リモートワーク時代の求人広告画像を考える

これはあまり知られていないのですが、わたし、求人広告制作のキャリアが結構長いです。ベタでやってたのは通算で15年ぐらい？いまも断れない筋から頼まれたらつくります。断れない筋はわりと頻繁に頼んでくるので、試合勘はまだ鈍ってないと自負しております。

そういえばこんな連載もしています。

求人広告制作note｜ハヤカワヒロミチ｜note

徹頭徹尾求人広告制作関係者に向けて書いています。毎週月曜日更新です。あなたのおそばに求人広告制作関係者がいたら「読んでないとモグリらしい。全求協から叱られるよ（嘘）」とオススメしておいてください。

で、そんなわたしがいま考えていること。それはフルリモートの会社が求人広告を出すとき画像どうすんの問題。だってオフィスないんだよ。PCの前に3人ぐらい並べて画像を指差す演出が成立しないんだよ。背の高い男・背の低い女・背の高い男のトリオでニコパチも嘘なんだよ。

さあどうする、求人広告に関わるみんなたち。いつまでも過去画像でお茶を濁し続けるわけにもいくまい。「会社の雰囲気」という概念そのものが消滅しつつあるウィズコロナの世界ではいったいどんな画像を撮影することがリアルなのか！ドン！興奮して机を叩いてしまいました。

そこでわたしからの提案です。いくつかの画像パターンを考えました。本来ならば机の奥にそっとしまって秘匿すべきアイデアなのですが、幸いわたしはいま求人専業ではござらぬ。そこでおもいきってご開陳！一切の権利を放棄するので今日からいまから使っていいです。

リモート会議風景

これは比較的オーソドックスな絵づくりですね。すでに求人サイトでいくつか目にすることができます。いわゆる複数人と会議しているPCの画面、という絵ですね。ニューノーマルのスタンダードとなりそうです。

しかしそのままでは他社との差別化は望めません。ここはひとつ個性を主張してみたい。そこで1人ぐらいチョンマゲのメンバーを入れたり、猫だけで構成したり、おそ松さんのコスプレで参加させる、なんてのはいかがでしょう。どんなキャラを混ぜるかは社風次第で。

リモート飲み会風景

すっかりコロナ禍におけるコミュニケーションの主役となったリモート飲み。10人以上参加するリモート飲み会では一人分の画面が小さくなってしまいます。それをそのまま撮影しても単なるカオスな絵になりますよね。

なのでここはひとつ「乾杯！」「はっちゃけ」「ウェイウェイ」「イッキ！イッキ！（イッキ飲みは危険行為ですダメゼッタイ）」「会社の愚痴」「上司の愚痴」「よし、俺、明日部長に掛けあう！（翌日に掛けあった人は歴史上一人もいません）」「酩酊」「嘔吐」「意識混濁」「救急車呼んで！」といった飲み会ならではの出来事を全員で表現してみましょう。

それはそれで賑やかかつチームワークの良さおよび多様性を認める社風を訴求できるのではないでしょうか。

リモート激詰め風景

これ、ド営業会社がいちばん困っちゃう。定番ともいえるガッツポーズができない。いくらなんでもPCの画面越しでは黒光りした輩のガッツポーズも迫力半減しちゃいます。異様に白い歯もアピールできないし。

そこでミスマッチを避けるためにも、画面越しに鬼上司から激詰めされている様子をビジュアライズ化してみるのはどうでしょう。ポイントは画面ノムコウを激詰め「される」側にするか「する」側にするかですね。前者なら共感、後者なら恐怖…ってどっちにしろブラッキーな空気感がビンビンに伝わります。

いずれにしてもミスマッチを防ぐためには必須といえるビジュアルコミュニケーションですので、どうやっても絵にならない時は画像全体を黒く塗りつぶしましょう。言葉はなくともブラックなことが伝わります。

リモートわきあいあい

わきあいあい、という単語は求人広告制作者にとってペンダコができるぐらい頻繁に使うパワーワード。特に社員のニコパチ画像につけるキャプションの97％にこの単語が使われています。

ではこのわきあいあい、リモートでどう表現するか。これはもう『いらすとや』に頼るしかないですね。いらすとやの人物のカテゴリーからとにかく笑顔の男性・女性をピックアップしてPC画面にベタベタ貼り付けましょう。わきあいあいです。

なに？著作権の問題は大丈夫なのか？さすが、あなたは勉強家ですね。さては全求協が出しているテキストなどで日々学習しているのでは？

求人広告における著作権侵害といえば、エン・ジャパン事件が有名。被害者であるエン・ジャパンが事件名に冠されていますが、あれイーキャリア事件ですからね正確には。知らない方はググってみてください。

ちなみにいらすとやさんはオール版権フリーですので無問題です。

リモートOJT風景

OJTとはオン・ザ・ジョブ・トレーニングの略。日本語に訳すとオレの背中を見て学べです。こいつぁ難しいぞ…とおもいましたが、そこはほら求人広告制作歴15年の俺。パッとひらめきました。

シチュエーションとしてはリモート商談同行。先輩、あるいは上司と新人というふたりを画面ノムコウで土下座させればいいんです。クレーム処理のOJTということが誰の目にも明らかでしょ？

さらにカメラをひいて怒っているクライアントの後ろすがた（プンスカ！みたいな）もフレームに入れられればリアリティ満点。なるほど、こうやって何の罪もなくても頭を下げるんだな、と社会の厳しさも伝えられます。

リモート社内恋愛

さすがにこれは…いや、諦めたら試合終了だ。考えろ、考えろ…ポクポクポクポクチーン！ひらめいた！PC画面越しにお互いチューしあってる画像。これでどうだ！

ダメ？うーん、じゃあポクポクポクポクチーン！ひらめいた！リモート会議中に彼女だけをドアップにしている画像。どう？イマイチ？

うーん、じゃあポクポクポクポクチ…よく考えたらぼく社内恋愛したことないからどんなシチュエーションがあるのかわかりません！

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いかがでしたか？いますぐにでも使える画像パターンの数々。さっそく来週からみなさんの会社の求人広告でも…え？実はそんなにリモート進んでないから必要ない？マジか。

『テレワーク7割』の掛け声もむなしく日本はまだまだ働き方後進国のようです。ちぇっ、考えて損しました。もう寝ます。