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「難しい」からこそ、やるんだよ!!


アーティストって、つらたん

アーティストとして生きるのは、正直いって、大変だ。

「あなた、アーティストでしょ」という師匠の一言で、
突如アーティスト人生がスタートしてから、約2年半が経った。

後悔は一切していないし、若いうちに自分の生きる道を選べたのは感謝している。

でも、「アーティストになること」を人にお勧めできるかというと、
できない、という複雑な気持ちがある。

渋柿を食べてパニックになるニホンカモシカ

師匠について約2年半の間、どうして世の中にアーティストが少ないのか、嫌というほど分かった。

まず、アーティストになると、誰も先の保証をしてくれないうえに、社会的信用もなくなる。

そして、特に何かをしているわけではないのに、
嫌なことを言われたかと思えば、
利用されそうになったり、
知らないうちにタダ働きさせられることもある。

かといって、この苦しさは誰にも分かってもらえない。

アーティストって、結構辛い。

つらたん

しかし、師匠は、1989年からずっとアート活動を続けている。

今でもアート活動を続けるのは大変だが、
師匠がアート活動をはじめた当初は、もっと厳しかっただろう。

当時は「アーティスト」という存在が、全く認知されていなかった。

そのうえ、今ほど簡単に情報を手に入れることはできない。

師匠は、もともと「アートの“ア"の字もなかった」というほど、アートに関心がなかったのだが、
世界中を旅したとき、衝撃的なできごとを体験して、突如アーティストになろうと決めたという。

帰国後、「アーティストになる」と友人たちに話したところ、
肩をガッとつかまれて、「タカちゃん、しっかりしてよ!アーティストで食っていける人なんて、いないでしょ!」と言われたらしい。

しまいには、「あいつは頭がおかしくなったから、近づかないほうがいい」と陰口を言われ、友人や知り合いがサーッと引いていったのだという。

35年前の師匠の作品

アーティストがいない時代にアート活動をした、ということは、師匠は「先駆者」だ。

「先駆者」は常識に反する挑戦をするだけで、周囲から袋だたきにあうらしい。

悪いことはしていない。

それなのに、「頭がおかしい」とまで言われてしまう。

そんな理不尽なことはない。

それでも、やり通す理由って、いったい何なのだろう…

ドリームキラーの言い分

そう考えている時期に、ふと、ある本を読んだ。

それは、『奇跡のリンゴ』だ。

『奇跡のリンゴ』には、農薬は不可欠だといわれるリンゴ栽培において、
完全無農薬・無肥料のリンゴ栽培を可能にした農家・木村秋則さんの話が記されている。

私はこの本を読んだとき、率直に思ったことは、
「自分より辛い思いをした人が、師匠以外にいるんだ!!」ということだった。

木村さんは、無農薬でのリンゴ栽培を成功させるまで、約10年間、無収穫&無収入だったらしい。

その間、周囲から非難され続け、ついには実家の家族との付き合いもなくなったという。

それでも、無農薬のリンゴ栽培をやり通し、成功させた。

『奇跡のリンゴ』を読んで、木村さんの人生は、師匠の人生と似ているところがあるなと思った。

木村さんはアーティストではなくお百姓だが、「先駆者」であることは間違いない。

農薬を大量に使うのがあたり前とされるリンゴ栽培において、
その歴史に逆行するかのごとく、木村さんは無農薬でリンゴを栽培するということを始めた。

しかも、木村さんがいたのは、リンゴ農家に囲まれた青森の田舎。

保守的な田舎で、周りと真逆のことを始めたのだ。

友人だけでなく、家族からも避けられたと本に書かれていたが、どれだけの逆風があったことか…。

風当たり、強いねん


師匠も、アート活動を始めた当初は「頭がおかしくなった」と言われ、知り合いや友人がどんどん離れていった。

これは、「先駆者」あるある、らしい。

最初に、「難しいから」「できっこないから」という理由で非難にさらされて、周囲から止められそうになる。

こうした、夢を壊そうとしたり邪魔をしてくる人のことを、「ドリームキラー」と言うらしい。

「ドリームキラー」の言い分は、だいたい同じだ。

「他にやっている人がいないから、できない」
「難しいから、やめておきなさい」

では、こうした言い分は正しかったのか?

というと、正しくなかった。

なぜなら、師匠は今日までアート活動を続けているし、
木村さんも無農薬でのリンゴ栽培を実現させたからだ。

あれれ?おかしいぞ〜

アート活動を続けることも、無農薬でリンゴを育てるのも、
他の人が検討したり、試みたことはあったかもしれない。

それでも「実行しつづけた」人がいなかったのには、ワケがある。

少なくともアートにおいては、先の保証がなければ、社会的信用もなく、言われたい放題。

そして、気を抜けば、利用されるという苦難の道…。

木村さんも、無農薬でのリンゴ栽培をはじめて、約10年間は無収穫・無収入だったという。

誰もやってないことを何十年もやり通すには、ヤワな精神ではもたない。

けして、「楽」な道ではないことは確かだ。

難しいからできません???

それでも、「難しいからやめておきなさい」というのは、やっぱり違和感がある。

今では、師匠に面とむかって、そのようなことを言うひとはいない。

ただ、自分からアドバイスを求めたくせに「難しいからできません」と言ってやらない人はいる。

…「難しいから、できません」???

この言葉を聞くたびに、モヤモヤする。

そもそも、どうして「難しい」と思うのだろう?

改めて考えてみると、「難しい」と思うことには二つ要素がある。

①前例がなく、誰もやってことがない、もしくは、周囲にやっている人がいない

②自分がやったことがない

逆に「簡単だ」と思っていることは、

・すでに多くの人がやっている
・自分もすでにやっている

という場合が多い。

ということは、「難しいから、やめておきなさい」という言い分は、
単に、周りにやっているひとがいないうえに、自分もやったことがないから「難しい」といっているのだ。

名古屋でライブペインティングをやったときの師匠

しかし、師匠は今日までアート活動を続けているし、木村さんもリンゴを無農薬で栽培できた。

つまり、「やっている人がいないから」といって、
「できない」というわけではなかった。

ということは、「難しい=実現不可能」ということではなくて、
「実現できる」という実感がもてないというだけだ。

でも、それって……ただの感想じゃん。

思えば、師匠も私も「難しいから、できない」と言ったことがない。

やってみて「できなかった」「難しかった」というのは、まだ、筋が通る。

でも、やってもいないのに「実現できるという実感がもてない」からといって、
「できない」というのは筋が通らない。

まして、人に教えやアドバイスを求めておきながら、「難しいと思うから、できません」は言い訳にならない。

難しいことこそ、やるべき

確かに、アート活動を続けていくのは、「簡単」ではない。

しかし、これは逆にいえば、チャンスだ。

最近、いろんな方の話を聞いていて思う。

世の中が激変したのか、これまでの常識が通用しなくなってきている。

ということは、今までの常識に縛られていると、いろんな意味で苦しくなってしまうのではないか。

これからの世の中を生き残っていくには、新しいこと、
つまり、自分も他人もやったことないようなことを、どんどんやっていかないといけない。

「難しい」と思うことは、

①前例がなく、誰もやったことがない、もしくは、周囲にやっている人がいない

②自分がやったことがない


この二つの要素がある。

実行している人がいない、自分もやったことがないことは、まさに未知数。

前例のないことをやるのは大変だが、
未来への可能性はあふれるほどある。

と、いうことは…?

「難しい」ことほど、チャンスがあるということだ。

実際に、師匠も木村さんも、大変な思いをされただろうが、やり通したからこそ、未来の道を開けたのだ。

師匠がバリで撮ったダブルレインボー

私は、はっとした。

「難しいから、やらない」というのは、やはり、間違っている。

「難しいからこそ、やるべき」が正解だ。

なぜなら、「難しい」と思うことほど、新しい可能性があるから。

そこに気がついたとき、
今まで辛かったことや、理解してもらえなくて孤独に感じたり、世間体を気にしていたことが、
急にバカバカしく感じた。

「難しい」
「理解ができない」
「できっこない」

そう言われるのは、あたり前。

未来にむかって行動しているのだから、
理解もされず、孤独なのはあたり前だ。

逆に、簡単に理解されたら、自分のやっていることが本当に未来に向かっているのか、疑ったほうがいい。

そして、誰もやり通したことがないことをやるのが、苦しいのもあたり前。

苦しい=正義というわけではないが、
悩みぬいて、のたうち回ってこそ、だせる答えがあるのは確かだ。

「アーティストは理解されちゃいけない。」

師匠の言っている意味が、ようやく分かった。

あーあ、真剣に悩みすぎて損した。
何かが、吹っ切れた。

アーティストの道は大変だ。

これから、どんなことが起こるのかも、全く想像ができない。

すでに、バリ、インド、ニューヨークでの展覧会の企画が立ち上がっている。

ビビりな私は、未知の可能性に身震いしているが、
そう思うなら、積極的に身を投じるべきだ。

やっちゃえ、やっちゃえ。

今しかないぞ。

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