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【仙台】最高の牛タンを探す旅~箱推しちゃんの遠征グルメ

その日、箱推しちゃんは推しのツアーに参加するために北に向かう新幹線に乗っていました。手元にはスマホ。血眼になって検索しているのは、そう、

牛タン


前日入りしたファンが観光と共に楽しんでいたのが杜の都仙台のグルメ。

中でも牛タンとビールという最高にTwitter映えする写真が次々にUPされています。これは、何としてでもおいしい牛タンを食べねばならない。

何しに行っているのか、完全に目的を見失ってる。

まずは食べログで検索

利久、喜助…。このあたりがどうも名店の様子。牛タン通りなんていうのもあるみたいだし、駅に着いたらどこかしらに入れるかな。

余裕をかましていた私の手元にこんなツイートが。

「仙台駅近辺の牛タン屋、どこも行列してます。行こうと思ったら駅から離れたほうがいいかも」

マジ?

お昼時に仙台駅に到着し、駅ビルのレストランフロアに急ぐと、ところどころに浮かぶ長い長い行列。

そう。

牛タン屋にだけ、大行列ができてる


緊急事態宣言が解除されたこともあり、東北一の都市、仙台にも大勢の人出が。その結果、名物に近隣からの観光客が殺到してしまったようです。

新宿さぼてんとか洋食浅草軒とかなら少し待てば入れそうですが、いや、私東京から来てるのに東京のものを食べるの…?

戸惑いながら各店のメニューを見ていて、気づいたことがありました。

牛タン屋じゃなくても牛タン食べられるぞ。

土地のものだからでしょうか、定食屋さんでも当たり前のように牛タンのメニューがあるのです。

ここで箱推しちゃんは作戦を変えました。

地元の人が入っている店に入ろう


牛タン屋は観光客が押し寄せていて、とても並んで食べられる時間はなさそうです。が、私はおいしい牛タンが食べられればいいわけで、ブランドは関係がありません。

また、地元の牛タンを食べ慣れている人にくっついて入れば、味で失敗することもそんなになさそう。

レストランフロアを眺め、服装や立ち居振る舞いから地元民と思われる人々が吸い込まれているお店を探し、1件のお店に目をつけました。

ひっつみ庵 仙台エスパル店

…君に決めた!

ほんのり北の言葉を話すご婦人にくっついてお店に入ることにしました。

(今見たらエスパルのサイトに「岩手白金豚の特別店。三陸の魚介類、江刺の米など、岩手の産直優良素材を用い“手作り料理”にこだわった店。」って書いてあって、この選択、合っていたような合っていなかったような…)

牛タンか?厚切り牛タンか?


さて、牛タン素人の私が次に悩んだのが「何を頼むか」ということ。
ここでチョイスを誤ったら元も子もありません。

牛タンのみならず海鮮なども豊富にありますが、ここは初志貫徹するとして、どちらを選ぶか…。

  • 牛タン塩焼き定食 1,470円

  • 厚切り牛タン定食(4枚) 2,340円

厚切りの方には「オススメ」ってシールがあるんだけど、ランチで払うには正直ドキドキする金額。しかも、ショーウィンドウにあったのは塩焼き定食なんだよ…!

でも本場で食べるチャンスなんて中々ないのでケチっても仕方がない…!

意を決してお店の人を呼びました。

「あの、人気なのって塩焼きと厚切り、どちらですか?」(全然意を決せていない)

「だったら塩焼き牛タン定食ですね」


「…じゃあ、それで!!!」

今日の命運をあっさり人任せにしてオーダー完了です。

周りを見渡すと、お休みの日に買い物に出かけてきたような友人同士やカップル、先ほどのご婦人方など、いかにも地元の人たちがくつろぎながら食事をしています。私は知っているのですが、こういう地元の人がなんてことなく立ち寄るお店はおいしいんです。勝利を確信して満足しておしぼりを開けました。

「おまたせしましたー、塩焼き牛タン定食です」

どん!

お米の量に驚愕したが

はい勝った!はいこれ絶対美味しい!

…ていうか、この麺なに?

麺…?

多分、関東でいうところのおみそ汁の役割を果たしていると思うのですが…。首をかしげながら口をつけたところ、上品なおすましの中に浮かぶのは温かいそうめん。

そうめん。

隣にごはんがあるのにそうめん。

炭水化物オン炭水化物。(ラーメンチャーハンセットの神奈川県民に言われたくないですよねすみません)

あとで東北出身の友人に聞いたのですが、どうもにゅうめんが出るのは東北では普通のことのようです。

ということで、本日のメインである牛タンを一切れ口に運びます。

あー、これ美味しい。

こりっとした歯ごたえの中にしっかりと牛タンのうまみ。かたすぎずやわらかすぎず、箸がぐいぐいと進む味です。塩味が一層うまみを引き出していて、これはもう、人気なのがよくわかる。

しみじみ美味しい。

無言でごはんと牛タンを往復し、大層満足してお店を出たのでした。

しかし、だ。

名店の牛タンもそれはそれで気になるんだよな


とはいえ、残念ながら箱推しちゃんは昼から夜までライブなので、今回は食べるチャンスがなさそうです。
観光もできてないので、また改めて仙台訪問するかな…。そんなことを考えながら本日のライブ会場、仙台GIGSへ向かいました。

・・・あるじゃん

写真では見切れていますが、この左側にあります

・・・仙台ではライブ会場に牛タン屋が併設されている。

やみつきホルモン利久 仙台GIGS荒井店

それぞれの土地で特色ある文化ってあるよなと思いますが、ライブハウスにも牛タン屋が併設されるのって仙台くらいじゃないでしょうか。

仙台っ子の牛タンに対する本気を見ました。

ライブが終わったらワンチャンここで名店の牛タンが食べられるのでは…?

淡い期待を胸にライブ会場に向かう箱推しちゃんでした。

なんでみんな普通の牛タンをオススメするんだろう?

さて、ライブ終わりに車で帰るという福島の友人を誘って半ば強引に利久へ。ここでビールを頼みつつ、箱推しちゃんはずっと疑問に思っていたことを店員さんに聞きました。

「メニューには高い厚切り牛タンもあるのに、どうして普通のをオススメされるんです?」

そう、ひっつみ庵に続き、ここ利久でも普通の薄切り牛タンを勧められたのです。

「厚切りだと牛タンの味はしっかりするんですけど、かなり噛み応えがあるので、好みが分かれるんですよ。味と食感のバランスがいいのは普通の牛タンですね」

店員さんに聞いておいてよかったー!!!

初見だと厚切りを頼んでしまいがちですが、そちらはあくまで通好みの商品なので、初心者はまずは薄切りタンのバランスが取れた味を楽しんでから厚切りにチャレンジするのがよさそうだと理解しました。

そして届いた牛タン。

(興奮しすぎて写真を取り忘れました)

おいしい!店員さんが言う通り、牛タンのうまみと歯ごたえのバランスが良く、あっさりした塩気も効いててビールが進む!

あきらめずにチャレンジしてよかった!と思わせる大満足の一品でした。

余談:荒井という町と震災と本田君と

ここからは余談です。箱推しちゃんは神奈川の埋め立て地出身でして、数㎞続く平らな土地を友達とスーパー(唯一の憩い)まで自転車で漕ぐ子供時代を過ごしました。

仙台GIGSがある荒井という町に降り立って最初に感じたのが「なんかうちの地元っぽいな」という感覚。真っ平らで比較的最近区画整備がされて、カフェもできたばかりのよう…。

新しい町なのかな、と思っていました。

東京に戻ってオタク仲間とチャットしている中で、あの町もすぐ近くまで津波が押し寄せていたのだということを知りました。

私が推しているOWV。リーダーの本田さんは福島県出身です。本田さんはナタリーの特集で以下のように話していました。

東日本大地震からもう10年だと思う方がいれば、まだ10年と思う方もいると思います。
ただ、10年という月日が経った今もまだ僕たちにやれることはたくさん残されています。
もちろんこれは福島だけではなくさまざまなところで被害に遭われた被災者の方々、被災地すべてにおいて言えることだと思います。

誰かが少しでも被災地のことを知り、小さくてもできることをするだけで、考えてくださるだけで、もう少しわかり合えたり支え合えたりできるんだと思います。
そして僕自身も、自分の地元であり大好きな福島のためにこれからも自分ができることを少しずつでもやっていけたらと思っています。

10年前の今日、何をしていましたか? ~ 東日本大震災10年特集 音楽ナタリー編

本田さんというのはとても情に厚く、涙もろい人です。結成1周年で泣き、メンバーの誕生日で泣き、OWV道のシーズン2決定で泣く、とても感受性の強い、温かい人です。

ツアーで仙台公演が決まった時、東北凱旋できて感極まって泣くんじゃないか。ファンの中ではそうした声もありました。

当日、本田さんは泣かなかった。

立ち向かわないといけない何かがある時、守らないといけない誰かがいる時、本田さんは泣かないんですよね。

まっすぐ前を見据えて、しっかり両足でステージを踏みしめて立っていた姿がとても印象的でした。

箱推しちゃんのイチオシ OWVはこんな人たち


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