見出し画像

今季トーハクの江戸期美術が豪華過ぎて……ドキドキするレベルでした @東京国立博物館①

東京国立博物館トーハクの常設展(平常展)の、展示内容の豪華さは、今に始まったことではありません。いつも驚かされると言ってもよいでしょう……そうなんですけど、今季のトーハクは、本当にすごい! ……と個人的には思いました。おそらく一回では書ききれないので、何度かに分けることになるかと思います。
※以下にある作品はすべて東京国立博物館所蔵です。

■なにこの凄い鹿さんの屏風!

今回は昼休みにササ〜っと見てこようと思って、まだ見ていなかった、本館2階の「7室 屛風と襖絵」へ直行しました。部屋に入って左側を向いた瞬間に「なんだこれ!」って思いました。

特に目立って立ち止まる人もいなかったので、もしかするとわたしだけの感想なのかもしれませんが、見ていてドキドキするような初めての感覚でした。

柴田義董ぎとう《鹿図屏風》

柴田義董ぎとうという方が描いた《鹿図屏風》です。この方……全く聞いたこともありませんでしたが、(京都)四条派……つまりは呉春ごしゅんさんの弟子ということです。

柴田義董ぎとう《鹿図屏風》

師匠の呉春ごしゅんさんって、こんな絵を描いていましたっけ? わたしは断然、柴田義董ぎとうさんの方が好みです。

詳細は今度ゆっくりと調べながら書きたいと思います。

ちなみにこの本館2階の「7室 屛風と襖絵」には、基本は作品3点が展示されている部屋です。今回は、もう一点、個人的にほほぉ〜と思ったのが、海北友雪かいほうゆうせつさんの《花鳥図屏風》。海北友雪かいほうゆうせつさんは、海北友松かいほうゆうしょうのお弟子さんということ。

この部屋にある作品2点を眺めながら、「日本の美術って、ほんと心に刺さるなぁ」と改めて思いました。わたしの場合は、やはり西洋や中国美術などよりも、日本美術の方が心にじわぁ〜っとくるんですよね。

■これはやりすぎでしょ!?  伊藤若冲・円山応挙・呉春が並んでる……

以前も、こうした展示はありましたが……伊藤若冲・円山応挙・呉春の3人の作品を並べてしまうなんて……トーハクならではな感じがします。←他の博物館や美術館を知らないくせに……なんですけどね……もしかすると、京都国立博物館などは、こんな感じなんですかね?

右から伊藤若冲筆《松梅孤鶴図》、円山応挙筆《雪中老松図》、呉春筆《戴勝勧耕図》です。特に伊藤若冲筆《松梅孤鶴図》は以前から見たかったので、「7室 屛風と襖絵」を見終わって帰ろうとしていたのですが、「あれ? あれじゃん!」と引き寄せられて、見入ってしまいました。そこから左へとスライド展覧していたら、「え? 円山応挙? え……呉春?」となったわけです。

この展示の並びには、岸駒がんくさんの《花鳥図》や、初めて聞く岡本豊彦さんという方の《孔雀図》、森狙仙さんの《秋山遊猿図》など、若冲や応挙と並んでいても遜色ない作品がありました。

岡本豊彦さんという方の《孔雀図》
森狙仙さんの《秋山遊猿図》

■円山応挙さんが細部まで描ききった鳥たち

前述の若冲・応挙・呉春の3作品を見たあとに、後ろを振り返ると……そこにはまた円山応挙さんの《写生帖(丁帖)》があるじゃないですか。そろそろ昼休みとしてのトーハクは終了しなきゃいけない時間だったのですが「いやぁ……これは見ないとでしょ」となってしまいました。

もうこれは写生というか、鳥図譜ですね……。こんなに細部まで描いて彩色しているんですから。羽を閉じているメインを描き……その脇には開いた時の羽だけを描くとか……こんなに対象をしっかりと見たうえで、作品を描いていたんだなぁと。

■良寛さんの優しい書も、いい感じです

そして、これは「7室 屛風と襖絵」へと向かう際に見たのですが、良寛さんの書《詩歌屏風》です。トーハクでも、何度か良寛さんの書を見てきましたが、このやわらかいタッチの筆づかいが、心地よい感じです。

まぁわたしには、なんて書いてあるのか、わからないんですけどね……。読めるようになりたい。

■多くの作品のなかで異彩を放つ歌川国芳

もちろん浮世絵コーナーも相変わらずです。葛飾北斎なども、さすがだなぁと思いました。ただし急いでいたので足早に通り過ぎようとした時に、これは! と異彩を放っていた作品が、歌川国芳さんの《五月幟(さつきのぼり)》でした。

う〜ん……写真を撮ってきてペタって貼り付けると、あの時の感覚が全く蘇らないのですが……この作品はものすごいエネルギーを発していました。トーハク以外にも所蔵する博物館などはあると思うので……わかりませんが……ぜひ実物を見てください。

嘉永2年(1849)江戸を追放されていた父海老蔵に会いに大坂に向かう8代目市川団十郎の門出を祝しひいきて贔屓の魚市連が制作した大型の豪華摺物です。朱鐘馗を海老蔵の似顔で描くなど趣向にとんだ制作で、摺師の横川彫竹らと並んで、歌川国芳も賛を寄せています。

解説パネルより

ということで、実際の滞在は40分くらいだったのですが、それでも何かに……というか仕事になのですが……急かされるようにサッサッサッと見て回りました。

それぞれ、もっとちゃんと見たいので、また時間を作ってトーハクへ行くと思います。それまでに各作品の予習をしておきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?