「やりたいこと」と「できないこと」のあいだ
10月からパートで働くことになりました。
本格的に社会復帰を考え始めたのが2021年の10月ごろ。
その間びっちり就職活動をしていた訳ではなく、紆余曲折ありました。
決め手は、「やりたいこと」と「できないこと」のあいだ=「できること」を探したからでした。
7年仕事から離れていた間のこと、社会復帰に向けてのことを振り返ってみます。
育児ノイローゼでそれどころじゃなかった期
初めての育児うんぬんでなく、私はきっと乳児期の子どもとすこぶる相性が悪かったのでしょう。
息子が年中児になり、おむつが外れるまで、育児ノイローゼに散々振り回されてきました。
詳細は振り返るとつらいので省略します。
涙が止まらなくて家事ができない日もあれば、不安定なあまり家族を悲しませてひとり実家で療養、過食だった時期もありました。
産後の母親の状態は人それぞれです。
身体へのダメージはもちろん誰にでもありますが、私は精神面において浮き沈みがかなり激しいほうでした。
息子が幼稚園に入園するまでは2年間母子通園をしていたのもあり、働く余裕は時間の面でも、精神的な面でもありませんでした。
Webライターへの挑戦と挫折期
息子が年少児になったのを機にnoteを始めました。
noteはライターの方が多く、コロナ禍で在宅ワークが急速に広まっていった時期でもありました。
文章に携わる仕事がしたいと常々思っていた私は、Webライターについて独学で勉強をして、3ヵ月ほど仕事を受注していました。
しかしクライアントとの音信不通がきっかけで、Webライターの仕事は続けられなくなりました。
そのころの様子を書いた記事はこちら。
後に在宅ワークに詳しい方から聞いた話によると、報酬を支払った後であればクライアントから連絡が途絶えるのはよくあるケースとのこと。
「カレーよりラーメンが食べたくなった」くらいの感覚なので、こちらも割り切って次に行ったほうがいいとアドバイスされました。
SNSの世界はリアルよりもずっと遠くにいる人たちが見えます。
地方の専門学校卒の人間と、もっと専門的な知識を持っていたり、生活環境や生き方が違う人が混在している。
ライターとして仕事を請け負っている人たちはきっと、目に見えない努力や苦労、言いたくても言えないトラブルも抱えながら、やっていけるだけの力と環境があるのでしょう。
自分の文章で一定額の対価を得るのは、ふつうの人間には時間のかかることです。
我が家は残念ながら、そこまで時間をかけられる環境ではありません。
やりたいことを仕事にできないか期
1年前から就労相談に通うようになり、地道な就職活動をする傍ら、やりたいことを仕事にできないか試行錯誤してきました。
ですが、「やりたいこと」を仕事に結びつけるのは一番困難な道だと感じています。
「自分らしく働く」「好きを仕事に」といったコピーが溢れる世の中になりました。
夢のないことを言うと、これらの言葉は何の責任も持ってくれません。
まだ独身とか、子どもがいないのであれば、もっと働き方は自由なのかもしれません。
「子どもを言い訳にしているだけでしょ」と思われる方もいるでしょう。
けれど、人のキャパシティは戦士系のキャラと魔法使い系のキャラのHPくらい開きがあるのです。
私は言わずもがな後者です。
キャパシティがすくない人間は手持ちのHPでやっていくしかありません。
私のやりたいことのひとつとして、手帳と文房具のWebマガジン「テラス手帖」があります。
ありがたいことに、すこしずつ成長はしていますが、現在は趣味の範疇でしかありません。
「やりたいことがあるのはいいけどさ。そろそろ現実を見て欲しい」
誰かの成功や華々しい実績ばかりが目立つネット社会。
夢を見ているつもりはなかったけれど、地に足のついた夫の一言はいつも、私の目を覚まします。
社会復帰への道
余裕がなかった、できなかったことばかり話すのもうんざりしてきたので、きちんと良かったことを挙げていきます。
私はオーソドックスな、企業に雇用される仕事に就くため活動をしていました。
利用したのは無料の就労相談とマザーズハローワーク、ネットの求人検索です。
○就労相談
コンサルタントの方に1時間相談に乗ってもらいます。5~6回通いました。
ブランクや前職のトラウマから「働くのが怖い」相談から始まり、履歴書や面接対策、精神面での支援もたくさんしてもらいました。
特に、リハビリも兼ねて教えてもらったマザーズハローワークの短期セミナーは大きな自信の回復につながりました。
○マザーズハローワーク
基本的には検索をして、目星をつけた求人を相談員の方と検討しました。
私の経歴やスキルから逆に求人紹介してもらい、面接までこぎつけた企業もありましたが、勤務形態の説明に不安が残ったため辞退しました。
前述の短期セミナー(Word・Excel)で1週間お世話になり、「朝早く家を出て決まった場所に通う」感覚を取り戻せたのはありがたかったです。
履歴書や面接に関しても、マザーズハローワークでは基本的なマナーの復習ができました。
就労相談の「志望動機は現在→過去→未来のことを書く」といった、より踏み込んだアドバイスと相乗効果があったと思います。
○ネットの求人検索
しゅふきた、indeed、ハローワークの求人を主に見ていました。
求人先の企業は玉石混交です。
一見条件が合いそうでも口コミで評価の低い企業はざらでしたし、ハローワークの求人でもふたを開けてみると応募をためらう企業がありました。
内定
パート先に決まった求人は、Google検索で見つけました。
検索の際、毎回のように入れていた特定のワードで偶然ヒットした企業でした。
レスポンスが早く、日取りが決まってすぐに履歴書を用意し、面接へ。
勤務形態や良い面・悪い面の細かな説明がしっかりしていて、質問にも丁寧に答えてもらえました。
無事その日のうちに内定をいただきました。
結論…「できること」をやればいい
実のところ、最近までまた働くにあたって「人が怖い」と思っていました。
「何をして働けばいいのか分からない」と頭を抱える日もありました。
悩みすぎて、夫との話し合い中に「私は何もできない」と涙を流し続けた夜もありました。
そんなぐちゃぐちゃな状態で見つけた答えが、
「やりたいこと」と「できないこと」のあいだ=「できること」をやればいい、でした。
接客は元から無理。事務ですら電話応対や来客対応に抵抗がある。
やりたい気持ちはあっても、収入が不安定な仕事をメインにするのは厳しい。
やりたいことを仕事にするのはもっと難しい。
今の自分にできることをやる。
もっと選択肢のすくない時代では、きっと当たり前だったこと。
遠回りをしながらも、やっとそれが仕事に結びつきました。
また、社会復帰の活動をするにあたって、何人かの方にこう言っていただけました。
「はじめさんが行動したから」
働くのが怖いと思いながらも、一つひとつの積み重ねがちいさな自信になり、変化をもたらし、結果が出た。
育児で精一杯だった時期は息子とたくさん過ごせた時間に変わり、上手くいかなかったこともさまざまな経験となって蓄積されたのだと今は捉えられます。
正社員時代は心身が限界になって辞めてしまったけれど、私は仕事が嫌いではありませんでした。
そうでなければ、9年間も勤めなかったはずです。
仕事も環境も変わっても、できることを精一杯やるだけ。
やっとまた、働けます。
※画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございます。
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