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感覚にも、力にも、太さ・細さがある

押さえられた手を上げたり、崩し合いをしたりするときに、相手と押し合う状態になるわけです。
最初の頃と比べて、その時の感覚が変わってきたと感じています。

・力の幅

稽古を始めた頃は、柾目返し(片手の合気上げ)のときは、腕全体を押さえられているように感じていました。
それが今は、腕のどこに力がかかっているか、わりとピンポイントで感じられます。感じとって、その部分を外してこちらの力を通してゆくこともできるようになってきました。

相手の力も、自分の力も、細く感じるようになってきました。
この、力の太さ・細さには、感覚神経の問題と運動神経の問題があります。

・力の感覚は筋肉で感じる

受けている力の方向を感じるのは、筋肉の中にある筋紡錘と、腱の中にある腱紡錘。引き伸ばされることによって力を測定しています。
この2つ、筋肉が緩んでいると力が伝わってこないので、測定できません(たるんだロープを引っ張っても力が伝わらないのと同じ)。
もちろん、強すぎても感度が落ちます。
適度な張りを保っている「働いている筋肉」だけが適切に測定することができるのです。

そして、筋肉はそれぞれついている場所も方向も違います。働いている筋肉が少ないと、どうしても測定できる方向とできない方向ができて、正確な方向をつかめなくなるのです。

・運動はそれぞれの筋肉で起こる

筋肉は、付いている場所も方向も違う
この理屈は、運動側でも同じです。

解剖学者の養老孟司氏が、
「人間の筋肉はどうしてこれほどに細かく分かれているのだろう」
と書いていたほど筋肉は多いのですが、別の筋肉は、それぞれ別の方向への力を出すから、分かれているのです。

使える筋肉の数が少なければ、全体として同じ大きさの力を出していても、動きの方向がシンプルになってしまいます。
例えるなら、テントの張り綱が少ないようなもので、一つの方向に強くても、ズレた方向への対応に鈍くなってしまうのです。

関節も、筋肉も、ある程度の数が使えないと、感じるにも、動くにも、いろいろ不利ですね。
あと、人によっては仕事も(私のこと。最近は便利に使ってます)。

やっぱり、筋肉や関節の多様性を増やしてゆきたいものですね。

八起堂治療院ホームページ https://www.hakkidou.jp/


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