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【始動】 哲学とクリエイティブ

古典との格闘

私は、大学卒業後、「就職」といういわゆる常識的なコースからはずれたキャリアを選択している。ほとんど名前も知られていない社会人教育機関兼シンクタンクのような組織に入ったのだ。

イメージしやすい例があるとしたら、Panasonic(旧松下電器産業)創業者の松下幸之助が晩年になって自らの思いを託して設立した「松下政経塾」のような組織だ。そこでは、将来政治家や実業家を目指す若者が少数精鋭で集って、3年間みっちり学問に励む。いわば”社会人大学院”のようなものだ。

そこでの一年目は、みっちり政治経済の古典を叩き込まれる。政治哲学で言えば、プラトンに始まって、アリストテレス、マキャベリ、トマスモア、トクヴィル、ルソー、バーク、ヘーゲル、ハンナ・アーレント。経済学で言えば、アダム・スミス、リカード、ケインズ、マルクス、ハイエク、シュンペーター、ドラッカーなど、過去の「知の巨人」たちの主要著書を読み込んで、毎月レポートを書き、発表し、講評を受ける。それ以外にも、具体的な政策論や経営学、ディベートなども学ぶ。

「そんな教育機関が日本にあるなんて!」と驚いた人は、ごく少数だろうけど、西洋の大学では当たり前のように行われているリベラルアーツ教育を徹底的に行なっている組織は日本にも現に存在している。

私は、3年間、過去の偉大な哲学者や思想家と”格闘”する経験を通じて、自らの核となる思想や思考の”輪郭”を縁取ることができた。(少々東洋の思想が手薄になっているので、徐々にキャッチアップを図っているところだ)

ちなみに、これだけは強く言いたいことは、過去の思想家は、決して”象牙の塔”に引きこもって、自らの頭の中でこしらえた抽象的・観念的な思想を、これみよがしに著作として出版したわけではない、ということだ。

彼らの思想・哲学は、彼らの「格闘の痕跡」「血と汗と涙の結晶」なのだ。彼らは、彼らが生きた時代・社会の課題に、真正面から向き合って、戦って、思想という名の新しいソリューション、パラダイムを与えようとした人たち。決して、暇を弄んで、抽象論に耽じた人たちではない。....と熱くなって話が脱線してしまった。

日本に必要な、「新しい問い」

さて、その後、財務やIT畑を経験したのちに、現在私は独立して中小企業のコンサルティングを(特にマーケティングやクリエイティブの面で)メインに行っている。そして、これから自らの事業を本格的に稼働させ、新たなフェーズにシフトさせていこうとしている。

特に、これからはリーダーシップ教育やクリエイティブを(西洋と東洋の)哲学・思想とマージさせながら、新たな付加価値型のコンサルティングや教育事業・メディア事業を起こしていこうと思っている。

今の日本に、日本のビジネスに、日本の教育に必要なのは、「新しいモノの見方」、そして「新しい問い」である。

過去の偉大な思想は、時代を超えて、私たちの視野を拡大させ、カッチコチに”常識”という名の”思考停止”で凝り固まった私たちの頭に揺らぎを与え、新たな問いを投げかけてくれる。

経済学者のシュンペーターがかつて述べたように、イノベーションに必要なのは「自由な精神」。常識を疑い、自らの思考の地平を拡大してくれる巨人たちの肩の上に乗って、今という時代を精一杯切り拓いていく。そんなお手伝いをしていきたいと思っている。

これから、少しずつ自らの意見や事業にまつわる話を発信していこうと思っているので、こうご期待。ということで簡単な自己紹介と所信表明でした。(全く、タイトルと関係ない内容になってしまいすみません)



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