白水

「白水」の言葉は陶淵明の詩から拝借しました。白水は米の磨ぎ汁のことで昔はそれを煮沸して…

白水

「白水」の言葉は陶淵明の詩から拝借しました。白水は米の磨ぎ汁のことで昔はそれを煮沸して洗髪に用いたとのことです。洗い流されて跡すら残らない白水。少しでもあなたの心に触れるものがあれば幸いです。

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最近の記事

俳句 ハグロトンボ

俳句 新盆や ハグロトンボの 群れを見る 詩 遊歩道へと下りてゆく 紫陽花は灼けていた 名も知らぬ野草の中に ハグロトンボの群れをみた 黒い羽をひらつかせ 数匹が宙を舞う パラパラと羽が舞うほど パラパラと記憶をめくり 挟んだ栞をたどってゆく その懐かしい面影が ハグロトンボの羽に映り くるくると舞っていた 階段を下りきると 遊歩道のすぐそばを 川がゆったりと流れて どこまでも途切れずに 続いていた

    • 詩のようなもの 苔の色

      とある食堂の窓際の席で、 外を見ながら食べていた。 狭い路地の舗装の道が、 一面の苔に覆われていた。 人が通らないのか、 苔が強いのか、 踏まれたような跡はない。 昨日まで降り続いた雨と、 今日の青空が、 苔の色を映えさせる。 こんな苔の色は、 梅雨の季節ならではだ。 家の路地が舗装になる前、 軒の雨だれに沿って、 苔がずっと続いていた。 雨が降ると嬉しそうに、 濃い緑の色になるのを、 傘をさして眺めていた。 もう見れない緑の色を、 食堂の窓際で思い出した。

      • 詩 顎を動かして

        顎を動かして ものを呑みこむ 繰り返し 繰り返し 噛みしめる この反復は どのくらいしたか 顎が動く 心もきっと

        • ショートショート 流れ星

          *はじめに このショートショートは 全てフィクションです。 * 会社の懇親会の帰り道。 駅から家まで徒歩で歩く。 街中を過ぎると寂しい道が続く。 すこし前に七夕だったこともあって、 空を見上げながら歩いていると、 空にはほんの僅かだけれど、 星が瞬いていた。 もっとたくさんの星があるはずだけど、 それらの星はどこへいったのか。 そんなことを考えながら歩いていると、 道端にキラキラと光るものが見える。 俺はその石ころのようなものを 拾い上げた。 どういう仕組みかわ

        俳句 ハグロトンボ

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        記事

          詩 石ころ

          道端に石ころが落ちてても きっと誰も気づかない 誰かが蹴とばしたとしても 居場所が変わるだけだ 意味などに関係なく そこに存在している 空は雲が多くなり 今にも夕立が降りそうだ 蒸し暑い夕暮の中で 人混みの中に石ころがある 意味などに関係なく ここに存在している

          詩 石ころ

          詩のようなもの ある出先にて

          薄曇りの暑さの中、 汗を拭きながら歩いていた。 夏祭りが有名なこの街は、 あちこちに神社があって、 とある神社の鳥居が目に入った。 いったんは行き過ぎたけれど、 せっかくだからと引き返すと、 小さな鳥居の前では、 浴衣姿の女性が二人、 並んだ後ろ姿の写真を、 別の女性に 撮影してもらっていた。 皆が後ろ姿なので、 その後ろにいる僕には 気づいていない。 中には入れず、 せっかく引き返したのだからと、 行き過ぎる気にもなれず、 少し離れて眺めていると、 じろじろと

          詩のようなもの ある出先にて

          詩 夕立

          風が吹き抜けてゆき 空は暗くなる 汗に濡れたTシャツと 日に焼けた肌の 感触を気にしながら 空を見上げる 大粒の雨は 音を鳴らして落ちて 僕たちは 落ちた雨に逃げ惑う 空に稲妻が走り 雷鳴が轟けば 何事もなかったと いうように 雨が止んで 日が差し込む やさしく 風が吹いていた

          詩 夕立

          俳句 半夏を探しに

          目に緑 耳蝉の声 空白く くるくると からまる先に 僕がいる 半夏生 探してみれば どこにある 夏蝶と ともに歩けば 軽やかに 白い空 葉に照るひかり 夏呼んで 変わりなく 夏やこれまで これからも

          俳句 半夏を探しに

          詩 映る影

          食卓にテレビを置いた 暗い画面に影が映る その影とごはんをたべる 僕がたべると影もたべる それだけなのに ほっとする 向かい合い食べるなんて いつぶりだろう

          詩 映る影

          詩 光

          *はじめに 「ショートショート 奥深い森の中で」 の続きです。 * 今、僕は光の中にいる。 決して自分ひとりでは たどり着けなかった光は、 僕を悦びに満たしてくれた。 そこにあなたがいるのなら、 暗闇に怯えることもない。 そこにあなたがいるのなら、 笑い声が溢れるだろう。 そこにいるあなたなら、 僕のこの手を離さない。 二人でいることの安心感は、 何物にも代えがたく、 この世界に終わりが来ても、 あなたがいれば怖くはない。 いつも身体の何処かに触れて、 あな

          詩 エレベータで

          エレベータでひとり下りる 途中の階で停止する 扉が開くと きれいな白髪の 夫婦が乗り込む 婦人は少し会釈する 紳士は言う 「今日は調子がいい」 婦人は見上げて少し微笑む 下りる時も婦人は会釈する ゆっくりと降りる紳士 その手をそっとつかむ婦人 僕は後からひとり下りた

          詩 エレベータで

          詩 雨

          雨が降る 点と点とが つながり落ちる たくさんの点が 水たまりをつくる 点と点とが輪を作る その輪から外れた点 それも雨 * 雨が降る 降る雨をずっと見ていたくなる 雨が降る空の先を 雨が流してくれる 雨が洗ってくれる でも雨は 時々止む

          詩 汗

          したたる汗 にじむ汗 にぎる汗 目から零れる汗 冷えた汗 夏にかく汗は久しぶりだ いくら拭ってもひきはしない

          ショートショート 奥深い森の中で

          *はじめに このショートショートは全てフィクションです。 * 僕の毎日は日々の繰り返しだ。 同じ毎日をただ同じように繰り返す。 その繰り返しの中で 身体の深底に蓄積されるのを感じる。 僕の中に得体のしれぬ何かが、 少しずつ溜まってゆく。 その蓄積されたものが、 少しずつ僕を蝕む。 僕は侵食されてゆき、 自分自身を見失う。 それでも街は人で溢れて 誰も僕には気づかない。 夜、ひとり公園に座っていると、 街灯が灯る場所近くは 明るく照らし出され、 それ以外の場所は

          ショートショート 奥深い森の中で

          詩 沙羅

          梅雨の頃の朝に咲き 夕方には散ってゆく その一日は 永遠の長さ 初めて生を受けて その長さを知らず 力尽きる瞬間まで 命は永遠と信じる そしてそのときが 訪れたとき これまでが 命だったと知る 茎から離れて 地に落ちる花 一杯に咲いた花は 落ちて尚美しい

          詩 沙羅

          詩 耳を澄ます

          ふたりの間に 長い沈黙が流れていた その沈黙に耐えきれず 小鳥が美しい声で鳴いた とろける様な鳴き声に 思わず聞き惚れて 自分の居場所を 忘れていた あの人も鳴き声を 聞いていれば あの人も 聞き惚れていれば やがて鳴き声が止むと 沈黙は流れだした 小鳥の声に 耳を澄ます

          詩 耳を澄ます