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旅立ちは雨の日に

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#小説

旅立ちは雨の日に②

胸の真ん中から少し血が垂れている。
僕は確かに突き刺すつもりで振り下ろしたつもりだった。それでも何か時間が止まったのか流れが遅くなったのか包丁は少し肌を傷つけただけでその手前で止まっていた。こんな怪我なら校庭で擦り剥いたほうが血が出ていただろう。
何故止まったのだろう。
僕は確かに突き刺すつもりだった。

死ぬつもりだった
僕は自分を殺したかった。
もうどうしていいかわからなかった。

もうこの人

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旅立ちは雨の日に①

「これで最後かな。」
そう言って煙草の火を消す。
そしてゆっくりと深呼吸し口の中に残る煙草の香りと味を噛み締めて冷めた缶コーヒーを身体に流し込む。

「そういえばいつから煙草って吸い始めたっけ?」
「確か高校の途中ぐらいだったと思うよ」
「そういえば高校転校する時には吸ってたよな。」
「あれは転校じゃなくて留年したから高校辞めて通信に変えただけだろ。」
「実際卒業まで4年掛かってるし。」

そんな

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