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嫌いじゃないわ。《ラジオ》

 まずは能登を中心とする皆様に降りかかった、とんでもない天災について、心よりお見舞い申し上げます。
 どうかできる限り多くの方の命がご無事でありますよう、お祈り申し上げます。

 さて。
 最近、女性雑誌にまで特集が組まれることもあって、同志もわりと居ることも知ったのだけど、ラジオ好きだ。
しかもオシャレな音楽を主に流すFMじゃなく、AMラジオが好き。
 そんなマイナーなメディアを、という人はもちろん居るし、私もつまんないラジオ番組、あるなぁ、とも思うこともよくあるのでこのテーマに入れることにした。

 ここにたどり着いた最大の理由はとにかく、私に中々テレビを好きなだけ観る環境がなかったこと。
 親と過ごしていた時には教育上、まずテレビは観せてもらえなかった。
まぁ、これは時々ある状況である。が、社会人になって自分でお金を稼ぐようになっても、その規制は続いた。周りではそんな環境でも自分の部屋にアンテナを引いて好きなテレビを観る者も居たが、私が自費でそれをしようとしても止められた。
 もちろん今となっては、両親にとって子どもが自分の部屋に閉じこもってテレビなんぞを観るのは精神的に不健全、と思ったからだろうとは容易に推測できる。ので、それを責められはしないが、やっぱちょっと寂しかった。(ネットの見逃し配信とかも無かったから、ドラマの話題とかにはついて行けなかったしね。)

 独立して一人暮らしを始めて、やっと自分のテレビとビデオデッキを手に入れたけど、とにかく希望の仕事に就きたかったから結局、ゆっくりテレビを見る時間はあんまりなかった。(それでも以前よりはテレビを楽しんだけど。)

 で、ここで登場したメディアがラジオ。最初は100円均一で買った、携帯ラジオから流れる文化放送の吉田照美さんの番組に耳を奪われた。
「人の話ってこんなに面白いもんなんだ!」と目から鱗(耳で聞いていたけど)の体験に、貪るようにラジオを聴き始めた。何より良かったのは、作業しながら楽しめるメディアだったことだ。
 テレビでは画面の前に座って正対しないと音声の情報は聞けても、映像の情報が入って来ない。そしてその二つが揃って初めて一つの情報になる。でもラジオなら聴いているだけで内容がわかるよう、緻密に言葉が組み立てられているのだ。このことに驚かされた。
 また私は当時、かなりの口下手だったので、人との雑談も大の苦手だった。今でもその傾向はあるけれど、それでも初対面の人とでも会話を切り出せるようにまでなったのはこの、ラジオのトーク術に依るところは大きい。(だからこそFMよりAMを愛している。)
 それ以外にもラジオのメディアとしての立ち位置が、テレビよりも後ろにあることを逆手に取ったかのような、問題の深みまで踏み込んだ取材力。(つまりテレビほど取材内容に苦情が来ない、ということでもあるから。)
そしてテレビがその真似をするという企画力ー。
私はすっかりラジオに魅了されてしまった。

 好きなパーソナリティさんも増えた。伊集院光さんや安住紳一郎さん、といったメジャーどころだけでなく、玉川美沙さん、小島慶子さんやライムスター宇多丸さん、ジェーン・スーさん、赤江珠緒さん…。数がどんどん増えていった。

 ただ、この「嫌いじゃないわ。」のテーマに入れたのは、当たりのパーソナリティさん以外のラジオ番組が人に薦められるほど面白いか、と問われれば正直、
“NO”と言わざるを得ないものも多いからだ。

 それでもやっぱりラジオは楽しい。嫌いじゃないのである。


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