つらいコスモス
秋の日の無言の約束が
静かな哀しみとなって 咲いているのだった
つらいコスモスが
あきらめて咲いているのだった
困惑のほほえみが さびしく揺れて
暮れ方のコスモスは
取り返しのつかないぼくのしくじりを
ことあるごとによみがえらせる
ちがうひととの陽だまりに
果たされなかった約束は揺れ
路傍のコスモスに今もうずく恋の蒼痣
ぼくらはこれから何年ものあいだ
秋の幾日かは逢うだろう
そのたびにぼくらはそしらぬふりで通りすぎる
唇を噛み 悔いと諦めを確かめ合いながら
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