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米津玄師という“人”への大きな信頼 〜米津さんへの思いをつらつらと〜

きっとわかりあえるはずさ
なんてことを軽々しく言わない
これからもずっと一緒だよなんて軽々しく言わない
…だから信用できるのだ

歌詞の中に感じた、
自分をごまかせない実直さ、
嘘をつかないつけない誠実さ…

自分の中にある米津さんへの大きな信頼の始まりはやっぱりそこだったと思う。


私の中で、米津さんへの気持ちの一番根底にあるのは、米津玄師という“人”への信頼かもしれない。


“言葉にすると嘘くさくなって
形にするとあやふやになって
丁度のものはひとつもなくて”
“さよならだけが僕らの愛だ”
 ―「vivi」

“きっとあなたと私はいつまでも一緒にいられない”
 ―「眼福」

“いつか来るお別れを育てて歩く”
 ―「アイネクライネ」

“明日の世界も同じように生きていられるのかな”
 ―「ミラージュソング」

“きっと夢は叶うなんて嘘を初めから信じちゃいなかった”
 ―「Neighbourhood」


米津さんの曲にはそういう実直さや誠実さを感じる歌詞がたくさんある。
迷いや諦め、マイナスの気持ちもまっすぐに歌う歌詞も多い。



インタビューやブログでも、自然体で正直に、自分の弱い部分や戸惑いも全部話してくれているように感じる。


結局どうやってもわかりあえない。わかりあえたと思っても、すれ違いって必ずあるんですよ。そんな悲しさを描いているのが「vivi」ですね。それでいいんだと思ってます……。
(ナタリー『diorama』インタビュー)


一番印象に残っているインタビューだ。
ちょっと衝撃だった…インタビューでこういう言葉、初めて見た。
正直だな…と。
どんな人生を歩んできたんだろう…と切なくなった。
今までにないくらい、この人のことを知りたいと思った。


インタビューやブログを読むたびに、その思いは強くなった。

自分が作ったものに手を加えられるのが嫌だった
自分が感じる美しさは、世界共通のものではないっていうことに気づいた
最初はライブを楽しいと思ったことはなかった

取り繕っている感じがない。
心の内をさらけ出す強さ。
媚びない。

正直で誠実で強い人だなと。

そういう人だから過去も未来も間違いさえも肯定できるんだろうな…
自分の負の思いもまっすぐ受け止めて認める、そして変わっていく。
…そうありたいなと思う。


曲にもそういう部分が色濃く出ていると思う。
表面的な言葉じゃない、自分の深いところから出てきた言葉…
だから心に響くのだと。



米津さんのことを知るほどに信頼感はどんどん大きくなり…

とにかく考える人であると感じたし、
色々な物事に対して自分の考えを持っていることに感服し…

常に弱いほうに心を寄せてくれること
肯定してくれること
一人一人を尊重し押し付けない考え方、

対岸にいる人の声にも耳を傾ける冷静さ
打たれても凛として立っている強さがあるように感じられる安心感、

常に自分や周りを見つめながら進んでいる感じ
彼のすることは彼にとって何かの意味を持っているのだろうという信頼感、

音楽に対する真摯な姿勢や熱い思い
昔の自分に似た人間に対する眼差し…
そしてそれが変わらずブレないところ、

名前が大きくなっても変わらない謙虚さ
言葉を選びながら話す様子から伝わってくる律儀で真面目な人柄…

…挙げればきりがないが、
すべてのことが信頼に繋がっていくような気がした。


自分の中で、とにかく米津玄師という人への信頼、
人間性への信頼が半端ないんだと思う。

この人はどこまでも信じられる、という感覚。



彼を知るにつれ、信頼のほかにも気持ちはどんどん増えていく。

人と違うと感じうまく周りと関われない自分と大きな才能を信じる自分との狭間で長い時間を孤独の中で過ごしそれでも自分と戦い前を見てもがくように出てきた彼が愛おしく…
今までの道のりを知ると今の輝きがたまらなく大切に思えて…とにかく幸せでいてほしいと思うし、

お茶目な面を知ってしまうと可愛くてしかたないし、
日々の生活や食べ物には無頓着で過ごしてきたのだろう彼が愛おしくてしかたないし、
中から滲み出る雰囲気や佇まいに見惚れ、話す声にも聴き惚れ…

彼への気持ちは忙しい。


歌は人…

米津さんも、人間も含めて音楽だと言っていた。


個人的には誰が作ったのか想い馳せるところも含めて音楽だと感じている。
(米津玄師ブログ「つらつら」)


確かにそうだと思う。
その人の人格が信じられないとどんなにいい歌詞も入ってこない…

歌は人であるということを、米津さんに出会って改めて感じた。


もちろん歌詞には作った人の考え方や思想が出る。
でも今までは、歌詞を自分に重ねることはあっても、作った人自身と重ねることはあまりなかった。

米津さんに出会い、彼を知るにつれ、彼の歌は彼自身と重なり…

こんなに歌詞について考えることある?ってくらい歌詞の意味を考えたりもする。
歌詞の意味を考えることは米津さん自身について考えることであり…
いろいろと考えることは楽しい。


彼の歌詞には確かな光がある。


マイナスが大きければ大きいほど、プラスに向かう反動も強くなると信じてやまない。暗室にいるからこそ自分は迷わずに明るいものを見つめることができて、また渇望することができるんだと信じてやまない。
(米津玄師ブログ「LOSER」)


傷つきながらも、信じて、前を向いてきたのだと思う。

わかりあえない、うまく繋がれない
でも繋がろうとする
愛したい愛されたい
一人では生きていけないし
一人で生きちゃいけない
信じようとする…

そんな祈りのような思いや人間への大きな愛を彼の歌詞には感じるし、
どの曲にも米津さんの魂が確かに宿っているように思う。

その人が書いた歌詞だからこそ伝わる想いがある…
魂を削るように紡がれた言葉は心に響く。


この曲いいなあと聴いて、“人”まで辿り着かなかった人は、もしかしたら離れていくかもしれないし、曲も時間とともに流れていってしまうのかもしれないが、

米津玄師という“人”に辿り着き、知り、好きになった自分はもう彼から、彼の曲から離れることはないと思う。



米津玄師という“人”が好き。

でももし彼が漫画家だったとしたら、これほど惹かれていただろうか…
もし俳優だったら…

いろいろ想像しても、
やっぱり彼から出てくる音楽が好きなのだ。
彼の歌声が、聴きたいのだ。
彼自身から出てくる言葉に惹かれるのだ。


米津さんが音楽と出会ってくれてほんとによかった。
小5のときに家にインターネットがやってきてくれてありがとう そして音楽の道を選んでくれてありがとうという気持ち。



彼を知っていくと、
最近よく感じるのだが、

あらゆる角度から考え続け、いろんな所からいろんなものを摂取して自分に取り込み自ら変わっていくからだろうか…
どこか混沌としたイメージもある。

強さと弱さ
繊細さと大胆さ
穏やかさと熱、野心
内へと向かう“暗”と外へ向かう“明”
優しさ、諦め、信じようとする心…

もちろん知っているのは彼の一部だが、
いろんなことが心の深い所で作用しながらまさしくいろんな光を放つイメージ…

でもだからこそ魅力的なのだと思う。
人間としての魅力。


自分の商品的価値を毀損したいっていう気持ちがずーっとあったなあっていう。
振り返って考えた時に、そこが一本、通ってきたなっていう感じはします。
(ROCKIN’ON JAPAN 2023年1月号)

と自身も話していた。

ますます米津玄師という人は複雑に混ざり合い深みを増していく感じ。
一方で、確固たるものも浮き彫りになって、ますます研ぎ澄まされる感じもある。



来年はもっとカジュアルに、楽に楽しくやっていけたら…
と去年の末のインタビューで米津さんは話していた。

次々と新しい場所に行き、言葉どおり新しい世界を見せ続けてくれている米津さん。次はどんな世界を見せてくれるのだろうか…
これからさらに次のフェーズへと進化していくんだろか…
いろいろと楽しみでならない。

米津さんが行きたい方向へ行けますように、楽しめますように…
気持ちは近くで見守りながら、ついていきたい。


(読んでいただきありがとうございました)


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