オリンパス科学事業を売却のニュースを見て思うこと
今日ヤフーニュースでオリンパスの科学事業売却が出ていましたね。
---以下引用----
オリンパスは29日、生物顕微鏡などの科学事業を米投資ファンドのベインキャピタルに売却すると発表した。
売却額は約4276億円。同事業はオリンパスの祖業に当たるが、今後大幅な成長が見込めないと判断、内視鏡や治療機器などの医療分野に資源を集中させる。
---引用終わり---
カメラを趣味としている人ならご存知かと思いますが、オリンパスはデジタルカメラ事業を2021年1月に日本産業パートナーズへ売却しています。
今回の対象は生物顕微鏡とからしい。。。あまり詳しい事は分かりませんが(^^;)
オリンパスは今後は医療分野に特化するみたいですねー。
ただ、私的な意見ですが、オリンパスはデジカメ事業をいずれまたオリンパスへ呼び戻すのではないかと思っています。
明確ではないですが曖昧な根拠を今からご説明します。お暇な方はご一読のほど(^^;)
オリンパスのデジ一眼といえばマイクロフォーサーズです。デジ一眼立ち上げ時はフォーサーズでしたが、その後マイクロフォーサーズに移行してきました。
その時一緒にパートナーを組んだのがパナソニックなのは皆さんご存知の通り。
「今後はこの2社で一緒にマイクロフォーサーズを推進し、デジ一眼市場の一角を担う」というのが当初の目論見でした。
カメラマウントの次世代覇権を狙うのに、キャノンニコン2強に加えてソニーも市場参入していた頃でしたから、オリンパスとしては何としても協力パートナーが必要でした。そしてそれはこれからデジ一眼市場に打って出るパナソニックにしても同じ。2社の思惑は一致します。
当初はかなりいい感じだった印象があります。
パナソニックの販売力もさる事ながら、オリンパスの光学補正だけで高画質を実現するの言葉通り写りはかなり良かった印象。
その後他社が反撃に出て、「いややっぱセンサーサイズデカくないと駄目っしょキャンペーン」でかなり劣勢に立たされますが、何しろ通常1社から出てくるカメラやレンズの新規発売が2社から出てくるので、いつも新製品ラッシュ!これはユーザーにとってはとても刺激的でした。
がしかし、上述のネガティブキャンペーンが功を奏し、次第に時代はフルサイズへ(^^;)
(勿論センサーの小ささに起因する性能の低さも原因にはあった)
ここでパナソニックが色気を出してくる(^^;)
「やっぱフルサイズやないと今後はカメラ売れへん可能性あるなー。かと言って今更マイクロフォーサーズ辞めるとも言えんし。。。かと言って単独でフルサイズ売りに出しても売れんやろうしなー。。。。どうしよ?」
結果、パナソニックはライカとレンズメーカーのシグマと3社共同でライカのLマウントを推進することに。事実上のフルサイズカメラ市場への参戦表明です。
パナソニックはこういった政治的な駆け引きがわりと(最初は)上手いです。
そこで頭に来たのがオリンパス。
「お前これからは頑張ってマイクロフォーサーズ推進して行きましょうて言うとったやんけ。なんで売上に目がくらんでフルサイズ出しとんねん!キィー」
そこでオリンパスは考えます。
実はオリンパスには最終兵器が(^^;)
カメラ趣味の方ならご存知かと思いますが、SSWFです。
SuperSonicWaveFilterの頭文字を取ったものです。
これはカメラのセンサー全面に装着されていて、ゴミとかを超音波で取り除くために使用されるものなのですが、デジカメにとってこれはキーデバイスと言ってもいいぐらい必要なものです。
ニコンやキャノンをはじめ他社でも搭載されていますが、ゴミを取り除く能力としてはSSWFが頭一つ抜けているというほど優れものです。これはオリンパスのデジタルカメラ使ったことある人ならご理解いただけると思いますが。。。。
マイクロフォーサーズ協業の際、オリンパスはパナソニックにこの虎の子の技術を供与します。
それはおそらく協業の条件だったのかもしれません(内部の人間ではないので本当にそうかどうかは分かりませんが)
しかし、マイクロフォーサーズを半分見放してフルサイズのカメラに移行するのであれば話が違う!今後は袂を分かつしかない!しかし、パナソニックもうまいものでマイクロフォーサーズの製品は今後も発売予定なので別にオリンパスを裏切ったわけでもない。だからこのままの関係で続けて頂戴ね~という愛人契約のような関係!
オリンパスは考えます。うーん、この憎きパナソニックに一泡吹かせたい!どうしてやろう!
そうや、オリンパス本体からカメラ事業だけ別会社にしたら、以前のオリンパス対パナソニックの契約は無効になるんちゃうか!そうしたらSSWFも無理やりパナソニックに供給する義務もなくなるんちゃうか!
そうして2021年1月、オリンパスはデジタルカメラ事業を「OMデジタルソリューション株式会社」として独立させます。
ここまでは事実に基づく想像ですが、ここからは事実。
以降発売されたパナソニックのデジタル一眼カメラにはSSWFは一台も使われていません。
おそらくオリンパスもしくはOM側からSSWFの使用許諾が却下されたのでしょう。
それが理由かどうかはわかりませんが、Lマウントアライアンスのカメラは今ひとつパッとしない。
正直な話、SSWFがフルサイズのカメラに使われていたら、私も移行していたかもしれません。
(SSWFの効果はそれぐらいすごいんです。実感として)
でも、SSWFクラスのゴミ除去機能がないフルサイズなんて使う気もありません。毎回毎回パソコンに取り込んで一個づつゴミ除去するなんて考えられませんからねー。
つまり、オリンパスとしてはマイクロフォーサーズを蔑ろにするパナソニックにSSWFを使わせないためだけに独立した(させた?)とも取れるのです。あくまで想像ですが。。。
オリンパスは内視鏡で世界の70%近くのシェアがありますが、内視鏡のフォーカス移動や、暗い体内で使い物になる明るいレンズの制作など、カメラ事業とのシナジーはまだまだあると思います。
OMデジタルソリューションの今後次第ですが、もし私の仮説が合っていれば、オリンパスがOMデジタルソリューションを買収する形でもとに戻るのかもしれませんねー。
日本にカメラメーカーなんていくつもいらねーだろーという人もいますが、存続が可能なのであればいくつもあって欲しいと思う筆者でした(^^;)
頑張れOMデジタルソリューションズ!
今日貼り付けた写真は全てオリンパスのデジタルカメラで撮影したものです。
※全て筆者の個人的な見解です(^^;)
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