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サビが最初にくる時代、求人広告はどうあるべきか

昨日の朝、犬の散歩から帰ってきたら『ボクらの時代』がやっていて。

トラックメイカーのSTUTS、スチャダラパーのBose、ラッパーのPUNPEEという、日曜朝のこの時間にはレアな顔ぶれでした。

ぼくはSTUTSもPUNPEEも好きだし、Boseさんもぼくと同じ初代フィアット・パンダ乗り(現在は違う)ということもあり親しみを感じていたので、ササッとテレビの前に正座します。

リラックスした雰囲気の中、ざっくりしたテーマでダラっとトークが展開されていくのですが、現代は情報を受け取る側の選択肢が多すぎる、という話題になったとき。

Bose:そうだね。それはみんなの問題でもあると思いますけど。自分らは、作って提供する側だったりするし。こんなに、面白そうなものがいっぱいあり過ぎてさ…。

STUTS:そりゃあ、気も散っちゃいますよね。

Bose:ね。その中で、どれだけその時間をいただけるかっていうと、本当に難しいと思う。

PUNPEE:最初にサビが急に来る曲とかになる理由も、わかりますよね。

Bose:なる。わかる。15秒で何とかしないとって(笑)。

PUNPEE:何とかしないと。

4月16日(日)放送『ボクらの時代』より

四六時中求人広告のことばかり考えているぼくは「む!」とおもった。

広い意味で同じコンテンツとして求人広告をくくった時(いささか広げすぎなきらいはありますが)同じことがいえるのではないだろうか。

求人広告制作者がやっていることもBoseさんやPUNPEEさんと同じ。たくさんの求人情報がある中、求職者から時間をいただくわけです。面白そうな求人案件がたくさんある中、どれだけその時間をいただけるか。

サビが頭に来る時代なんです。15秒でなんとかしないといけない。

どうしたらいいのか、ちょっと考えてみました。

つかみが肝心

サビが頭に来る時代というのは、要するにタイパというヤツですね。タイパ重視の世の中になっているということだと解釈できます。

これを求人広告にあてはめると、最初のつかみが肝心、ということになります。具体的に言うと求人サイトで希望条件を入力した後に出てくる検索結果画面の時点ですでにつかむ必要がある。

と、なるとたいていの場合、職種名や社名、あるいは求人案件の魅力を短いフレーズで表現する箇所での勝負となります。

ん、ちょっとまてよ。

そんなのとっくの昔からやってるじゃんね。特にリクナビネクストやマイナビ転職、DODAなどは2000年代の初頭から職種名や会社名の修飾については規定がゆるやかだったと思います。

ということは手をいれるべきはそこではなさそう。そこでの勝負はもうすでにLegacyWARですからね。こすられまくってて求職者はそこには何の摩擦も感じない。

ではどこでつかむべきなのか。あるいは求人広告ならではのつかみの定義があるのか。

やっぱり広告である以上

広告としての顔つきの良し悪しが決め手になるのではないか、とおもいます。いわゆるキャッチフレーズ(タイトル)とボディコピー(リード文)そしてビジュアル(画像)の組み合わせですね。

基本的に募集条件、つまりデータ上での勝負になりがちな求人情報に広告という要素を付け加えることで、劣後に置かれがちな無名の中小企業でも勝てる余白をつくるというのが、ぼくが考える求人広告の本質的な価値。

広告という要素は不確定で、流動的で、属人的です。手間も暇も時間もかかる上にセンスというビジネスサイドが最も嫌う変数が存在します。

それが故に求人媒体社はこぞってフリースペースやPRスペースを「なくす」または「パターン化」して省力化を図っています。

しかしどれだけ枠を決めていくつかの中から選ぶだけ、とお膳立てしたところでそこには優劣が発生するもの。箱の中にいれる中身が良くなければ、マニュアル化やパターン化すればするほどみすぼらしいものになります。

つまり「そこ」にこそ、つかみをつくる意味や意義があるのだとおもいます。

なんだ結局

いつもこの連載で書いている通り、魅力的なキャッチや惹き込まれるようなストーリー、あるいはちょっと笑ってしまうエピソードといった温度感のあるテキストコンテンツが大事ということにほかならないじゃないか。

求人案件をより魅力的に見せるコンテンツを用意することで、その情報を選んで読んでくれた求職者の時間に報いる。そのサービスこそが求人広告クリエイティブなんじゃなかろうか。

このことについて、考えを巡らせてみます。

最近は何か物事を考える時に必ず問いをChatGPTにぶちこむようにしています。今回もそうしたんですが、いろいろな角度からのやりとりしてみてもなかなか「なるほど!」にたどりつきません。

どうしても直截な事実に寄せられがちなんですよね。なんどやりとりしてもなかなか持論を曲げないガンコなChatGPTなのです。ちょっとガンコなところを引用します。

確かに、事実を伝えるだけでは、印象に残らない場合があります。求人広告を魅力的にするためには、事実だけでなく、それをどのように伝えるかも重要です。例えば、実績を伝える場合でも、具体的な数字や事例を使うことで、インパクトを高めることができます。また、面白みや想像力をかきたてるような表現や、読者の興味を引くようなストーリーを盛り込むことも有効です。ただし、求人広告の主な目的は、求職者に会社や仕事の魅力を伝えることですので、誇張や虚偽の表現には注意が必要です。

俺のChatGPTより

ここですね。会社や仕事の魅力を伝えること=誇張や虚偽の表現になってはいけない。もちろんそんなことは当たり前にわかっていることなのですが、ではどこからが拡大解釈で、どこからが虚偽誇張なのか。明確な線引きはあるのかというと、いままでぼくが知る限りではありません。

よし、だったらぼくが線を引いてしまおう。

と、いうことで求人広告クリエイティブにおける虚偽誇張と拡大解釈の違いについて、次回、整理整頓します。

え?今回じゃないのか?

はい、おそらくですが戦国絵巻みたいな長さになってしまいそうなので(だってここまでがイントロになるわけで、イントロだけで2,500文字ってあまりにもサビが最初に来る時代にフィットしていないでしょ)。


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