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【論文読んでみた】育児期にある夫婦ペアレンティング―互いの育児の批判をめぐって―:清水(2020)

こんばんは。もう金曜日ですか。
産休を前にして、引継ぎの準備と引継ぎのミーティング、産休前に片付けたい案件の処理(もといリマインダー)に奔走する日々です。
まあ、それもあと一ヶ月だしな…。

今回の論文、Mac Bookからはマーカーなどの書き込みができたのですが、同期しているはずのiPadでは書き込めず(Mac Bookで書き込んだ部分は反映されていた)。他の論文でも類似事例が発生しており、アプリを落とし直したり、PDFを再ダウンロードなどしてみるも改善せず・・・これどうしたらいいの。


ひとことでいうとこんな感じ

育児中の夫婦は結構話し合いをしているが、批判もする。批判されたときにマイナスに捉えることもプラスに捉えることもあることは同じだが、捉え方には男女差がある。

目的・仮説

お互いの育児への言動を批判する働きについて、相手から批判されたときの心理や批判の根底にある考えを明らかにすること。

研究の進め方

3〜4歳を育てている325人(妻185人、夫140人)が質問紙に回答。
特に、妻と夫の育児行動に対して批判されたことに関する受け止めや、背景にあるもの、育児に関する話し合いについて、その内容や話し合いの内容に関する実態、話し合いがなされないとすればその理由など自由記述を求めた。

研究の結果

育児に関する話し合いの状況

8割近くの夫婦は子育ての話し合いをしており,時期は結婚時、妊娠時、出産時、と徐々に多くなる。話し合いへの納得は、妻が66%、夫が73%納得している。
話し合いをしなかった者の理由には、時間がなかった、その必要がなかった、相手が面倒がる、きれるから(!)、生まれてからでないとわからないから、など。

妻と夫の育児への違いの批判の受け止め

マイナスの受け止めで共通している点は、落ち込む、さらに攻撃的・感情的になり、内心怒りを感じること。
落ち込む点は共通で、悲しい、やる気がなくなる、申し訳ないなどの気持ちであるが、妻はさらに全否定・人格否定された、ショックや消えてなくなりたいなどの気持ちを抱く。

プラスの受け止めで共通している点は、批判されたことに対して自らの言動を見直していたこと。夫の特徴では、気にしないという受け止めがあり、状況によってはマイナスにもつながり得る。

妻と夫の育児への批判の背景にある考え

相手からの批判の背景として感じるものの共通点は、互いの性格傾向、生育歴の違い。妻は、父親としての威厳や理想とするものからきていると受け止めることも。一方、夫は育児に対する考えの違いや妻の子育てへの考えがあると受け止めることも。

妻は夫との夫婦としてのコミュニケーションのずれや夫の様々な不満を感じており、それらは夫婦関係への歪みとして認識するが、夫は家事育児に対する自分への不満や、夫である自分への不満があると受け止める。

考察

良好な夫婦のペアレンティングの介入に向けて、妻と夫の受け止めや背景にあるものの違いを念頭において、夫婦の認識や受け止めのずれが大きくなる前に、お互いの思いを伝達すること、親役割観の見直し、育児観の尊重、不満な思いを伝え話し合うことが必要。

知らないことば

特になし

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