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ニホンカモシカに学ぶ「生き残り」のヒント

時代を超えてきた生き物

私は、ニホンカモシカが好きだ。

しかも、ほぼ毎日、ニホンカモシカに出会っている。

たまたま、今住んでいる家の周辺が、ニホンカモシカのテリトリーらしく、
家の敷地内に、ニホンカモシカたちがやってくる。

でも、ニホンカモシカは、私のペットでもなければ、家畜でもない。

あくまで、彼らは、野生動物だ。

しかも、ニホンカモシカは、特別天然記念物に指定されている。

マヌケそうな顔をしているが、実は「氷河期からの生き残り」と言われている。

はるか昔から、日本列島に生息しているらしい。

そして、原始的な形態を今日まで維持している。

つまり、ニホンカモシカは、時代を超えて「生き残ってきた」動物だ。

しかも、形態を変えずに。

ニホンカモシカの「かも吉」

カモシカのもつ「生き残り」のヒント

私は、家にやってくるニホンカモシカたちを見るたびに考える。

「どうして、彼らは『生き残って』これたのだろう?」

私には、「死ぬまで、アート活動を続ける」という目標がある。

波乱の世界情勢のなか、「アート」という難しい分野で、生きていかなくてはいけない。

私は、ありがたいことに、素晴らしい師匠に恵まれているが、
それでも、アーティストして生きるのがどれほど大変なことなのか、日々、痛感している。

「どうしたら、生き残れるのか?」 

「どうやったら、アーティストとして、生きていけるんだろう?」

毎日、考える。

私の作品。渋柿を食べるニホンカモシカの子供を描いた。

だからこそ、氷河期から形態を変えずに「生き残ってきた」ニホンカモシカたちが、
気になって仕方がないのだ。

彼らには、必ず「生き残り」のヒントがあるはず。

そう思って、ニホンカモシカたちを観察してきた。

じっくりと観察するクセ

彼らは、面白い。

わたしたちニンゲンに対する態度が、
他の動物と明らかに、ちがう。

ニホンカモシカの他にも、いろんな野生動物がくるが、
私たちニンゲンに対しては、"二通り"の態度をとる。

こびて飯をねだるか、
怖がって逃げてしまうか。

庭にやってきた野ウサギ

しかし、ニホンカモシカの態度は、どちらでもない。

けして、こちらに懐くことも、媚びることもない。

そのかわり、草を食べながら、こちらをじぃっと見てくる。

警戒はしているようだが、とにかく、こちらを観察してくるのだ。

こちらをのぞきこむニホンカモシカの子供

ニホンカモシカの「チャレンジ精神」

また、ニホンカモシカについて、気になるポイントが、もう一つある。

それは、彼らが、じつに多くの種類の植物を食べることだ。

家に来るニホンカモシカたちは、口が届く高さにあるものなら、なんでも食べる。

秋は、地面に落ちた渋柿も食べていた。

食べてみたら「意外とイケる口」だったらしく、
その日以来、地面の渋柿を彼らが全て食べるようになった。

つまり、はじめて見た植物でもトライする心意気が、彼らにはあるのだ。

渋柿を食べてパニックになるニホンカモシカの子供

つまり、ニホンカモシカは、他の動物に比べて、好奇心が強い。

だからこそ、彼らは、ニンゲンをよく観察するし、
いろんな植物にトライする。

ということは、「好奇心」が、ニホンカモシカの「生き残り」に影響しているのだろうか?

好奇心の強い方たち

思えば、師匠も還暦を過ぎているのに、異常に「好奇心」が強い。

師匠は、現役の現代アート作家なのだが、アート以外のことでも、なんでも興味をもつ。

今年の秋ごろから、パン作りにハマっているらしく、よくパンを作っている。

おかげで、師匠のパン作りの腕はぐんぐん向上し、
今では、お店のパンよりも美味しいパンを焼く。

師匠の絶品手づくりパン

何歳になっても、いろんなことに興味をもち、新たなことに挑戦していく心意気。

アートという厳しい業界のなかで、35年も「生き残ってきた」師匠の「好奇心」には、いつも感服する。

制作中の師匠

また、師匠だけでなく、師匠のまわりの方も「好奇心」が強い。

銀座に展覧会にいったとき、師匠と長年のお付き合いのある方々にお会いした。

そのなかで、ご多忙なのに、わざわざお時間を取って、展示を見に来てくれた方がいた。

その方は、展示を見てくださった方のなかで、もっとも滞在時間が短かった。

にもかかわらず、もっとも多くの質問をしてくださったのだ。

ニホンカモシカの糞で作った私の作品。

また、別の社長さんにお会いしたとき。

その方は、師匠よりもお年を召した方なのだが、
「今朝、新しいアイデア思い浮かんだんだ!」と楽しげにお話をしてくださった。

……飽くなき好奇心!

ニホンカモシカにおいても、
師匠においても、
師匠のお知り合いにおいても、

とにかく、好奇心が強い。

それも、ニホンカモシカは、形態を変えずに「生き残って」きたし、

師匠や師匠のお知り合いは、ひとつのことをやり通してきた方ばかりだ。

「好奇心」がもたらすメリット

そんな「好奇心」が異様に強い師匠は、
「チャンスを逃すこと」を厳しくとりしまる。

「機会損失は、絶対に避けなければいけない」

「機会損失」は、師匠がよく言う言葉だ。

「機会損失」とは、本来ならもっと利益を出せたのに、
取るべき行動をとらなかったことによって、生じる損失のこと。

つまり、「機会損失」とは、「チャンスを逃す」ということだ。

逃げ去るニホンカモシカのケツ

師匠は「チャンス」にこだわる。

師匠は、どれだけ大変な状況に陥っても、「チャンス」をとりにいく。

たとえ、時間とお金がなかったとしても。

師匠「『時間がないから、やらない』『お金がないから、やらない』は、理由にならない。」

そう言って、必ず「チャンス」を掴みにいく。「機会損失をしない」ために。

庭木を食べるニホンカモシカ

ニホンカモシカの場合は、持ち前の「強い好奇心」から、さまざまな植物を口にする。

ニホンカモシカは彼らなりに、好みがあるらしく、食べない植物もあるが、
「これ、いけるぞ!!」と思ったら、バクバク食べる。

でも、一度食べてみなければ、その植物が食べられるかどうかも、美味しいのかどうかも、
一生分からない。

まずは、トライしてみる。

そうすることによって、ニホンカモシカは自分が食べれる植物をみつけて、
「機会損失」を避けているのかもしれない。

おわりに

師匠は、言う。

「まずは、やってみること」

確かに、生き残るヒトや生き物は、チャレンジ精神が強い。

ただ、「やってみよう」と思うまえに、
「興味をもつ」ということをしなれば、行動には移せない。

「あれ、面白そう」
「試してみようかな」

日頃から色々なことに「好奇心」を持たなければ、チャレンジ精神は生まれない。

そして、チャレンジ精神がなければ、チャンスを掴めない。

私は師匠に会う前は、ごく限られたものにしか関心をもたなかった。

しかし、師匠や周りの方のおかげで、少しずつ、興味のあることが増えてきた。

おかげで、運転、料理、草刈り、動画編集、イラスト作成、制作、ライティング、ネットショップ、ネットサイト作成、写真撮影など、

気がついたら、短期間でおおくのスキルが身についてきた。

また、一つのことに興味をもったり、できることが増えると、
さらに、関心ごとが増えてくる。

去年は咲かなかった桜の花

師匠「これからの時代、アーティストは何でも自分でできるようにしないといけない」

師匠はたくさんのことに興味をもって、
「なんでもできる星人」となり、
アーティストとして「生き残って」きたのかもしれない。

つまり、「好奇心」は、様々なことにトライしていく経験と習慣を育み、
チャンスを生み、
そのチャンスが、ヒトを生かす。

私も、ニホンカモシカや師匠にならって、「好奇心」を大切にし続けたい。

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