サステナビリティ・アンバサダー レポートVol.11~三富今昔村ってどんな場所?とっても綺麗な再資源化プラントを見学してきました!~
▼レポーターの紹介
1.三富今昔村とはどんな場所
こんにちは!記事に目を通してくださりありがとうございます。
アンバサダーレポート、Vol.11は、U1の山口とU2の氏家でお送りいたします!
今回は「石坂産業株式会社」が運営する「三富今昔村」を訪問させていただきました。
「三富今昔村」は、東京ドーム約4.5個分の里山を保全し、くぬぎの森の植物や生きものとの楽しみ方を発見するガイドウォーク、自社農園「石坂オーガニックファーム」で土づくりや野菜の成長を実感する食農育体験、里山の暮らしを体験しながら学ぶ里山体験プログラムなど、多彩なプログラムを開催している場所です。
2.その日のスケジュール紹介
1日のスケジュールはこんな感じでした。
スケジュールに沿って、1つずつレポートしていきます!
3.【資源再生工場見学】工場の仕組みと働く社員について
オリエンテーション後、資材再生工場のツアー見学に行きました。
整えられた道や、写真やメッセージなどが掲示されており、工場とは思えない様子でした。街と共存している工場だからこその工夫や、石坂産業さんらしい取り組みを紹介させていただきます。
最初に、工場内の一部の様子を紹介いたします。
<B棟> 廃コンクリート再資源化プラント
工場内では、何度も何度も仕分けをしていました。
そのまま捨てれば「ゴミ」、分ければ「資源」ということで、少しでも異物(金属、プラスチックなど)が混ざり込んでいると、資源にならないため、入念に仕分けを行う必要があります。
*建設廃棄物搬入エリア
以下の写真は、コンクリートしかないものを大きな穴に入れています。
分別が終わったあとは粉砕されます。
*ベルトコンベアエリア
ベルトコベアで振動を起こし、細かいモノが下に落ち、大きいモノが残る仕組みとのこと。
また、ベルトコンベアや、クレーンは、CO2排出量を抑えるため、全て電気で動いているそうです。
*画像の色彩で自動選別するシステム
<C棟> 仕分け場(左から、廃プラ類、混合物、土砂系、木くず)
*手作業での取り除くエリア
肉眼レベルで選別を行います。1つ1つの資材を見て、手作業で選別。
奥側のレーンでは、AIロボットが自動で木くずを分別しています。
<その他エリア>
*雨水利用
雨水を工場地下に貯水し、トラックが出入りする箇所に水を散布。トラックのタイヤについた埃や土等の汚れが舞わないような工夫をしています。
街との共存を徹底している施設だからこそ、近隣住民の方に迷惑がかからないような配慮が至るところにありました。
*ツアー道中の資源
ツアー道中には、廃棄物として回収されたものが生まれ変わって使用されているものが多々見受けられました。
例えば、この大きな石や床に敷き詰められたブロック。
大きな石は、廃棄物として排出されるものを買い取り、そのまま再利用しているそう。ブロックは、瓦を粉砕して固めたリサイクル商品で、水捌けも良いとのこと。
ツアー参加者に目に見える形で、リサイクルした様子が伝わる工夫も素敵だと思いました。
*その他の石坂産業らしい取り組み
石坂産業さんは、環境に優しく、働く人が快適に働けるような取り組みを積極的に行っています。
例えば、こちらの写真のようなキッチンでは、健康増進の1つとして、社員とお客様に喜ばれているそう。マイお弁当箱を持って来れば、さらに安くなるという福利厚生も行なっていたりしています。
(社員の禁煙を促すため、タバコを吸わない社員には、月2回無料でお弁当が食べられたりするようです!)
そのほかにも、工場内で勤務する従業員限定の食堂や仮眠室もあるそうです。
4.【くぬぎの森】里山再生の森を散策
ここはかつて、ゴミ不法投棄が繰り返される里山だったそうです。
このことに問題意識を持った石坂産業の社員さんたちが、里山を再生させるために、不法投棄されたゴミを拾うことからはじめたそうです。
そうした努力を長年続けていった結果、近隣住民の方からも理解を得られるようになり、代々受け継がれている里山の管理を任せられるようになったとのこと。
そして、今では生物多様性が高いと認められた里山にのみ与えられる、JHEP認証を“AAA”で取得するような里山になっています。
この里山ではたくさんの体験を行うことができますが、今回は時間の都合上、いくつかに限定して体験やお話を伺ってきました。
*SANTOME ポートリーガーデン
こちらでは、園内の農園で育てたハーブ草や食残などをエサとして鶏に食べてもらい、鶏糞をまた農園の土づくりに活かす「循環農法」を実践しています。
また、地域の人々が“アニマルウェルフェア”を学ぶためのエリアとしても、活用されているそうです。
鶏たちと触れ合い、観察したりおやつをあげたりしたあと、鶏の飼育に関する現状や、これから変えていくべきことなどのお話が聞けます。
通常の体験では、最後に鶏たちから卵をもらって卵かけご飯にして食べるところまでを食育体験として行っているそうです。
*アーシングセラピー体験エリア
次に見学したのがアーシングセラピー体験エリアです。
アーシングとは、裸足で直接地面に触れ、大地とつながる健康法のこと。
その効果は科学的にも証明され、さまざまな医学誌でも取り上げられているとのこと。
この日はあいにくの雨で体験はできませんでしたが、晴天下ならとても気持ちのよい体験になるだろうなあと思いました。
*三富今昔語りべ館・農園エリア
3つ目は今昔村の「昔」に当たる部分を伝えるエリアです。
そこには語りべ館という、里山のくらしを今に伝える民族館があり、昔からつづく伝統や暮らしなど、知恵の詰まった人の生活の道具を紹介していました。
また施設内には食事やお茶が楽しめる場所もあり、学び歩いた疲れを癒してくれます。
5.おいしい体験も!
最後に「くぬぎの森環境塾」で、美味しいご飯をいただきました。
普段はここで、地域の子供たちにリサイクルの現場や、人と自然との調和によって守られている豊かな自然に触れられる体験プログラムを行っているそうです。
この施設内で取れた野菜や卵を使った、環境にもお腹にも優しいご飯でした。食べ終わったあとの片付けまで自身で行うシステムなので、食べ残し低減にもつながりそうだと思いました。
6.【ワークショップ】ふりかえり、SDGsへの取り組みを考える
美味しいご飯をいただいた後、SDGsに対しての石坂産業さんが行っている取り組みについてお話を伺いました。
まず驚いたことは、17つあるSDGsのゴール全てに対して実践をされているという点です。
重要なのは全てにアプローチできているかではありませんが、ここまで網羅できている団体は国内にそう多くはありません。
なぜここまで多くの問題にアプローチできたのか聞いてみたところ、17のゴールの全ては繋がっているからだとおっしゃっていました。
1つの問題を解決するためには他の問題も同時に解決する必要があり、それを続けていったところ、今に至ったのだということでした。
しかしこれらの活動が習慣化されるまでは、それなりの時間を要したとも語っていました。
例えば項目14の取り組みの1つとして、ほとんどの社員さんがオフィスにマイカップの持参しているそうなのですが、持参推奨の取り組みを始めた頃は、数人しか持参しなかったというのです。
そんな状態を見て、社長さんが2つの施策を行ったそうです。
これにより、活動が社員全体に浸透していったのだそうです。
単に施策を強制するのではなく、メリットも併せて与えることは、どんな活動においても重要だと改めて感じました!
7.まとめ・感じたこと
【山口】
今回、三富今昔村のツアーをスタートする前に、オリエンテーションがありました。
その際、SDGsの17目標のうち、「つくる責任」「つかう責任」はありますが、「捨てる責任」も加えるべきだと思っているというお話がありました。
確かに、私たちはものを作って、使って、その後まで責任を持っている人はどれくらいいるのだろうと感じました。
今回、実際に産業廃棄物工場を見学して、大量な廃棄物の中に、あらゆるものが混じっており、そこから分別を何度も繰り返してを行う様子を拝見して、普段生活する上での捨てる責任(分別、リサイクル)の重要性を改めて感じました。
【氏家】
今回見学に伺って一番強く思ったことは、石坂産業さんのSDGsに対する取り組みは全て一貫性がある、ということです。
例えばオリエンテーション時に出していただいた、お茶の容器がリサイクルして作られた陶磁器だったり、園内のショップの試飲用カップも洗って繰り返し使えるものでした。
そういった細かなところまで徹底して、ゴミを出さない取り組みをしている様子が、人の心を動かしていくのだと実感したと同時に、だからこそ石坂産業さんには、地域住民や企業など、取り組みに賛同した多くのフォロワーがいるのだなと思いました。
※一部写真は三富今昔村公式サイトよりお借りしました。
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