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[0からのデザフェス出展]2.ペルソナ像を具体化してみる(マーケティング編)

1.ターゲットの購買行動を探る

①店舗に出向いて調査する

大まかに属性や方向性が設定できたものの、具体的な商材に絞るまでは全く至っていません。
私自身は、ターゲット層の趣向性とやや被る程度の男性であり、ターゲットの趣向がほぼ分からない or 大きく勘違いをしている可能性があります。こうした、初めてのマーケットや商材選びで間違えてはいけないことは「無知の知」だと思っています。知らないことを前提に、なるべくフラットな目線を心がけて、仮定のニーズを探る作業に入っていきます。

私は下記の様な流れで、商品候補を探ることにしました。

初めての海外旅行の如く、「知らない」を前提としてガツガツ調べる(筆者作成)

具体的なアクションとしては下記の通りです。

  • 情報収集①:WEBやSNS、雑誌等の各種媒体を漁る

  • 情報収集②:近しい既存のブランドや店舗を挙げ、実際の店舗や顧客層等を観察する(ペルソナ像を明確化させる)

  • ニーズ調査:ペルソナ像に近い方へインタビューを行う

先ずは、書店の雑誌コーナーに行きました。設定客層がデザフェス会場で見ていそうな、或いは、買いそうな品や世界観に近いジャンルの雑誌を探し、商材のヒントを得る為です。デザフェス会場には、例えば「ハンドメイドアクセサリー」や「オリジナルのアパレル」、「木製の食器」、「オリジナリティ溢れる陶磁器」、「謎のカワイイキャラクターとグッズ」、「個性的なアートや写真集」等がたくさん並んでいます。ジャンル自体は様々です。
雑誌の編集者は常に読者層のトレンドや購買行動を研究しているので、合致する雑誌を見つけることができれば、正に、教科書となります
また、WEB検索等ではどうしてもキーワード検索や、アカウントのパーソナライズ等によるフィルターがかかる為、「私向けではない層の情報収集」、に向かない(手探りの調査がしにくい)と考えています。
できれば複数店舗、片っ端から立ち読みすると良いですし、地域の本屋よりは、大型の駅や街等の、幅広い客層を相手にしなければならない書店や、ターゲット層が明確であれば、彼らが来そうな書店で探すと、「ドンピシャ」が見つけやすかったです。同時に、来店している顧客を観察することでペルソナ像を掴むこともできました。

[ざっくり] ペルソナ:居そうな書店(例)

  • ビジネスマンのオジサン:丸の内の丸善

  • 暇なオジサン:交通会館の三省堂

  • 趣味人のオジサン:神保町の三省堂

  • オタク女子全般:アニメイト池袋本店

  • 大人オシャレ女子:代官山蔦屋書店

第一段階の調査ですが、割といきなりドンピシャな本や客層に当てはまることがあります。ただし、自身が客層に対して「無知」であることを念頭に、あくまでも幅広い情報収集を行う目線で活動すると良いと思います。
実際に私は都内の書店や郊外のショッピングモール(イオンとか)内の書店等を巡り、雑誌をめくり、客の持ち物を観察し、時には当該客層の購買の様子も観察していました。(不審者に間違われたり、迷惑にならないように注意)
当然ながら、例えば代官山蔦屋書店に行って見るべきものは、うさん臭いコミックではありません。場所と客層、品物をリンクさせる観察眼は一定程度必要です。

代官山蔦屋書店で見つけた本。カバーがやぶれていて、オシャレとは言い難い。(筆者撮影)
書評はこちら

私は彼女らと異なる属性ですが、何となく、興味の対象や欲しいモノ、困りごとや痒いところ等が見えてきた気がしました。
また、「コレなら私でもイケるかも」という、商品候補をストックしていきました。

②おまけ:実際に調査してみた学び(一部)

わかりやすい調査結果の一例(抽象的な概念を含む)として、男性誌の場合は「男らしいアイテム」や「ON/OFFで使いまわせるアイテム」等、男性自身の主観の記載が目立つ気がしましたが、女性誌では「使える贈り物/手土産」や「モテる/〇〇受け」等、女性は極めて社会性の高い(相手主体の)言葉が多いように見受けられました。私が男性だからかもしれませんが、非常に勉強になった点です。女性が男性を研究する際は、逆のことを実行すると、入り口の情報収集になりそうですね。
実際、私はターゲット層と比べ、ギフトを買う回数が圧倒的に少ないことに気づきました。個人差はあると思いますが、例えば恋人や奥さんに数万~のプレゼントしたり、5,000~10,000円くらいで結婚祝いを購入することはあっても、1,000~3,000円くらいの、ちょっとした「ありがとうギフト」等を買うことはほぼありません。
経験と特徴では、同属性の女性は「3,000円以下くらいの商品では財布が緩い」とみることができるかもしれません。「3,000円以下の商材の接客やギフトに慣れていてシビア」という見方もできるかもしれません。逆に、私や、似た属性の男性は「5,000円以下の商材の差異に鈍感」である可能性もあるかもしれません。
考え始めるとキリがありませんし、私の場合、物価高の影響もあってか、3,000円~7,000円以下くらいの幅にかなり鈍感になっている気がします。
(田舎出身のケチケチ生活だったくせに・・・)

2.ペルソナを設定し、ニーズを調査する

①ヨソの顧客のペルソナを借りる

大まかにトレンド感を掴んだところで、同属性と思しき知人へ複数、インタビューを実施しました。
インタビュー相手を選ぶ際には、より具体的なペルソナの絞り込みを行います。私の場合、当初は「無印良品のヘビーユーザー」を想定していました。これらの客層を分析し、彼らのニーズや潜在ニーズを調査し、彼らに刺さる商品を作ることになるため、ある程度慎重且つ、じっくりに考える必要があります。「無印良品の来店客内でも商材で客層が異なる」ことや、「中川政七商店とはちょっと客層が違う」こと、「お料理好きだと、カルディともやや被る」こと等、一見、男性の私からは同じ様に見えてしまっていたのですが、この「ちょっと違う」が、どの様に違うのかを考えました。

私の想定客層を多少無理やりに言語化すると、下記の様な特徴が挙げられます。
極めて偏見の塊の様なコメントですのでご容赦頂ければ幸いです。

  • シンプルで素材感を楽しみたい

  • 産地や生産者が想像しやすいと嬉しい(買っちゃう)

  • 成分にこだわりたい(が、自分では判断はできないことも多い)

  • 何となく安心感がある/良い物っぽいと嬉しい(買っちゃう)

  • トレンドに左右されたく無い

  • 自分らしくありたい

  • ユニクロや100均、300均等では買えないくらいの品質が良い

  • 高すぎると買いたくない/買えない

  • お得だと嬉しい(買っちゃう)

結論から言うと、かなりハマりました
但し、あくまでも上記は、1回目の出展時のモノです。1回目の出展と2回目の出展では軌道修正を行いました
商品の磨き上げや変更、経験値の獲得、環境としても、来場者&イベント自体の床の増加等も相まった為、戦略のみの成果ではないものの、2回目は正にドンピシャだったと思います。
(2回目の記事にて詳細に記載する予定)

②インタビューを実施

整理できたペルソナ像に近い方へ、インタビューをして生の声を収集・調査しました。本当は実際に無印良品で部屋を固めている女性が良いのですが、当然ながら……
「あなたは私の適正ターゲット層の可能性があります。おうちは無印良品で溢れていますか?」
なんて聞くことはできません。

無印良品でたくさんお買い物をしている人へ……
「たくさんお買い物をしたようですね。お荷物を持ちますから少しお話を伺いたいのですが、いかがでしょうか。お茶は無印良品で買いましょう」
と聞いてしまうと、逆に私が狭い部屋でオジサンに事情をお話しをするハメになりかねません。
仕方がないので、職場で、無印良品を多少持っていてもおかしくなさそうな女性数名にヒアリングを行いました。(正確にはドリンクを奢る代わりに10分だけお話をしていただきました)

得られた情報は主に下記の様な内容です。

  • コロナでおうちに居るからことが多い(2021年時点)

  • 平日はネフリで十分楽しいが、週末は流石に暇(2021年時点)

  • SNS映えするものがあるととりあえず有難いが、一生懸命探す気はない(しんどい)

  • 最近アルコール除菌スプレーで手が乾燥したりかさつく(2021年時点)

  • 旅先で遊んでいた体験みたいなことを都内で探すことがある(陶芸とかちょっとしたアクティビティとか。アソビューは最近あんま見ないけど旅行の時は見ていた)

  • 贈り物探しや購入に毎回時間と労力を費やしている(めんどくさいからちょうどいい物をなんならストックしたい)

  • デザフェスってイベントは面白そうだから友達と2人くらいで行けたら良さそう(チケット代を出して欲しいがお前のブースに行くかはわからない)

  • お前がよく扱っている地域の良いものとかは興味があるが、詳しくは知らないし何が欲しいかも良いかもわからないから結局は知らないままである

また、実はヒアリングの時点である程度商品の目星をつけていましたので、そのあたりのお話は次回以降の記事にてご紹介したいと思います。

今後は、可能な範囲で収支表やWBS(実施までのタスク管理表のようなもの)などの掲載も考えています。

ご感想やご要望などをお気軽にいただければ嬉しいです。
ではまた!

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