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ロンドン🇬🇧デザイン散歩

だんだんと暖かくなり、花が咲き始めたロンドン。
遠出をするにはハッキリしない天気だが、風が強いことを除けば今日はまずまずの散歩日和だった。なんだかアンテークといいデザインが見たい、という心に従い家を出た。

Portobello Road Market

花咲くノッティングヒルの街

スタートはPortobello Road Market。アンティーク雑貨や古着、オシャレな街並みが散歩ににぴったり。ブリックレーンと迷ったのだが、雑多な空気よりも洗練された空気が今日の気分だった。どちらも古着とアンティークはあるが、Portobello Road Marketはブリティシュで上品な雰囲気、ブリックレーンは移民の多い多国籍でサブカルな雰囲気だ。個人的イメージは吉祥寺と下北沢みたいな。

Portobello Road Marketはアンダーグラウンドの高架下スペース(ハマースミス、サークルラインなどは地下鉄のくせに地上を走っていたりする。謎)を中心に道沿いにたくさんのストールが並ぶのだが、今日は日曜日。高架下スペースのみ出店で道路は一般車が止まっているだけだった。(金曜から土曜の営業なので、旅行で行かれる方はご注意を。土曜の午前中はアンティークのお店が多く出店しているらしので、またリベンジしたい。)ストールはいつもより少ないとはいえ、古着にレコード、本、面白そうなお店が軒を連ねていた。季節の変わり目のおかげで、かっこいい古着ジャケットの誘惑には勝利。レコード屋が流すDon't look back in anger をBGMに古本コーナーを物色した。そういえばCovent Gardenにも弾き語りをしている人がいた。ロンドンにはOasisとBeatlesが溢れている。

そうこうしているうちにストールが途切れる。そのままノッティングヒルのカラフルでおしゃれな街並みを見ながら、駅まで散歩。逆光でうまく撮れなかったが、ちょうど花が咲いていて気持ちが良かった。ストールが出ていないほうが、のどかで居心地がいいかもしれない。道沿いのアンティークショップをゆったり物色したり、デザイナーズショップに立ち寄ったり、充実した日曜の昼下がりを味わった。(以前夏場にストールを見物した時は見るもも多く、混雑していてショップ散策どころではなかった)

気になるアンティークショップ
近づくとパディントンが店番をしていた


Design Museum

デザインミュージアムの2階から。ちょっとGINZA6を思い出す

ノッティングヒルの駅から一駅とちょっと徒歩。前々から気になっていたデザインミュージアムへ。あまり大きな場所ではないが、吹き抜けの居心地の良い建物だった。1階と地下はエキシビジョン。今はスケボーのデザイン展をしているらしかったが金欠なので気になる心を抑えスルー。無料のエリアへ。2階に期間ごとに変わる展示、3階がデザインの歴史などテーマに沿った常設展示。イギリスのプロダクトデザインを集めた壁が印象的。

自転車の右斜め上にある青い縞々マグ(Cornishware)は私も愛用している

展示自体も面白かったのだが、個人的にはミュージアムショップが楽しかった。こじんまりとしているが建築と写真についてのコーナーが充実していてついつい長居。中でも目を引いたのがカウンシルフラットについての本だった。

https://www.hoxtonminipress.com/collections/books/products/the-council-house

(この出版社、他にもおもしろそうなアート系の本を出しているようでとても気になる。グラフィック社が好きな人に刺さりそう)

元々は低所得者向けに政府が貸し出していた公営住宅。しかしサッチャーの時代に購入が可能になり、現在は建築物としての価値に目がつけられ高額で売買されたりしているらしい。元々は労働者の建物だったのに、高所得者にアートとして扱われているのはなんともいえない。色々思うところはあったが、私も純粋に建物に惹かれてしまった。日本の団地やロシアのフルシチョフカと同じようにマニアにはたまらないだろう。知らなかったロンドン各地のカウンシルフラットの情報が知れてホクホク。本は連れて帰りたかったのだがやはり金欠で断念。来月、きっと。

Alexandra Road Estate

コンクリに圧倒される。ちょっと曇り空なのも似合っている

色々なタイプの建物があるが、やはりイギリスのカウンシルフラットといえばブルータリズム建築。無骨なコンクリと有機的デザインに魅せられる(日本では、取り壊しになってしまった中銀カプセルタワーが好きだった)。中でも有名どころはTrellick TowerとAlexandra Road Estateではないだろうか。前者はイアンフレミングが大嫌いな建築だったために、建築家のゴールドフィンガーの名前を007の敵の名前にしたとか。
気になるところだが、今回はデザインミュージアムからの移動を考えてAlexandra Road Estateに立ち寄った。こちらは映画『キングスマン』のロケ地になっているため見覚えのある方も多いのではないだろうか。エグジーの家として登場している。また、イギリスの重要建築GradeII認定を受けている。

住民がいないタイミングを狙ってそっと写真を撮らせてもらった

一応中央の道は通り抜けできるらしいのだが、日曜だからか住人同士で談笑している様子などが見上られたためそっと外から眺めるにとどめた。それでも、コンクリと植物が共生する中に赤茶の道がスッと通る異空間を垣間見た。そこに生活があることも踏まえてカウンシルフラットは味わい深い。

ロケ地の話に戻そう。『キングスマン』も大好きなのだが、私が初めてこの建物に出会ったのは『壊れゆく世界の中で』という映画。ロンドンの再開発地区が舞台の人間ドラマだ。主人公の不倫(?)相手の女性と息子の家がALEXANDRA ROAD ESTATE。息子はパルクールが得意で、この建物を駆け抜けるシーンがあった。映画自体は悪くはなかったが正直そこまで覚えていない。コンクリと植物の景色が妙に心に焼き付いていた。

(映画自体も普通に楽しめたように思う。観てからそれなりに時間が経っているのでなんともいえないが。ジュード・ローとマーティン・フリーマンが共演しているので、Wワトソン!とはしゃいでいたのを覚えている。)

カウンシルフラットの近くに咲いていた花。コンクリと緑の組み合わせが良い


なんだかんんだで充実した散歩になった。家に着く頃には18時30分すぎになっていた。最近は18時を過ぎてもまだまだ明るいので時間感覚がわからない。嬉しいような、夕暮れが恋しいような。これから音楽フェスや野外シネマなどイベントが増える時期だ。長い日中を楽しもう。
またカウンシルフラット巡りにも出かけたいと思う。
それではしばらく。


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