもりカメムシめ!!!!

網戸越しなのではっきり見えないけど。

このままでは別れがたい。
早く。早く去ってくれ。
枯れ葉を取り除いてみた。

ベランダには陽光が降り注いでいる。
いままでの電灯とは違って、暖かいだろ?

このままずっと見てしまいそうなので、とりあえず食器でも洗おうとその場を離れた。

5分も経っていないと思うけど、再びベランダを見に行ったとき、そこには何もなかった。

2週間にわたり共に暮らしたカメ子はいなくなった。

カメムシ飼ってみた〜最後に←NEW

今回カメ子を飼ってみて、今日つよつよノラ子が現れて思った。やっぱり野生生物は逞しく生きている。たまには鈍臭い奴もいるだろうけど。

なのでやっぱり野生生物を飼うことはあまり良くないんだろう。もしカメ子が寒波で死んでしまっても、それがカメ子の生命力なのだから仕方ない。ひょっとしたらカラスに食べられるかもしれないが、カラスだってそれで生きているんだから仕方ない。

だけど、「かわいそう」と思う憐憫の気持ちだけは、これからも変わらずに持っていたいと思った。

生きものを飼うことは否定しないし、肉も野菜も食べる。
蚊も噛まれたら叩く(ちなみに、真夏に草むしりしてもほとんど血を吸われない体質です。もちろん長袖着ているけど。なんでだろう?長年の疑問)。
もし自分が農家ならカメ子だってすぐに始末している。
生きもの大好き♡というわけではなく、黒いやつは絶対に無理。

だけどたまに思う。会社とかで小さい虫が飛んでいたら、始末する人がいるじゃないですか。(そしてなんだか嬉しそう)
別に殺さなくてもよくないか?そのへん飛んでいるだけなんだから。

この観察日記は今日の16時時点でなんと90名弱というたくさんの方が読んでくれている。今回の更新でひょっとしたら100名になるかもしれない(なるかな?)

読んでくださった100名近くの方に、カメムシの可愛らしさを伝えることができていれば嬉しいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


PS)これを書きながら私は泣いている。カメ子ロス……

「あのときお世話になったカメムシです」って言って、
 いつでも5兆円持ってきてくれてもいいからね。

アデュー、カメ子。元気でね

(完)

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