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もはや職人

3月11日
久しぶりにPのお仕事のお手伝いに行くことに。

本社へ届けものをするという軽ジャブをこなしたあと向かったのは、新馬場なる駅。
京急自体普段乗らないし、この駅では初めて降りたが……
ずいぶんと味のある駅である。近くにお寺や神社が多いし、商店街の雰囲気もどことなく懐かしい。
Pから送られてきたお店のURLを頼りに、そんな街のとある雑居ビル2階へ。すると、私より一足早く来ていたPは、赤いエプロンを着けて何やら作業していた。

「今日はね、週末のイベントでお客様にプレゼントするオリジナルトートバッグを作るのを手伝ってほしいの!」

何それステキ!
Pがそのシルクスクリーン印刷のお店の方に作ってもらったスクリーンには、とても可愛いイラストが。これを専用のインクでトートバッグにつけてくわけですね!

「それで、印刷作業する人は1人ずつお金発生しちゃうから、もちづきさんは私の補佐をお願いしたいの!」

私の役目は、『Pのプリント作業を円滑に進める手助けをすること』。手術でいうところの『メスを渡したり汗を拭いたりする人』、餅つきでいうところの『餅をひっくり返す人』である。

Pがスムーズにプリントできるよう、トートバッグに下敷きを入れて渡しては、完成品をハンガーラックに干す。セットしては干す。その繰り返しをし続けた。

「ちなみにこれ何枚分ですか?」
私は興味本位で尋ねた。
「ざっと200枚かな」
仰天の回答が返ってきた。その量はもう業者発注の方が早いだろう。

お互い枚数を重ねるたびに手際や効率が上がり、リズムがあってくる。2人で取り掛かったおかげで何とか時間内に全て刷り終えることができた。

「もちづきさんがいてくれなかったらやばかったわ……本当ありがとう!」
Pにご馳走になったお好み焼きは、達成感も相まって最高に美味しかった。

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