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「フリーランスは成長できない」は本当か

毎週月曜日、求人広告におけるクリエイティブを主なテーマに書き倒しているこちらのnote。

よく聞かれるのが「いつ書いているんですか?」「お休みの日に書き溜めているんですよね」。あるいは「えっ?毎晩飲んでるの?なのに書けるの?」と驚かれたり「もしやヒマなんですか?」と心配されることも。

正直なことをいいますと、

毎回公開当日に書いてます。

そんな時間あるの?

あるんです。


ぼくは昔、喫煙者でした。それも一日1箱半以上というかなりのヘビースモカー。その頃は仕事中もしょっちゅう喫煙ルームへ足を運んでいました。

原稿を書いては一服。
資料を作っては一服。
コピーチェックで一服。
フィードバックで一服
上司と談笑しつつ一服。
入稿直後の一服。
仕事終わりに一服。

当時は「重要な仕事の話は喫煙ルームで決まる(ドヤア)」なんて真剣に言ってました。ま、マッチョな会社だったのであながち言い過ぎでもないんですけどね。

いまのぼくはきれいさっぱり禁煙できています。ライターや灰皿を捨ててからもう15年になるだろうか。そうすると一日のスケジュールの中に上記のようなブレイクがまるっきりなくなるんです。

もちろん業務の隙間にふと手を止めてTwitterしたりぼんやりネトサもしますよ。だけどそのトータル時間は喫煙のそれとは比べ物にならないぐらいライト&ミニマムです。

この以前なら喫煙で消費していた時間を使ってnoteを書いているんです。

ぼくの職場はいまどき珍しく喫煙者が多く、彼らを見ているとまあ、小刻みにタバコを吸いにいくんですね。いやわかりますよぼくだって以前はそうだったんだから。

で、一度出ていくとなかなか戻ってきません。そりゃこんなことしてたらキミたち夜遅くまで残業になるわなレベル。当然、note一本ぐらいなら楽勝で書き上げることができるわけです。


noteを書く上で最も難しいのはテーマ決めです。

これは本当にむずかしい。ここさえ決まればあとは書くだけなので、1時間もあれば大丈夫。

「そうか、テーマだけ休みの日などにひとり編集会議みたいなのをやって事前にいくつも作っているのか」

と、思うかもしれませんがそれもやってません。

よく「オウンドメディアの教科書」みたいな本に書いてありますよね?事前に季節性などを考慮して記事テーマを決めておくとよい、って。

ぼくも以前、試みたことがあるんですが、それやるとビックリするほど面白くなくなるんですよ、書いてて。

noteなんかお金もらったり頼まれてやってるんじゃないんだから、効率とか能率とか生産性とか、そんなこと考えなくてもいいと思うんですよね。

それより「うっ!今日、月曜だ!やばいnoteなに書くべか…」と慌てたり絶望したりヒリヒリハラハラした方が絶対にスリリングでエキサイティングでバイオレンスで面白い。

そういう意味では普段のテキスト仕事が計画的に緻密に作るレコーディングだとすると、noteはライブなのかもしれません。

と、いう壮大な前振りを経て

そう、いま「慌てたり絶望したりヒリヒリハラハラしたり」と書きました。

で、今回のテーマでもあるんですが、

よく「フリーランスは成長できない」みたいなこと言われるじゃないですか。ぼくの尊敬する後輩、インタビューライターのなおちゃんも以前こんなつぶやきをしてました。

この時ぼくも「そうだよそうだよ!」的な同意の引用RTだかリプを飛ばしたのですが、そういいながらもなんとなくモヤモヤこのテーマについて考えてはいたんです。

果たして本当に自分自身で成長機会を管理することはできるだろうか。

で、その結論がついに出た。

それがさっきの「慌てたり絶望したりヒリハラ」なんです。

どういうことかというと。

ほら、はじめてする仕事って緊張しますよね。はじめての定義はいろいろで、やったことがないものだったり、やったことがあってもワンランク上のステージだったり。そのクライアントとは初顔合わせ、というのもはじめての範疇に入るとおもうんだけど。

そういう、いろんなはじめてに対してきちんと緊張すること。がんばったけど準備不足に慌てたり、自分の期待値に届かない出来の悪さに絶望したり。初稿をクライアントに提出するときもヒリヒリ、ハラハラしたり。

こういう、良い意味でのアンコンフォータブルゾーンに意図して身を置くことができれば、フリーランスだってずっと成長し続けることができるとおもうのです。

逆にいえば正社員だからといって指示された仕事だけをし続けたり、できることや得意なことばかり選んでストレスフリーな快適空間に居続けていたら成長しないはず。

成長が鈍化した、と感じられればまだいいんだけど、だいたいの場合において気がついたときは遅すぎで、もう後戻りできない心とカラダになっているんですよね。


ぼくはどんな仕事も請けちゃうのですが

これできません、と言ったその時点で成長を自ら止めていることになります。そりゃ無茶なことをやらないんだから、安牌ですよね。

しかも「無責任にできないことを請けるのはかえってお客様に失礼だ」「ビジネス上ではありえないふるまいだ」なんて、見方によっては実に正論なエクスキューズもできます。

だけど、これは経験則でもあるんですが、おもしろいことに仕事って一度断るとどんどん声がかからなくなっていくんですよね。するとますますその人は成長機会を失うことに。だけど本人は気づかないので、このバッドスパイラルはゆるやかに、かつ永遠に続いていくんです。

こわっ。

なにも成長しないのはダメであるなんてマッチョな思想の持ち主ではありません。成長なんかしなくたって生きてはいける。だけどせっかく仕事するんなら正社員だろうがフリーだろうが楽しくやったほうがいい。

そして仕事の楽しさってなんだっけ?というと、いろんな意見はあるでしょうが、やっぱりストレッチが必要な案件で成果が出せた時の快感には抗いがたいものがあるとおもうです。終わったあとのビールが美味いし。

と、いうことで今回はまったく求人広告制作には関係ない話になってしまいましたが、でも求人広告制作者の中に一定数いる、それもベテランに多くいる「こんな感じでつくっておけばいいんだよ」仕事を流す病には冒されないように気をつけてねヤング求人クリエイターのみんなたち!というメッセージは込められていたりするんです。

いつも自分で背伸びをする癖をつけること。

これ、何力っていうんだろう。これからの時代に大事なスキルというか素養だとおもいます。

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