![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134154576/rectangle_large_type_2_0002781cbf6a9fafea72ede01a813f46.png?width=1200)
Photo by
goooomin
掌編小説 アリの孤独
地べたを這うアリがいった。
「わたしは孤独です。」
僕にはアリの孤独の意味が
わからない。
僕はアリに答えた。
「僕も孤独なんだ。」
アリはいう。
「地表は人であふれています。
人を見ない日などありません。
なぜ孤独なのでしょう。」
僕は答える
「そういうアリだって、
たくさんいるじゃないか。
なぜ孤独なんだい。」
アリは答えた。
「わたしはどこに行くのも独りで、
誰も助けてくれません。
わたしがどこかで死んでも、
誰も悲しみません。
けれど寂しくはないし、
悲しくもないのです。
わたしは孤独です。
けれど独りではないのです。
あなたはどうですか。」
僕には答えられなかった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?