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視界の端にあるもの

 ここ数年気が付けば目の端に何かが見えている。
 その黒い靄のようなものに焦点を当てると消えたり、端に移動したりして正面に見えたことがない。
 黒い靄がのようなものが見えるから病気かと思って眼科にもいったけど目に異常はないと診断された。


 視界の端が見えないわけじゃなくて、霞みがかって見えるだけだ。
 薬で治るわけじゃないし、暫く放っておいたら気がついたことがある。
だんだんと人の形になって行くんだ。
 どうやら最初は胎児のように丸まって見えたからただの靄にしかみえなくて、靄はどんどんと大きくなる。それと同時に手と足の形になって行く。
一旦私の身長と同じぐらいの大きさで成長が止まった。


 それでふとこんなことを思いついたんだ。
 こいつは私に成り代わろうとしているのではないか。
 馬鹿げた妄想かもしれないけど、靄はどんどんと手足を持つし今は顔の輪郭もはっきりしてきた。何となく鼻の高さもわかってきた気がする。
もし私の体の中に黒い奴が入ってきて乗っ取られたらどうなるんだろう。
そう思うと冷や汗が背中を伝う。


だれか何でもいいから教えて欲しい。お願いだ。

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