社員インタビューを巡る考察その2
前回、社員インタビューを巡るいくつかの考察として、なぜいま社員インタビューが熱いのか、作るときに注意しなければいけないことはなにか、というお話をしました。
タイトルでいくつかの、といいながら、いつものように無駄話を重ねてしまい、実際に役に立ちそうな内容が一個(それすら役に立つかどうかあやしい…)だけというていたらく。
なので続きを書こうとおもっていました。
ただし、マニアックなネタなので、あまり読んでもらえないかもな、と思っていました。
月曜に掲載して金曜の夜の時点で300PV以上、10スキ以上なければやめるつもりでした。
そうしたら2月7日18時の時点で436PV、18スキ。
よくぞこんなスキマ記事を読んでくださった挙げ句、スキまで押してくださる方がいらっしゃるとは。ありがとうございます。感謝の気持ちでパート2を書く次第でござるよ。
コメントをいただきました
前回はなんとなく発注側の方向けの内容になりました。パート2もそのままの展開でいいかな、でもそれも芸がないかな、気づいたら発注側への愚痴とかになってたらまずいしな、とか思っていたところ。
noteで親しくやりとりをさせていただいているコピーライターの川中紀行さんからコメントをいただきました。
そっかそっか、確かにそうだ。一般的なインタビューの心得やコツについては古賀史健さんの『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』にバッチリ収められていて、いまさらぼくが何か物申すことなど一切ありません。
でも、こと社員インタビューに絞ると、もしかすると特有のアレやコレやが出てくるかもしれない。そしてそれは毎週月曜日にぼくが書いているこのnoteのもともとの対象者である、求人広告制作者にとっては有益な話になるかもしれない。そんなふうにおもったのであります。
ということで今回は社員インタビュー作成における心得&ノウハウというテーマでお送りします。さらにニッチになっていきますので楽しみです。
川中さん、ありがとうございます!
【ここで宣伝】川中さんはあらゆる媒体にアンテナを張っていて、気になるフレーズ、いい言葉をたくみにピックアップして紹介してくださっています。たとえばついせんだってもこんな投稿を。言葉の力を信じているスターダスト・キッズはフォロー必須だぜ。
はじめに「組織図」をもらう
よほど単発の仕事でないのなら、迷わずもらうようにしているのが組織図です。窓口が人事や広報なら必ず持っているはず。臆せず「組織図って見せていただけませんか?」とプッシュしよう。
なぜか。
インタビューがはじまるといろいろな社員が出てくることになります。彼らは自分の会社のことなので上司やさらにその上の役員などの名前もスラスラ出てきますし、人間関係のキビみたいなものも把握しています。
また会社によってビジネスサイドが強い、あるいは開発側が力を持っているなどのパワーバランスがあります。それは誰が管掌役員を務めているのかによってもぼんやり見えてきます。
そうした人と人の間のつながり、組織と組織の関係性といったものが見えている状態で聞く話と、まったく見えない中で聞く話では、正直解像度が全然違います。それはそのままアウトプットの精度にもつながる。
このあたり、デキる人事の方は先に用意してくれたりします。そうするとたいがいその会社との仕事はめちゃくちゃスムーズに行くものです。
なぜか「いつもいる人」を目指す
社員インタビューのお仕事をすると、何人かの社員の方と顔見知りになります。もちろん人事や広報部門とはなんどもやりとりをすることから、どんどん関係性が深まっていきます。
コロナ前ならいい頃合いを見計らって呑みに行って交流を深める、という必殺技が効いていたのですが、ご時勢柄そうもいかない。
で、あれば社員インタビューをきっかけに他に広報用のテキストの仕事あればください!と営業すべき。最近は記事をWantedlyに掲載する会社も増えているので、インタビューだけでなくキックオフや社内のトピックスなども取り上げましょうよ、と提案するんです。
そうやって、クライアントの中へ、中へと入り込んでいく。社員総会や締め会に呼ばれる存在になる。目指すべきはここですね。
そうするとなにがいいか。
企業のインサイドに入っていくことで、より会社理解が深まるだけでなく、インサイトを深めることでその組織の課題や傾向のようなものがうっすら見えてくることがあります。
それを人事サイドに仮説レベルでぶつけてみると、案外ストライクだったりします。もちろん外すこともあるけど、人事側からすると外側から見た感想と印象がもらえるのはプラスでしかないわけで、喜んでもらえます。
もちろん社内に顔と名前を売り込めれば、インタビュー自体の話が早くなるというメリットもありますね。社員の方が語る内容がより自分ごととしてつかめるようにもなります。仕事がしやすくなるポイントです。
目的やテーマを明確にする
社員インタビューは単なる企業広報以上に採用目的で作られ、使われることが多いです。
採用とひとことで言いましても実はグラデーションがかかっているといいますか、粒度を細かくするとその時々の、あるいは職種や組織ごとの課題があります。
なので毎回「どのようなテーマで」「誰に」「何を語ってもらうか」「そうすることで期待することはなにか」などをしっかり企画することが肝要なんですね。
そうしないとなんかふにゃふにゃなインタビュー群になってしまうことも。しまうことも、なんて偉そうなこと書いてるぼくも過去そういう失敗をたくさんしたものです。
そんなときクライアントサイドに書いてもらうとたちまち有効なのが事前の企画シート。note社で広報を担当しているもりもとあいさん作成の企画シートがずば抜けてよく出来ているのでぜひ下の記事を読んでください。
なんとあいちゃん(知り合いなので馴れ馴れしくしてみます。すみません!)はこの自作の企画シートを共有してくれているんです。なんてふとっぱらなのか。あいちゃんホントに天才。知ってたけど。マジ感謝です。
この企画シート本当に役に立ってます。いろんなクライアントに「これいいですよ!」と宣伝しまくっています。
て、ここまで書いて、はて…もりもとあいさんの記事を読めば俺のnote読まなくてもよくね?と思っちゃいました。
すべての職種にリスペクトを
最後は心得的なもの。やはり社員インタビューにとって背骨といいますか、ひとつ持っておくべきことを挙げるとしたら、これです。すべての職種にリスペクトの気持ちを忘れないということ。
どうしても難しかったり、専門的だったり、ダイナミックな見え方をする仕事に興味関心がそそられてしまいがちですよね。でも、そうじゃない仕事にも同じだけの好奇心を持って耳を傾ける。
経理なんてどこも同じ。じゃない。
採用業務はどこも同じ。じゃない。
営業事務はどこも同じ。じゃない。
その会社の、その人にしかできない仕事がきっとある。必ずある。そう信じてICレコーダーのRECボタンを押すようにしましょう。その姿勢が、耳よりな話を連れてきてくれるものです。
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ちょうど魔の3000字を100文字ほど超えたので今回はこのへんで。社員インタビューに絞っていえば、ノウハウや心得はこれぐらいじゃないかなあと思います。もしかしたらもっとあるかもしれませんが、それはまた思いついたときにでも。それでは!チャオ!
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