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綿谷真歩
2017年9月18日 02:13
前 目次〈第五章〉のべつの竜✴「ハル、もう勘弁してくれんか。おまえみたいな若いのの話に長いこと付き合うと、どうにも疲れる……」 ゆったりとした長椅子に腰掛けた〈オルカ〉の長老が、肘を膝の上について両手を組み合わせ、そう呟きながら溜め息を吐いた。「それって年なんじゃないの、長老?」「年でもなんでもいいわい、早う帰ってくれ」「だからぁ、あたし——あたしらは、〝牧歌の間〟について教