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詩 壊れた自転車

壊れた子供の自転車があった

それを自転車屋に持って行った

棄ててもらうために

壊れた自転車を押してると

あのキズ、この跡
曲がったレバー

それらが僕に語りかけた

それら全てに思い出があった

長い間ずっと放ってあった

なんとなく前を通りかかり

遠くから自転車が
僕を見つめてて

もしやと思い行ってみれば
それは僕の子の自転車だ

拙いひらがなで嬉しそうに
小さく名前が書いてある

僕は壊れた自転車を
しばらく眺め

大きくなった子の背丈と
見比べた

こんなに小さな
自転車だったかと思い

錆びだらけの自転車が
輝いていた頃の事を思う

僕はパンクした自転車を
すこし屈んで押しながら

あの頃を思い出させてくれた
自転車に感謝した

もう会うこともない自転車に

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