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1年ぶりに別居夫に再会した理由

1年と少し前、衝動的に私は娘を連れて、家を出た。そして、そのまま実家でずっと暮らしている。

とても、とても大変だった。小学生だった娘は急に学校を転校することになった。転校の手続きは数日ですませた。お友達や習い事の先生などにも、さようならを言わずに、貴重品だけ持ち、家を飛び出してきたので、煩雑な手続きが堪えた。

私は体調も壊していた。そんな中、婚姻費用調停、離婚調停、慰謝料請求、裁判とやることが山ほどあった。離婚は成立していないけれど、不倫の末の離婚は本当にめんどうだ。

そして、少しずつ日常を取り戻した。娘には「お父さんは単身赴任になった」ということにしているが、別居当初は、夫の話題はタブーとなってきた。

しかし、ある時娘が「こんな手紙が出てきたよ。」と私に見せてくれた手紙は、娘自身が昔夫へ宛てた手紙だった。その時に、つい私は聞いてしまった。「お父さんに会いたい?」と。

すると、娘は号泣。「どちらでもいい。」と口では言いながら、会いたいに決まってきた。娘はお父さんが大好きだった。もしかしたら、私よりも好きだったかもしれない。娘と夫を急に引き離してしまった自分を責めた。生まれてからずっと仲の良かった娘と夫。娘の喪失感は大きなものだっただろう。私も涙が堪えられなくなり、わんわん泣いた。

夫とA子が出会わなければ、私達家族はまだ一緒に暮らしていただろう。

平日の夜は、夫は娘に絵本を読んでやり、娘より先に寝落ちしてしまう。休みの日は家族で揃って、たいしたことない場所へ出かける。しょうもないことで喧嘩する。そんな平凡で、つまらくなくて、幸せな日々がまだ継続されていただろう。不倫さえなければ。

娘と私はわんわん泣いて、部屋を通りがかった母は驚いていた。

その日から、「お父さんと会えるように言ってみるね」と伝え、父親の話題もタブーにすることをやめ、娘と夫はLINEでやり取りをした。夫婦の揉め事に娘を巻き込むことはできない。もちろん、夫が娘に暴力を振るっていた等があれば、会うことはできないが、夫は娘を大事にしていた。娘も夫を好きだった。だから、私達夫婦は仲が悪くても、娘は夫と会うべきだし、娘の前では私は夫と笑顔で過ごすべきだと思った。

それは、もしかしたら間違いなのかもしれない。でも、私はそう判断した。

そのような経緯があり、私達家族は再会することになった。

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