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オンラインカウンセリングで見えてきた再生の絆

窓を打つ雨音が静かに響く6月の午後。灰色の空から降り注ぐ雨粒が、私の心の内を映し出すかのようだ。

再婚相手との大きな喧嘩が、この月に2度も起こった。女性への嫉妬が原因だ。

(このまま放置したら、バツ2だよなー)

心の声が、雨音に混ざって私に囁きかける。

彼との喧嘩は、日常の景色を一変させる。朝のお弁当づくり、手を繋いで信号まで歩く姿、別れ際の手振り。毎日のルーチンが、外の世界のように灰色に染まっていく。

そして気づく。私の居た世界が、実は愛に溢れていたことに。振り返れば、横断歩道に私の姿はなく、心にぽっかりと穴が空いたような感覚だけが残る。

坂を降りてくるバスが、雨に煙る街角を右折する瞬間。 思い切って、オンラインカウンセリングを受けてみることを決意した。

雨音が静かになり、窓の外で薄日が差し始める。新たな一歩を踏み出す勇気が、しっとりとした空気の中で芽生えていく。

私はパソコンの画面に向かっていた。

オンラインカウンセリングの時間が近づいている。

画面越しに現れたカウンセラーの穏やかな表情に、少し緊張が和らぐ。私は高校時代の出来事から話し始めた。二人の親友と彼氏の裏切り、そしてもう一人の親友からその事実を知らされたこと。

「あの時のショックが、今の状況にも影響しているのかもしれません」と私が言うと、カウンセラーは静かに頷いた。

「そうかもしれませんね。でも、あなたに真実を教えてくれた友人は、信じられる人ですよね?」

その言葉に、私の中で何かが動いた。そして、ごろっと大きな石が転がっていくのを感じる。

「そうですね...」涙が止まらなくなった。

「彼女は、私のために真実を話してくれたんです」

窓の外で、雨上がりの光が少しずつ差し始めている。

カウンセリングを重ねるうちに、過去の傷が少しずつ癒えていくのを感じた。

そして、同時に、現在の関係についても理解が深まっていった。

その夜、再婚相手とお互いの気持ちを率直に話し合った。

嫉妬の根源にある不安や恐れについて、二人で向き合い、解決策を見出していく。

再婚相手は言った。

「僕は、もう君に悲しい思いはさせないよ」

私は、もう一度、再婚相手の言葉を信じてみようと思う。

雨上がりの虹のように、私たちの関係は新たな色彩を帯び始めるだろう。

これからも困難はあるだろう。でも、愛と信頼さえあれば、どんな嵐も乗り越えられる。そう確信できた。

今日から7月だ。


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