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ヒトラーのプレゼントで最も多く贈られた物は?

12月も近くなってきました。クリスマスと言えばプレゼントをイメージする人が多いようです。クリスチャンをやめた私は今年も祝うことはないですが、冬至の日はお祝いしたいですね。去年は冬至の日に瞑想すると紫の丹光が見えました。

さて、今回はヒトラーとプレゼントについて紹介していきます。ちなみにナチスは反キリスト教なので、クリスマスの内容は含みません。

<参照・引用>
『ヒトラーの秘密図書館』ティモシー・ライバック(文春文庫)

ヒトラーのプレゼントは「本」が多かった

ヒトラーのプレゼントにはメルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲンなどの車、はたまたベルヒテスガーデン近郊のオーバーザルツベルのティーハウス、あるいは有名なジャーマン・シェパードのブロンディなどが浮かびます。そんな中でも、無難?だったものとして本が選ばれることが多く、ギフトカードとともに表紙や背表紙に美しくきらびやかに加工が施された本が贈られました。ギフトカードには例えば以下のような内容が書かれていました。

総統閣下
総統閣下のシュテルンエッカー初登場から第14回目の記念日に、最初の同志の名簿をガール夫人よりお贈りします。今この時こそ、我らが素晴らしい運動および新帝国誕生の時であると信じております。
生涯にわたる忠誠とともに
ジーク・ハイル!
古くからの同志より

※ シュテルンエッカーとは、ミュンヘン中心部タール街54番地にある酒場の名称です。ナチス党の前身、ドイツ労働者党の集会が行われ、この集会でヒトラーは演説家としての才能を見出され入党しました。

読書家ヒトラーの蔵書はなんと1万6000冊

ヒトラーはあまり知られていませんが、読書家です。プレゼントに本を贈られ、しかもその本がヒトラーの心を掴むようなものだった時、ヒトラーはとても喜んだと言います。彼は少なくとも一晩に1冊、またそれ以上読んでいました。ヒトラーはミュンヘンとベルリンの私邸、オーバーザルツベルクの山荘の3ヶ所に書斎を持っており、記録では、ヒトラーの蔵書は1万6000冊にも昇ります。ドイツ敗戦後はアメリカ兵やソ連兵に持ち去られその後は行方不明になりましたが、現在1300冊はアメリカ議会図書館、ブラウン大学に保管されています。

ヒトラーは昔から読書家だったのでしょうか?リンツやウィーン時代のヒトラーを知る、親友アウグスト・クビツェクはヒトラーが本を読んでいない姿を思い出すことができないと語ります。「本を!常に、もっと本を!」。ヒトラーにとって、読書は単なる余暇や楽しみではなく「死ぬほど真剣な仕事」だったのです。学歴がなかったヒトラーはなぜあれほどまでに演説が上手かったのか?彼の演説を聴けば、カンペなしで何時間も詳細かつ分かりやすく大衆に語りました。彼の学は間違いなく読書の賜物だったのです。軍人時代、例えば1915年のとある日、酒やタバコ、女など手軽な娯楽が簡単に手に入る状況でヒトラーが買ったもの、それはベルリンの文化的財産について書かれた1冊の本でした。これはとてもヒトラーらしいエピソードです。

総統になってからもヒトラーは夜中に必ず読書をし、オーバーザルツベルクでは、彼の読書灯が消えるのを使用人は夜散歩をして待っていました。現存するヒトラーの蔵書には、無数の書き込みがあり、文や単語にアンダーラインを引く、感嘆符や疑問符を入れる、また欄外に書き込みが見られ熱心に読まれたことが伺えます。納税記録にも課税控除の項目に、人件費と遊説費についで書籍購入費が続きました。ヒトラーは散歩やカフェに出かけた途中に偶然見かけた書店で本を購入したり、また古本屋を見て回るのが好きだったようです。

「蔵書を見ればその人が分かる」

ドイツの思想家、文芸批評家のヴォルター・ベンヤミンはユダヤ人ですが、かつて彼は「蔵書を見ればその所有者の多くのこと、趣味、興味、習慣が分かる」と語りました。読んだ本も読まなかった本も売ってしまった本もすべて、その人の人となりが物語るのだと。「どんな本を読みますか?」この質問なら、相手はありきたりの内容を答えあまり参考になりません。しかし、本棚なら相手の好むジャンル、読んだのか途中で止めたのか、どんな箇所に書き込んでいるのか、あるいは書き込まないのか、また本の並べ方など色々な情報が掴めます。私は本好きでこの1年間で既に3回ほど本棚を増築しています。確かに本棚を見れば最も簡単に相手を解明できるでしょう。

ヒトラーが読んでいた本のジャンルは?

ヒトラーはどんな本を読んでいたのでしょうか?ヒトラーの蔵書には軍事関係が圧倒的に多く、ナポレオン、プロイセン国王などその数は7000冊に昇ります。そして、その多くは明らかに読破した形跡が見られました。次に多いのは建築、演劇、絵画などの芸術に関する本。そして、占星術や心霊現象に関する本、教会に関する本、単純な大衆小説などが続きました。本からヒトラーがニーチェは実はあまり好まなかったこと、文学ではゲーテよりもシェークスピアを好んだなどヒトラーの意外なところが垣間見ることができます。ちなみに、ナチス党員必読書リストもあり、その中身についてはどこかで紹介したいと思います。

ヒトラー読書術「読書はモザイクを完成させるための石集めの過程」

以前、「なぜあなたはヒトラーの『わが闘争』の内容が理解できないのか?」の中でヒトラーの読書術を少し紹介しましたが、

ヒトラーにとって、読書とは自分が元々抱いている観念という「モザイク」を完成させるための「石」集めのプロセスだと例えたと言います。まず目次や索引を調べ、使える情報を探して選んだ章を読むのです。ヒトラーは「このような方法で得た知識が、あれやこれやの問題に関してすでに自分の頭の中に何らかの形で存在している観念と正しく統合されると、それは修正的あるいは補完的な働きをする。すなわち、自分が元から抱いていた観念の正しさ、あるいは明快さを高める働きをする」、「人生において検討ないし解答を求める問題が現れた場合、この読書法を守っていれば、頭の中に模範として存在している観念を記憶がただちに取り出し、こうした問題に関して数十年にわたって集められた個々の項目すべてをそこから導き出し、問題が明確になるかあるいは解答が得られるまでそれらの検討と再考を知性に促すのである」と語りました。ヒトラーの記憶力の高さはここからきているのでしょう。

最後に

今回は、ヒトラーへの贈り物から読書家ヒトラーを紹介しました。実はこの記事を書いている途中、いつも行く古本屋さんに立ち寄ると、ヒトラーと彼の蔵書に関する本が目に飛び込んできたのです。何という偶然?いえ、これはシンクロニシティです。何かを考えたり求めたりしていると、ちょうどそのタイミングで関連する出来事や情報が与えられるのです。シンクロニシティは引き寄せの法則によってその現象が引き起こされます。私の場合、その働きがどうやらヒトラーやナチス関連に最も強くなるようです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
白狼(はくおう)ちとせ🐺

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