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【2023年05月】読書記録と思考記録

真の「利他」は思いがけず生じるものである


先日手に取った『「利他」とは何か』という本がとても学びになった。

真の「利他」とはしようと思ってできるものではなく、結果的にできてしまっているものである、というのが、本書の要点だ。

  • 「利他」的なことをしようとすると、その背後には必然的に「これをすれば相手は喜ぶはず」という自分の思いが含まれてしまう

  • 相手が想定通りの反応をしなかった場合、思いは「相手は喜ぶべきだ」という支配欲に変化しかねず、それは真の「利他」とは言えない

  • 相手の反応とは無縁の「利己」的な行動が、結果として相手のためになってしまっている状態こそが、真の「利他」である

著者の1人である中島岳志さんの著書『思いがけず利他』というタイトルが、その本質を端的に表している。

とはいえ、「利己」的な行動が結果的に「利他」につながるようなレベルに至るには、人としてかなり成熟している必要があるように思う。
マズローの欲求階層で言えば5段階目(自己実現)か6段階目(自己超越)だろうか。
絶えず自己成長・自己刷新を続け、たとえ意識的だとしても「利他」につながる行動を積み重ねた先にしか、「利己=利他」の境地はないのだろうなと、他にもいろいろと読みながら考えていた。

5月の読了書籍


『「利他」とは何か』

「利己」の結果思いがけず生じるものが真の「利他」である

『なぜ部下とうまくいかないのか』

自己探求を続け、自己の「器」を成長させ続けよ

『マズローを読む』

B価値の追求による自利利他実現の境地が自己超越

『決定版 感じない男』

男は自覚無く不感症に陥ってしまっている

『無痛文明論』

自己の深層アイデンティティの解体が無痛文明解体の第一歩

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』

自分のみっともなさを受け入れると生きやすくなる

『それでも女をやっていく』

ジェンダー/セックスを背負う/背負い投げる選択の自由を

『愛』

自分を愛するためには自己客観視+他者承認が必要

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