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本当の優しさって何だろう

 時々、友人などから「悩み相談」されることがある。
 例えば、昨年、病気で夫を亡くした友人は、夫の母と同居している。
92歳になる義母は要介護状態だが、デイサービスに行きたくないと言って、ヨメ(私の友人)に、「悪いところがあるから病院へ連れて行ってくれ」と頼むのだそうである。
 比較的丈夫な義母で、ヨメである友人から見ると、取り立てて悪いところはないように見えるのだが・・・、という。
 その友人が、義母との同居に耐えられなくなって昔からの知り合いに相談すると「そんなわがままな姑はあなたが面倒見る必要はないでしょ。あなたがその家を出ればいいじゃないの。」と言われるのだそうだ。
 しかし、亡くなったご主人は一人息子で兄弟姉妹もいないため、義母を一人にして出て行くことなどはできないし・・・。と彼女は日々苦闘しているという。
 そんな話を聞いて、最近「傾聴」についていろんな本を読んでいた私は、極力「彼女の心に寄り添って」話を聞くようにしていた。
 今更92歳の姑を置いて家を出るなどと言う発想は、ヨメ体験者である友人本人や私たちには道義的にできない。「ヨメ」という体験をしたことがない人にはわからない感覚なのかもしれない。
 結局、私にできることはひたすら彼女の気持ちを理解することだけなのである。
 今のところ、そのお姑さんは、衣類の着脱や、歩行などには何も問題がなく、食事も出されたものはよく食べるということだ。
「地域のケアマネジャーさんに相談してみたら」ということしかできず、何も手助けできない自分を不甲斐なく思うばかりだ。
「“本当の優しさ”って、何だろう・・・。」と近頃日々考えている。

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