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東京からも土偶がザックザク!……江戸博『東京に生きた縄文人』……1年前の記録(後半・土偶編)

ようやくキンモクセイが本気を出して、花を咲かせて香りを解き放ってしますが……キンモクセイが咲く時季って、こんなに寒かったでしたっけ? わたしは、8年前の9月下旬に、キンモクセイが満開だった記憶が鮮明に残っています。その時に、めったにない体験をしたこともあって、どうしても、キンモクセイは9月下旬に一斉に咲く! と思ってしまっているんですよね。

それにしても今年は、咲くのが遅すぎるような気がしますが……いかがでしょうか。

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さて今回は、昨年末に行った江戸東京博物館の特別展『縄文2021 東京に生きた縄文人』の後半をレポートしていきます。

前半の土器についても、駄文を駄羅駄羅と書き綴ってしまいましたが、もうね、そんな文章は放っておいて、ページをザザザァ〜っとスクロールして、土器の写真だけでも見てほしいんですよね。

前回も書きましたが、土器や土偶っていうと、青森や新潟、それに長野や山梨あたりが本場ってイメージがあるじゃないですか? え? ないですか? わたしは、そういうイメージがこびりついていて、逆に、東京から土器や土偶がたくさん出土しているなんて、知りませんでした(弥生時代は東京っぽいですけどね)。

それもあって、江戸博で『縄文2021』の会場に、もう1つや2つ、紛失しても、誰も気が付かないでしょ? っていうくらいに、これでもか! これでもか! と、土器土偶が展示されているのを見て、驚きました。

まじか! すっごいのが、たくさんあるじゃん!

ってね。

江戸博での『縄文2021』は、とっくに終わっているし、江戸博自体がリニューアル工事で休館中です。それでも、この特別展に展示された土器や土偶や石器や丸木の船や貝塚などは、ほっとんど東京都のローカル博物館や郷土館のようなところから集めてきたものばかりです。

つまりですね……「この特別展って、もう終わってるんだよね?」なんて、思わなくてもいいんですよ。その近所にある博物館や郷土館や、もしかすると生涯学習センターみたいなところに、普段は置いてあるんですから。

ここで、なんか土器や土偶って良いな……なんて感じたら、そんなローカル博物館へ散歩がてら行って、見てきてほしいなぁと思います。江戸博の特別展は、常設展と合わせて2,000円くらいしましたが、ローカル博物館であれば無料とか200〜300円で入れるところが多いです。

財布に優しいうえに「なんかオレ、教養人になっちゃったんじゃないのぉ?」って、自己満足にも浸れるうえに、実際に土器土偶を見たらビビビッと感じるものがある……はず……とは言えないけど……そんな可能性も高いですよ。

では、あとは土偶の写真を中心に、サササッとスクロールしてご覧ください。

左の人……「あっ」なのか「ほぉ〜」って言ってる感じですよね。足がやたら短いし、ちょっとクッキーっぽい感じもあります
この土偶、やたらと印象に残っています。表情に愛嬌があるし、足がないというか、これはスカート? 手は、体の前で組んでいますよね? 
首だけの土偶も多かった気がします。みんな、おにぎりみたいなシルエットの頭なんですよね。まゆげも『こち亀』の両さんなみに、くっきりとつながってるし
「足だけ土偶」ですね。考古の専門家は、なんか「祭祀に使ったのだろう」とか言ってそうですが、素人のわたしは、一般的な土偶よりもかなり巨大な土偶の一部だと思いたいですね。どんだけ大きな土偶が作れるかを競っていたのかも(それにしても、写真で見ると、指が4本しかないの?)
このひょろっとした土偶も、強烈です。だいたい、こんなに細い像が、よくこんなにきれいに残ってたなとも思います。隣の子供なのか弟分てきな土偶も欲しい!
上の写真のひょろっとした方の顔のアップです。なんでしょうね、この評定は……漫画/アニメの『Dr.Stone』的には、世界に石化光線が降り注いだ、その一瞬の評定……という感じでしょうか
右は、上の弟分てきな土偶です。左は……ちょっと、見ようによっては、ひわいな形のような気が……気のせいでしょうか? この縦に並んだ穴はなんでしょう
これって、胸が膨らんでいるから、考古専門家的には女性の像なんでしょうね。ただ、胸が膨らんでいるから女性って……ほんとにそうか? っていうのが、以前からの疑問です。まぁ果物とかの精霊とも思わないのですが……。それよりも、アノニマス的な仮面が怖い……というか、おもしろいです
この江戸っ子が「てやんでぇ!」って言ってるような顔だけ土偶も、何度も見てしまいました。粋な感じなんですよね。さすが東京出土!
少し斜めから見ると、けっこう恰幅の良い体だったんじゃないか? っていうような、厚みも唇も、ぷっくりした感じですね。キス直前! っぽいですね
これは明らかに右側に注目して撮った写真なんでしょうけど、実は左側の人も、クセが強すぎません? 頭は帽子をかぶっているとして、この唇! 唇にぶつぶつのある土偶は、はじめてみました。目も、やたらと細長で、ちょっと他ではめったに出会えなさそうです(そんなことない?)
これは、人間なのか? って感じですね。遮光器土偶のような目が彫られていますが、頭はちょんまげっぽくもあり、後頭部にあるのは猫の耳っぽくもあります。ほかはけっこう「どさぁ〜」って感じで並べられているなかで、この人だけ特別に鏡がありました。なんか、実はすごい土偶なのかな?
前回にも載せた「丘陵のヴィーナス」ですね。「多摩ニュータウンのヴィーナス」とも。この土偶は、会場に一歩入ったところに、超特別待遇な感じで展示されていました。会場を全部見終わってから、嫌がる息子をひきづって、もう一度、見に行ったんですよね……「どんな土偶だったっけ?」って思いながら。こうして見ると、ほかと比べると、まったく様子が異なる気がします。これも、土器などと一緒に、長野あたりから渡ってきたのかもしれませんね
「多摩ニュータウンのヴィーナス」の後ろ側です。なんか、おしゃれ風な髪型ですよね
じゃじゃ〜〜ん! これが「丘陵人(おかびと)」だぁ〜〜〜! という感じで展示されているのかと思ったら……急いで見て回ったら、見過ごしてただろうな……っていうくらいに、他の土偶と混じって、ごく普通に展示されていました。そこにビックリしましたね(笑)
なぜって、会場の入口の付近に、「丘陵人(おかびと)」の巨大モニュメントがあったからです。まさかこんなに大きいとは思っていませんでしたが、今回の花形土偶の一つに間違いないと思いました。なのに展示が、あっさりしていて……良かったです
ということで、もう一回、真俯瞰で撮ってみました。見れば見るほど、味のある顔の造形です
大きさ比較ができる対象物がありませんが、かなり小さなミニチュアでした。長野の尖石縄文考古館にも、ミニチュア土偶がありましたね。その時に思い浮かんだのは、ウイスキーのサンプルです。ああいう感じで、ミニチュアだけを持って、全国を回っていた、営業職の縄文人がいたんじゃないか? というのが、素人の見立てです。「わかりました、この高台付き土器を2つですね。来年の秋には、必ず持ってきますから」そうやって、各地を回ってたら面白いなと
なんか、こういう漢字をもうやめて、もっと一般人でも分かるネーミングにしてほしいですね。縄文の前期には、こういうスリットの入った耳飾が主流だったそうです。この切れ込みを、耳たぶなどに挟ませる感じでしょうか
耳飾り……これにはあまり感想が思い浮かばないんですが、せっかくなので写真に残しておきました
まぁでも、この真円の耳飾りを作るのも、技術を擁しますよね。土器つくりでも、使っていたのでしょうが「ろくろ」は必須なんじゃないかな
耳栓みみせん」って書いてありますけど……耳たぶなどを伸ばして切って、その中に入れる感じのものですよね……タイ北部の少数民族で、いまも使っていそうです

■縄文集落をイメージしやすい、息子も大好きなジオラマ

男だからなのか、ジオラマって、見ているとワクワクしませんか? 江戸博の『縄文 2021』では、環状集落と言うんでしょうか? 家が円を描くように配置された集落が再現されていました。こういうのは、実物大で何棟かだけを、公園に復元しているよりも、よっぽどイメージがつかみやすいです(あくまで個人の感想です)。

ということで、江戸博『縄文2021』は終わりです。最後の出口直前に、長野の尖石縄文考古館蔵の『縄文のヴィーナス』が展示されていました。この時は撮影禁止だったので、お土産コーナーにあった、クリソツの『縄文のヴィーナス』を撮らせていただきました。こういう復元したものの方が、手に持てたりしていいよなぁ……なんて、重さを感じながら息子と話していました。

思わず、一個くらい買って帰ろうかなとも思いましたが、やめておきました。

余談……
『縄文のヴィーナス』ですが、江戸博へ行った数カ月後に、『仮面の女神』を見てみたくなったのもあり、近所を通った時に寄ってみました。やっぱり、出土した場所で大切にされている土偶や土器を見るのは良いですね。江戸博も、リニューアル後は、縄文や弥生の展示を充実させてほしいものです(えっと……江戸東京博物館の“江戸”って、江戸時代の“江戸”っていう意味なんでしたっけ?)。

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