【論文読んでみた】「実践共同体のブローカーによる,企業外の実践の企業内への還流プロセス」:石山(2013)ほか2本
急に涼しくなりましたね。
産休初期は部屋の掃除頑張ろうって思っていましたが、まっいっかというノリになりつつあるはるみんです。
今週は石山先生の論文を3本読んだので、わからないなりに備忘を残してみます。
「実践共同体のブローカー」とは?
実践共同体とは、「あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団」(Wenger, McDermott & Snyder, 2002, p.33)だそう。
Wenger (1998)によれば、ブローカーとは、多重成員性を有しながら、ある共同体の実践を他の共同体に仲介し伝播させる存在である。
例えば、会社(越境元)に属しつつ、副業先(越境先)にも属して、副業先で学習したことを本業でも活かしている人、などが当てはまるようです。
ブローカーは、越境元に越境先の実践をどうやって伝播・還元させるのか?
石山(2013)によると、ブローカーは企業外で、協働構成的な仕事(コラボレーション)で必要となるような、短時間で人間関係を構築し情報収集するスキル(Knot Working)を習得する。
越境元にこれを持ち込もうとすると反発を招き、持って行き方などを工夫するようになる(社内用語に言い換える、キーパーソンを巻き込むなど)。これにより、越境元の知識をアップデートする(石山(2016))。
同時に、ブローカーは、越境元・越境先それぞれがベースに持つ価値観を受容したり、これら複数の価値観を統合していく。
石山(2020)によると、一つの共同体にのみ属している場合には、「わかったつもり」(日常生活文脈でよく使う言葉の意味を説明できない状態)になりがちである(「化石化」と呼ばれている)。
異質な他者との対話により、「意味の交渉」(文脈について理解を深めること)が行われ、化石化を乗り越えることができる。
越境元に越境先で得たスキルを還元するときに、持ち込み方を工夫することで、「意味の交渉」につながる。
言われてみればそうだなあと思いつつ、言葉にすると、難しい・・・
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?