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ケガと病気と本づくりの2020年

こんばんは、薄明です。もう今年もあと2日ほどになりました。今年一年を、撮った写真やエピソードなどとともに振り返ってみたいと思います。2019年はたくさんカメラを買って写真を楽しんだ一年だったので、さすがに2020年はほどほどにしていこう、いやもしかしたらほとんどカメラは買わないかもしれない…と思っていました。年が明けるまでは。

実際はカメラやレンズも以下のように買っていたりはします。それはさておき(としておきたい)、この一年は通してみると「そこそこのケガ(大けがではない)と病気に苦しみつつ、本(フォトブック、詩集)づくりに集中した一年」だったなあと思います。1月から順番に、写真とともに振り返って行きましょう。エピソードとは関係ない写真も多々あります。

1月

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1月7日にRICOH AUTOHALF SE2を購入。ゼンマイ巻き上げのこのカメラが欲しいなと思いながら出物を探していたら、偶然お店に入ったのを聞きつけて即購入したのでした。ちなみに同日ジャンク品ながら黒のPentax SPも購入。同月には写真趣味のことを知った同僚さんが、家にあったCanon EX AUTOを譲ってくださいました。ただし絞りが動いてないっぽい。Nikomat FTnシルバーも1月にジャンク品を購入。動く。これでブラックボディとシルバーボディの両方が揃いました。頑強で好きなフィルムカメラのひとつです。

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ヴィレヴァンで未祐.さんの歌と出会う。そのときは誰の歌かもわからず、色々と思い至らず遠回りして苦労し、なんとか原盤や未祐.さんを見つけ出すことができました。今年出会った代表的な一枚と言えます。そのあたりの詳細は以下のnoteで書きました。

あまり雪が降らない冬でしたので、西田幾多郎記念哲学館や鶴来方面、金沢市内と結構うろうろしていました。


2月

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ひどく路面が凍結した休日の朝、DfとNikomatを持って撮り歩いていたらすごい勢いで後ろ向きに転倒し、レンズやレンズフードを破損。あと鞭打ちになり、ずっと首が痛い。自損事故なのだけど悲しくて仕方なかったです。あと検査もそうですが地味に治療費がかかりました…。

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「石ころみたいな写真が撮りたい」ということばが突然朝出勤中に思い浮かび、noteに書きました。フォトブックのタイトルにするとまでは想像もしていませんでしたが。

あと、#いいねした人の適当なツイートを勝手に手書きで書く という遊びを思いつき、やってみたのがこの頃でした。

この月に購入したカメラは格安のNikon F2。露出計が壊れているフォトミックでした。


3月

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この月はとても大きな買い物とイベントがありました。フォロワーの方が縁をつないで下さり、欲しい欲しいと言っていたLeica DIIを7さんから譲っていただくことになりました。

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今でも夢のようですが、私の手元にブラックのDIIは変わらずあります。冷たく重みを感じる幸せです。レンズはElmarをどうしても使いたかったため、お店で購入しました。二つ合わせて当然10万を超える出費でしたが、今のところこの他のライカに手を出したいという思いは湧いてこないので、満足しているということです。(それ以外のカメラは別の話)

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そのほか、すばるさんをはじめとして名古屋にて「きづき、」という写真展に参加させていただきました。といっても私は写真は出していないのですが、展示タイトル名を書くという形で関わりました。素敵なメンバーと写真たちでした。

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4月

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職場も在宅勤務や、出勤しても常に換気(窓を開けたまま)で仕事をする環境で、冷えに冷えて体調を崩し続ける。追い打ちで合わない同僚の方とのコミュニケーションに心身の疲労が蓄積し、体調を崩し続ける。この頃手帳の日記も殆ど書いていない。

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けれど、その心身と裏腹に撮った桜の写真などを見ていると、とても楽しんで撮っていたんだなあと感じます。

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5月

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購入したROKKORのレンズ、MC W.ROKKOR-HG 35mm F2.8を持って、海を見たくなり内灘方面へ写真を撮りに行ったりしました。

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6月

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月初めに購入したフォトブックを眺めていて、やはり自分も作ってみたいなと思い、フォトブック作成し始めました。最初の一冊ということで(結局その後テーマを定めた本はまだ作っていないのですが)、自分の好きな写真だけとにかく羅列した一冊を作ろう、とやりはじめたのでした。6月月末には薄明写真I『私は石ころみたいな写真が撮りたい』を発行できました。ファーストフォトブックということで、自分としても大きな出来事です。今見返しても、自分が好きな写真が並んでいるだけあって楽しいです。


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この頃、職場のストレスと疲れで動けなくなる。(正確には、一か月後に判明するが、尿路結石だった)吐き気、発熱、頭痛、背腰の奥の重く鈍い痛み、血尿ほか。仕事を休む。食欲がなく食事ができない。精神的な疲労も激しかったため、部署異動を上司に申し出、受理されて事務職寄りの今の現場に異動しました。

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7月

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きづき、を経て仲良くさせていただいているすばるさんからFUJIFILM X-T10とレンズXF 35mm F1.4Rを買い取りました。ミラーレス一眼と言われるデジタルカメラはこれが初めてです。今までデジタルはNikonがほとんどだったので、感覚が色々と違いますが新鮮で楽しんでいます。FUJIの設定で自分の落としどころが見つけられるまでが長くなりそうです(今でもまだ定まっていない)。

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中旬、夜に腹と腰の痛みが激しく呻る、眠れない。夜間救急にかかる。座っていることすらできない。結果1cmほどの石が腎臓からすぐのところにあるようで、後日入院して手術(超音波)。(中略)こんなしんどいものとは、想像以上でした。しかも割れた石の半分がまた腎臓に戻ってしまったらしいので、またいつか苦しむことになります。

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はじめてのツイキャスに挑戦したり、サブアカウントの薄暮を作成したのもこの頃でした。

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8月

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実家に帰省した折、旧友と琵琶湖周辺を撮りまわりました。幼稚園からの繋がりなので、最古級と言っても過言ではないです。しかしカメラ趣味で通じたのは近年ですが。ミノルタユーザで、αユーザでもあります。

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いちがみさんがバケペン(PENTAX 67IIという中判カメラ)を購入したということで、試写についていきました。その時に動画を急に撮るということになって、もにょもにょしながら映りました。

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薄明詩集II『羞恥にリボン』を編集し、月末に完成。お求め頂いた方々、ありがとうございます。


9月

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家族ぐるみの付き合いのある友人宅を訪れました。が、お子さんらとはなんだかんだとかなりの年数会っていなかったりして、久しぶりで楽しかったです。子供の成長は早いですね。

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偶に調子が悪くなっていたブロニカS2が、ここへ来て故障。どうにもこうにもならなくなりました。イストさんへ修理送りにすることに。ちょうど長年使っていたCarlZeiss Planar T*50mm F1.4ZFもコシナにメンテナンスに出したので、修理費が嵩む時期となりました。

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しかしマミヤプレス(Mamiya Press super23)という6x9判の中判カメラがどうにもかっこいいし写真も素敵だし使ってみたいという思いでもやもやしていたところ、いつも現像を出しているお店に行った折に、ちょうど欲しい機種の欲しい色が入ってきたのを見つけてしまいました。偶然にもほどがありますが、今から整備に出すところだという。思わず購入予約しました。ついていたフィルムバックは6x9のみですが。


10月

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EOS5D初代の出物があり、迷った末購入しました。写真を始めた頃のある種のあこがれをもっていたフルサイズ機だったので…。当時30万くらいしていたような気がするのですが、今やとんでもなく安値でした。今使ってみても、いいカメラだなと思います。

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そしてその直後に、Mamiya Press super23の整備が完了したという連絡が入ったので購入。もうこの9月10月あたりは相当前借りの前借りで資金を回していました。カツカツすぎる。しかし試写にはいきました。すばらしい。

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2019年の正月に実家で発掘した、祖父が使っていたと思われるヤシカフレックス(Yashicaflex C)はうまくシャッターが切れないということで眠らせていたのですが、なぜかふと気になり取り出すと、普通に動くようになっていました。(なぜこの時取り出したのか、思い出せません)

一度試しに撮ってみましたが、一部フィルム送りが悪いだけでちゃんと撮れているので二度びっくり。しかし祖父(多分)の遺品なので、せっかくなのでちゃんと整備してもらおうと修理送りにしました。修理費10k円ほど。


11月

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紙魚さん、tattiさんらが来金。紙魚さんは以前お一人でいらっしゃった際、少しの時間ですがrideさんと3人でフォトウォークをしたことがありました。今回はkusa mochiさんと4人で一日フォトウォーク。中判カメラ持参が四人中三人とヘビィな装備でした。次回はもうちょっと歩く距離を減らそうと思います。

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ヤシカフレックスの修理が完了し、受け継いだ機材が元気になったことにしみじみとした実感を得ました。色々思うところもあり、noteを書いたりもしました。(試写含め)

この月に詩集1冊目である『執着点』を編集しなおして、印刷会社で印刷してもらいました。写真も追加したので第二版として発行。いつかほかの詩集や写真集(はOKなのかわかりませんが)と一緒に、文学フリマなどに出せたらいいなあと思っています。


12月

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かねてより「フォトブックのモノクロ版はまだ作らないんですか?」と言われていたのに着手しはじめ(ある程度セレクトはしていた)、タイトル含め制作完了しました。先日SNSで告知したように、『残された景色(わたし)が白黒だったとして』という72pのモノクロフォトブックが完成しました。注文いただいた方々への発送、手渡し等順次進めています。

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今年は雪がなかなか降り始めませんでしたが、19日あたりにようやく冬らしい雪が降り、その週末に少し積もりました。次は年末年始にかなり降るそうで、それはそれで心配です。

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穏やかに年末を迎えられるとよかったのですが、仕事納めの日に自分の背丈ほどに積み上げられた雑誌の山が崩れてきて右足の筋を傷めてしまいました。よりによって膝裏を強打したのが地味に痛くて撮りおさめに歩きたかった今日などもずっと家に籠っています。年始の転倒、結石など、そこそこに大きな怪我と病気をして体力がごそっと落ちた年でした。来年は健康でいたいなあと思う次第です。

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一年を通してのまとめ

今年も2019年ほどではないのですが、ほぼ同程度にはフィルムでも写真を撮っていました。ただ、このご時世ですから、中々フィルムであちこち撮りまわるということがしづらいのもあって減ったのか、それとも単純にコスト(ここ一年でフィルム代や現像代が値上がりしました)が上がってしまったので少し抑えめに運用したのかもしれません。

機材的な話をすると、今年は中判カメラが2台新規で増えたことになり、その分現像代も割高になりました。ブロニカS2も途中で故障・修理という過程を経て元気になったので、来年もっと使ってあげたいと思います。新規勢2つのカメラも同様に。そして35mmフィルムカメラはどうしても欲しかったLeica DIIや、SRT101やSR-1(幸運にも動きの良いものを購入できました)なども参入したので、今まで入手したものに加えてうまくローテーションしていきたいところです。

実際のところはそれだけの機材をうまく回していくのは、気持ちの面ではやっていきたいものの、…難しくなっています。当然です。私の体は一つしかないのです。こんなとき、私がもう一人いて、しかも稼ぎがよければと思います。私の経済力では本来これだけのフィルムカメラを使いまわしていくこと自体が不可能なのです。生活に必要とされる部分を無理やり写真に回しているからこの一年なんとかやってきたようなものです。2021年も続けていけるだろうかと不安になるときもあります。

しかし自分の好きな感覚をアウトプットする、露出する行為として、今のところ身体的、もしくは時間的(過程)な負担が少なく、自分の限られた生において量をある程度確保できる「写真」という趣味は、なんとかできる限り続けて行きたいと思います。書くこと述べることも同じく自分のつくる行為のひとつではあるのですが、写真に比べるとフィルタの層がいくつもあって、現実世界に書き出すまでの負担が軽くはありません。難しいものです。

そしてなにより、同好の士との交流を大変ありがたく思っています。SNSの繋がりは儚いものだというのは重々承知とはいえ、交流を一年、二年と続けていくうちにその人のつくるものから受ける(受け入れる)ものや、交流の中で自分に生じる知見など、ただの一過性のものとして見過ごすには惜しいものもたくさんあります。

私はこの一年も、やはり変わらず「自分の好きなもの」を自分自身で捉えてきたように思います。そのアウトプットとして最たるものがフォトブックと詩集でした。たとえ誰しもに楽しんでもらえるものでなくても、一部の人にとって気持ちいいものであることができる、そういうことが非常にありがたく光栄であるということを、実感いたしました。写真関係でない方からも、写真に対しあたたかいお手紙を頂戴することもあり、どれほど嬉しかったか言葉に表すことができません。あるいは音楽と写真、またことばというのはある程度近しい領域にある感性なのかもしれません。

薄暮というアカウントを作ったのは、ほんとうに軽い気持ち(裏アカのつもり)でした。が、結局雑談をわけてやる意味がないなと思い、詩でしりとりというしばりのアカウントになりました。ツイート頻度は低めですが、その時々で思いつくままに書くのは面白い。しりとりという縛りがなかなか厄介ではありますが、私の書く詩の多くの中のひとつの形態としておさめれば、それほど肩ひじを張る必要もないのだなと思い至りました。量としてはもうあと1冊くらい作れると思うので、来年はそれをまずやりたいと思います。

しりとり前提の詩に心なんてこもっていないのでは、読んでも意味はないのではというコメントがありそうな気がしますが、今のところ来ていません。私の詩は私の心情を読み手に伝えるためのものではない。だから伝わる必要はないし、解釈も読み手に委ねています。むしろ私は自分の詩に対して、あくまで自分の解釈を持っているだけで、もしそれについて人と対話する機会を得るならば、答え合わせではなくて感覚の交換会になるだけなのだと思います。(幸い、今回お渡しする際にそういった機会を得ました)

絵も写真も文字もことばも詩も文章も所作も行為も、私は私の好きなものをあらわすためにおこないたい。もしそれを見て、何かしら感じるものがあったのであれば、私と近しい領域を持っているということで嬉しく、ありがたいことです。

各種SNSやここ、noteで2020年、私とお付き合いくださった方々、そしてはじめて見てくださった方、皆様に感謝と、来年のご多幸をお祈り申し上げます。よいお年をお迎えください。

来年の目標:中判フィルム写真でフォトブック、薄暮で薄明詩集IIIを作成

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